国民生活、地域を重視
自公、政権協議で大筋合意
高齢者医療など負担増凍結
自民、公明の両党は24日午後、国会内で両党幹事長、政務調査会長ら
が会談し、自民党の福田康夫新総裁就任を受けた連立政権協議を断続的
に行い、大筋合意した。両党は最終的な調整を行った上で、25日朝の自公
党首会談で「連立政権合意書」に署名、正式に合意する。政権協議には公明
党から北側一雄幹事長、井上義久副代表、斉藤鉄夫政調会長が出席した。
政権協議で確認された連立政権合意案では、先の参院選で示された民意
を真摯に受け止め、負担増・格差の緩和など国民生活に重きを置いた方向
の政策を重視。新政権が取り組む重点政策課題として15項目を明記している。
このうち、公明党が政権協議に臨む基本姿勢に掲げた「負担増・格差の緩
和」については、高齢者医療制度で70〜74歳の窓口負担の1割から2割へ
の引き上げと、75歳以上の新たな後期高齢者医療制度における被扶養者
からの保険料徴収について「早急に結論を得て措置する」としたほか、障害
者自立支援法について「抜本的な見直しを検討する」と明記。来年(2008年)
4月から実施予定の母子家庭に対する児童扶養手当の一部削減についても、
「凍結を検討し措置する」とした。
政治とカネ
1円以上に領収書添付を義務付け
最大の焦点となっていた「『政治とカネ』の透明化」については、政治資金に
関して、「1円以上のすべての支出に領収書等の添付を義務付ける」とした上
で、その公開のあり方については、「独立した第三者機関の設置など国民の
理解が得られるよう、内外の意見を十分に勘案して具体的な成案を得るべく
政党間において協議し、今国会で成案を得ることをめざす」ことで合意した。
「地域を活性化する」については、地方と都市の格差を是正し、地域コミュニ
ティーの再生や必要なインフラ(社会基盤)の整備など、地域活性化推進のた
めの施策を大胆に講じるとともに、地域に必要な財源を確保しつつ、地方自治
体間の財政力格差の是正に向け早急に対応するとした。また、事業承継税制
の抜本見直しなど中小企業支援策の拡充を図る。
救急医療の体制強化も
「命を守る安全網」については、医師不足に対応した緊急対策に加え、ドクタ
ーヘリの配備促進、救急患者の受け入れを確実に行うためのシステムづくり
など救急医療の強化を図るとした。
年金制度改革については、「2009年度までに基礎年金の国庫負担割合を
2分の1に引き上げる。無年金・低年金を防止する施策の充実を図る」と明記。
「女性が安心できる社会」については、産科、小児科医不足を解消し、児童
手当の拡充、保育サービス・妊産婦支援の充実など子育て支援策を強化する
と強調した。
行政改革については、「歳出削減と税金のムダ遣いを一掃するため、事業仕
分け作戦を徹底し、内閣における推進体制を確立する」と盛り込んだ。
外交・安全保障については「強固な日米同盟と国連中心主義を踏まえ、積極
的な『アジア重視の外交』を展開する」とするとともに「核軍縮・不拡散体制の維
持・強化を推進し、『核廃絶』で世界をリードする」と掲げた。
さらに、今国会で海上自衛隊による対テロ抑止活動を引き続き可能とするた
めの法整備を行うとしている。
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