私の山遊び、川遊び、海遊び-年間スケジュール

大山で13年遊んで、最近、ようやく遊びの年間スケジュールが出来てきました。大山での遊びの参考にでもなればと思い、つれづれなるままに、書き連ねてみます。

■春は山菜採り。まずフキノトウが3月頃から採れ始め、3月半ばにはツクシ、4月になるとコゴミが芽を出します。私はツクシの佃煮のほろ苦さが大好きなのですが、誰も採る人はいません。いつも私がひとり占めであります。コゴミはアク出しの必要もなく、塩茹でしたあと、どんな料理にも使えます。酢味噌和えが一般的ですが、バター炒めも美味しいです。山菜はウッカリすると旬を過ぎてしまうので、忘れずにチェック。近くの渓流公園で採っています。

■4月半ば過ぎの雨のあとワラビが出始めます。4月半ば過ぎには山菜の王者タラノメも美味しそうな芽を出します。これは競争相手が多く、また、採るタイミングが難しい。うっかりすると大きくなりすぎていたり、なくなっていたり…。
ゴールデンウィークには近隣の人たちが大勢ワラビ採りにペンション村周辺を訪れ、その後1週間ほどワラビがなくなりますが、ワラビは次々出て、6月まで採れます。

■6月になるとキイチゴ、野イチゴが実を付けます。野イチゴは群生しているので、いくら採っても採り尽くせません。頑張りすぎると腰が痛くなってきます。ジャムやジュースに。ウチではシャーベットを作っています。
 フキやネマガリタケもこの時期。ネマガリタケは見つけた頃はよく採りに行きましたが、私、あまり味が好きではないので、今ではたまにしか採りに行きません。

春の楽しみは山菜採りだけではありません。

■3月1日は渓流釣りの解禁日。でも、例年はまだ雪が深く、入渓がたいへん。がんばってポイントに一番乗り出来れば、尺イワナも釣れます。が、岩場の上を雪が覆い、その上を歩くので、時折、ボソッと雪が抜け落ち腰まで雪に埋もれると、出るのが大変です。疲れます。
■ホームグラウンドはいづれも大山から日本海に流れる甲(きのえ)川と阿弥陀川。とくに甲川は美しい川です。これぞ日本の山岳渓流。ブナ林の中を流れるこの川は雨が降ってもほとんど増水せず、岩は緑に苔むしています。新緑の頃はブナの若葉が天然のブラインドとなり、渓流はやわらかい緑の光に満たされます。
■朝6時か7時頃出発。車で30分、徒歩30分で川に到着。だいたいいつもこんな感じです。早春の釣りでは、釣り道具と温かいものが食べたいのでおにぎりとカップめん、それに湯を沸かすためのコンロ。渓流釣りでは水を持って行かなくていいので助かります。渓流の水は雪解け水が流れ込むので、身を切るような冷たさ、ウェーダー(腿まである長靴)を履いて、足を濡らさないようにします。川を上流に向かって、釣り上ります。5時間かけて釣り登っても帰りは竿を仕舞って歩くと、1〜2時間でもとの地点へ。
■雨上がりを狙って入渓。こんなことができるのが地元の強み。雨中でも釣れますが、雨の中で弁当を食べるのもねえ…。いつもは商売柄、平日しか釣りには行けませんが、日曜日の午前中に雨が上がり、午後から竿を持って出かけたことがありました。甲川には4箇所、入渓ルートがあるのですが、どのルートにも出発点に車が止まっており驚きました。1ルートに1人(1組)入っていれば、その後を釣っても釣れません。週末には結構人が入っているようです。
■6月、水温が上がってくるこの時期は泳がないと行けないポイントへ。ウェーダーでは、中に水が入ると身動きができなくなるので、ウェーダーシューズを履き、服は全て化繊100%のもの。綿は1度濡れるとなかなか乾きません。水温は12度ぐらい。身が引き締まります。ウイスキーを忘れずに。ウイスキーは少しでいいので、重くなくっていいです。ビールは重たい。でも泳がないときは冷えたビールがうまい。横着釣り師の悩みであります。

■6月下旬になると海の水温も上がって来るので、近くの離れテトラで潜って、岩ガキを採ります。そして夕方から岩ガキパーティー。恒例行事になって来ました。

夏はペンションのお仕事に専念。

■秋は木の実採り。9月上旬にはヤマボウシが実を付けます。セッセと採って果実酒に。一度にたくさん採れるので、これは1回でおしまい。仕事のような、遊びのような…。

■また、9月末で渓流釣りはおしまい。最後のイワナ釣りです。この時期、メスは卵を持っています。小さなイクラのような卵です。これを醤油、酒、ミリンに一晩漬けて、一杯。イワナはいろいろ試してみましたが、塩焼きかムニエルが一番美味しいようです。

■それから、秋といえばキノコ採り。9月半ばから10月にかけてナラタケが採れます。その後はムキタケ、12月になるとナメコが採れます。ナラタケはこの辺りではザーザーと呼ばれ、たくさん採れて美味しいです。年中採れるのがヒラタケとカノシタ。ヒラタケやウスヒラタケ、スギヒラタケはバター炒めが美味しいですが、一般的にキノコは鍋に入れるのが手っ取り早いです。
大山で採れ、私の知っているキノコはこんなものです。知らないキノコには手を出しません。
■私のキノコ採りの先生はペンション暖暖のオーナー暖暖さんです。そのまた先生はペンションヤドカリのオーナーヤドカリさん。この人は採ったキノコを市場に卸していて、すっかりプロです。私は良い先生に恵まれ、これからも精進の日々であります。
以前、暖暖さんとキノコ採りに出かけ、朝一番で頭をスズメバチに刺されたことがありました。その後夕方までキノコを採ったのですが、一日中頭がバットで殴られたようにズキズキしておりました。秋の山はくれぐれもスズメバチにご用心。

■大山山頂や、三鈷峰への大山登山も年に1回はしたいもの。どうせ登るならキノコのお土産がある秋に。山頂に雪がないのは5月から10月。11月になると大山初冠雪のニュースが新聞に載り、普通のトレッキングシューズでは登るのが難しくなります。紅葉の見頃は10月末から11月上旬。紅葉は上から降りてくるので登山で紅葉を楽しむなら、10月中旬がベスト。紅葉の時期と初冠雪が重なるとそれはそれは美しいです。

■また、10月からは渓流釣りができなくなるので海釣りに転向。10月11月は境港でアオリイカやアジが釣れます。アジはサビキでたくさん釣れ、しかも美味しい。
夜釣りの方がアジも型のいいものが釣れるので、夕方から9時か10時ぐらいまで。釣ったアジをエサにして投げ込んでおくとスズキが食いつくこともあります。アジはたくさん釣れますが、クーラーいっぱい釣って帰ると、後の処理が大変なので、私はアジは10匹か20匹までにして、その後はアジをエサにスズキやアオリイカを狙うことにしています。

■冬はスキーしかありません。
大山はクリスマスの頃からスキーシーズンが始まります。長年スキーをしなかった(スキーができなかったし、興味もなかった)私にとって、冬はたまにヤリイカを釣りに行く程度で、ひたすら3月の渓流釣り解禁を待つのみだったのですが。

■数年前からクロカンで歩くスキーを楽しんでいたのですが、レンタルで借りるクロカンの板はエッジがなく、平坦地を歩くのは快適なのですが、下りを滑る際には自由にコントロールができません。あれはあくまで歩くための道具のようです。ペンションピアンピアノのオーナーピアンピアノさんが山スキーのベテランで、テレマークスキーで大山の山頂から滑り降りるというとんでもないことをしている人です。話を聞くと、登りでは板の裏にシールという滑り止めを貼り付けて登り、下りではそれを剥がして滑り降りるとのこと。しかも、テレマークスキーは歩きやすいように踵が固定されておらず、ターンの際にはテレマークターンなるものをマスターしなければいけない、ううむ、普通のスキーでさえ滑れない私にそんなこと…。
■スノーシューで雪山歩きもしました。でも、下り坂になると、これがスキーだったら楽なのになあ、と思ってしまいます。

■ある冬の日、暖暖さん所有の1mほどのショートスキーを借りて滑る機会がありました。20年ぶりのスキーでした。桝水のスキー場で中段までリフトで上がり、無事に滑り降りれるだろうかと滑り始めたところ、あら不思議、曲がろうと思うだけでスキーが曲がってくれます。中段から3回滑ると早くも物足りなくなり、4回目は最上段へ。もう、スイスイです。
スキーの出来ない方は是非お試しください。ショートスキーは魔法の板です。

■でも、これはゲレンデ用。ショートスキーで山スキーのように踵を固定したり、フリーにしたりの切り替えができるビンディングの付いた板はないものか。ありました。ペンション桝水高原の桝水さんがネットで見つけてくれました。靴は(なにしろ私はスキーの道具はなにも持っていなかったのです)歩くときのことを考えてなるべく軽く、留め金を外すとある程度踵の関節が自由に動くものがいい。これも米子のスキーショップで桝水さんが見つけて知らせてくれました。超軽量と書かれたその靴は超安値、確か5000円ぐらいでした。数万円の値がついている靴は重く、踵もしっかり固定されているものばかりでした。安物がよかったというわけです。
■これで準備万端。 時はすでに3月、毎週、山に出かけました。他の人の装備もまちまちです。テレマークスキーを購入した人、アルペンの板に山スキー用のビンディングアダプターを取り付けた人、私と同じタイプのショートスキーを購入した人。おじさん達でバックカントリーボーイズを結成。三の沢を滑り、二の沢を滑り、元谷を滑り、烏ケ山の南斜面にある巨大ブナを見に行き…。林間を滑り抜けるのは爽快です。
ゲレンデの営業は3月半ば頃で終了しますが、山にはまだまだ雪があり、バックカントリーは4月半ばまで楽しめます。

■と、ふと気が付くと渓流釣りがすでに解禁。ああ、忙しい、忙しい。フキノトウを採って、ワラビを採って、イワナも釣って…。

このように書くと、私は遊んでばかりいるような印象を受けられるかもしれませんが、実際はお仕事の合間にちょこっと遊んでいるだけなのです。誤解のなき様。


The End