私の独断と偏見で選ぶこの逸品



第29回は、coeur ripe(クールライプ)の帽子です。


coeurの木島さんといえば、現在日本の帽子作りの第一人者と言っても過言ではないでしょう。そんな木島さんが作るcoeur ripeの帽子は、現在入手できる最高の素材、または貴重なデットストック素材を使用し、コートモードで使われる伝統のテクニックにトレンドを織りまぜ、より個性を打ち出したブランドです。手作業により一つ一つ丁寧に作られた帽子は、まさに日本が世界に誇れる最高の帽子なのです。
実際にこの帽子を手に取っただけで、その素晴らしさが伝わってきます。そしてその被り心地、被ったときの美しいシルエットには、この帽子ならではのスペシャルなモノを感じます。
そしてとても残念な事に、今シーズンでcoeur ripeのメンズラインが最後のコレクションとなってしまいます。理由は木島さんが多忙すぎて作ることができなくなってしまっている為らしく、今後はメインラインであるcoeurで一部coeur ripe的な帽子を残せればと考えられているそうです。
そういう訳で今回で最後となってしまうcoeur ripeですが、日本が世界に誇る最高の帽子をこの機会に皆様にご覧頂ければと思います。

もちろん、私の独断と偏見ですが・・・

coeur ripe   フェルト(ラビット)ハット  ¥39,900  

余談ですが、たまたまクールの事務所にお邪魔したとき、黙々とクールの帽子を縫う木島さんの姿がありました。思わず「木島さん、まだ帽子を自分で縫ってるんですかぁ?」と失礼なことを聞いてしまったんですが、というのも今のクールの人気を考えると、(クールライプを除いて)自分では縫ってないと思っていた僕に木島さんは、「今、E.F.G.さんに納める帽子を縫っているところなんですよ。麦やフェルトは今でも自分でひたすら縫ってますよ。」とのことでした。(ちなみに布帛モノは、信頼できるアパレル工場で縫ってもらっているそうです。)
10年ぐらい前に“帽子職人”としてある雑誌に紹介された木島さんの記事を見て興味を持ち訪ねたのがクールの帽子を始めるきっかけでしたが、とても高い評価と人気を得た今でもひたすらミシンに向かう姿には、一流の帽子デザイナーである前に、最高の帽子職人でありたいという、そんな職人本来の姿を感じ、僕自身、身の引き締まる思いがしました。そんなクールの帽子を扱う者として、これからもクールの帽子の素晴らしさをお伝えできればと思います。  長々とすみません。






           
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