ジーンズほど我々に馴染みの深いパンツはありません。たまにジーンズは穿かないと言う人もいますが、ほとんどの人がジーンズをはくと言っても過言ではありません。それだけにジーンズほど多種多様なパンツはありません。数え切れないぐらいメーカーがあり、様々なデザインがあり、自分の好みや体型に合ったお気に入りの1本に出会うのは、以外に難しいことかもしれません。
仕事柄、色々なジーンズに接する機会も多いのですが、今回紹介するマーカウエアのジーンズは、久々に出会った超お気に入りのジーンズです。
このジーンズは、いわゆるヴィンテージタイプのジーンズで、リーバイスの30年代モデルをベースにしています。古い時代の野暮ったさを感じさせるゆるめのシルエットに、離れたバックポケットやバックシンチ、それに鉄製リベット(通常は銅製)、イエローステッチなどワークウエア時代のジーンズを象徴するディテールです。生地の14ozオリジナルセルビッチデニムは、生機(キバタ)と呼ばれる精錬を施さない織り上げたままの状態の生地を使用し、縮み、よれ、毛羽立ち等、古いジーンズに見られる深い味わいが魅力です。糸にもムラ糸を使用することで、タテ落ちと濃淡のコントラストが強い色落ちを楽しめる素材です。など、ヴィンテージのディテールや素材をマーカウエアらしいこだわりで再現しています。
そして肝心のシルエットと言えば、やや浅めに設定された股上の深さが絶妙で、腰バキしたときの腰やお尻回りは余りすぎることなく、離れたバックポケットとのバランスが絶妙です。この程よいあまり具合が、古い時代の野暮ったさを残しながらも、程よくルーズなシルエットと太腿から裾にかけてのテーパードラインは、現代的で洗練された印象を与えます。まさに洗練された大人の腰バキジーンズという感じでしょうか。
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色々と、このジーンズのこだわりのディテールや素材について書きましたが、私自身ヴィンテージデニムマニアではないので、実はあまりヴィンテージディテールへのこだわりはありません。ディテールの再現も大事かも知れませんが、私は、その先にあるデザイナーのセンスや感覚、時代性にこだわります。ディテールや素材の再現にこだわり過ぎて肝心のセンスや時代性が欠けていたのでは、そのジーンズに魅力を感じません。
マーカウエアのこのジーンズからは、ディテールの再現を超えたその先にある作り手のセンスの良さと、モノ作りへの懐の深さを感じます。
そして、古い時代の野暮ったさと、現代的で洗練された雰囲気をあわせ持つこのジーンズは、当分の間、私の着こなしに欠かせぬ存在であることは間違いありません。
もちろん、私の独断と偏見ですが・・・
MARKAWARE 30'S FIVE-POCKET BUTTON-FLY ジーンズ (NON WASHED) \25,200
カラー インディゴ サイズ 2、3、4、5 コットン100%
日本製
2012年2月
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