私の独断と偏見で選ぶこの逸品

第45回は、スロウガンの FIVE STAR TOP DENIMです。





ファイブスタートップデニムと名付けられたこのデニムは、特にリアルな加工が施されている訳でもなく、凝った刺繍やスタッズで飾られている訳でもない生デニムですが、税込み約4万円する超高級ジーンズです。
その理由はと言えば、作りもさることながら、特に素材にこだわっており、その素材へのこだわりは凄いです。コットンにシルクをブレンドしたデニムは、コットンに地球上で、最も肌触りのよいと言われる二大超長綿を使用しています。タテ糸には、綿の生産量の10万分の1といわれるシーアイランドコットンをヨコ糸には、インド綿の中でも、0.025%しか獲れないというスビン綿を使用しています。まさに、綿の王様と綿の横綱のコンビネーショと言っても過言ではない、そんな贅沢な綿を使って、オリジナルのデニムを織り上げています。
このデニムに、足を通した時の肌触りは格別です。一言で、このデニムを表現するなら、とても気品漂うデニムです。
そして、仕様やディテールにも、スロウガンらしいこだわりを感じさせます。5ポケットでありながら、尻ぐりを立てたスラックス仕立てにしており、腰裏には、オリジナルのマーベルトが付けられたスラックス仕様で、デニム本来の粗野な穿き心地に比べて、とても上品で心地良い穿き心地です。
デザイン的に特徴のあるヒップポケットは、テーラージャケットのパッチポケットのようです。ヒップポケットと前ポケットを揃えた美しいラインや、所々、巾を細く縫われたステッチワークが、ジーンズにエレガントな印象を与えます。それに、エレガントな中に、スロウガン的70’sフレンチな香りのするジーンズです。
そして、これほど贅沢なデニムを使って、上品に仕立てられたジーンズなのに、穿いた時の印象と言えば…エレガントな匂いの中に、それを壊す野暮ったさが共存しています。
ワークウエア時代のデニムのような離れたヒップポケットやヒップや腰周りの微妙にルーズなバランスから生まれる絶妙のシルエットからは、エレガントな中に野暮ったさと、見事な力の抜け具合を表現しています。


エレガントさと、野暮ったさが、共存するこのジーンズには、ヴィンテージディテールを追求したジーンズや、高価でブランドアイコンやカッコよさを全面に出したジーンズとは、一線を画するものを感じます。キメキメでカッコつけることの気恥ずかしさやカッコ悪さ、それを分かった上で、キメれるカッコよさ、そこには、スロウガンの真髄でもある『力の抜けたカッコよさ』と『大人の余裕』を感じさせます。
ファイブスタートップデニムと名付けられたこのジーンズは、これまで、様々なジーンズを穿いてきた大人の皆様に穿いて頂きたいジーンズです。
スロウガンのデザイナー小林さんの経験とセンスによる様々なエッセンスが凝縮したファイブスタートップデニムは、スロウガン渾身のまさに、『大人のジーンズ』と呼ぶにふさわしい逸品であることに間違いありません。

もちろん、私の独断と偏見ですが…

余談ですが、このジーンズには、洒落たグラフィックの紙の帯や3枚重ねたレザータグがキレイなリボンで付けられたりと、この高価な生デニムを素敵に演出しています。ジーンズを穿くには、直接関係の無いものですが、こういう部分のセンスも、洋服作りにも反映されており、意外と見逃せなかったりします。

スロウガン  FIVE STAR TOP DENIM  \39,900
カラー インディゴ  サイズ 2、3、4  コットン87% シルク13%
日本製
2012年3月





















     
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