私の独断と偏見で選ぶこの逸品

第47回は、トリッカーズ M5633 EFG別注モデルです。





トリッカーズと言えば、英国靴の聖地ノーザンプトンで1829年創業の最古のシューメーカーであり、中でも独特のフォルムに分厚いソール、張り出したコバが特徴的なカントリーラインは、トリッカーズの象徴的シューズとして知られています。
10年以上前ですが、うちの店でもカントリーラインは、とてもよく売れたシューズでした。私も当時、細身のパンツに合わせて、とてもよく履いていました。只、カントリーラインの堅く厚いソールには、足を慣らすのに苦労したのを憶えています。
実は、何年か前からトリッカーズのカントリーラインのブーツではなく、短靴をやりたくて、代理店に行くたびに色々と履いてみるのですが、カントリーラインの分厚いソールの堅い履き心地には、展示会回りをして疲れた足には、決して心地良いものではなく、当時、若かった頃とは違い、40をとっくに過ぎた私には、試足するたびにやる気力を欠いてしまいました。
とは言え、カントリーラインの短靴の独特の魅力あるフォルムは捨てがたく、代理店に行くたびに、何かないものかと考えていました。
そして、昨年の秋の展示会で遂に見つけたのが、このフレックスシングルオイルレザーソールを装着したニューモデルでした。早速履いてみると、しなやかな履き心地とソールの返りの良さに、今まで履いたことの無いカントリーラインらしからぬ履き心地に驚かされました。
それに、このソールにすることで、従来のモデルに比べて、コバの張り出しが控えめになります。カントリーライン独特のフォルムに分厚いソール、張り出したコバが、この靴の魅力でもあり、ある意味土臭くて野暮ったい印象もありました。それが、このソールを装着し、コバの張り出しを抑えることで、魅力的フォルムはそのままに、上品で洗練された印象がプラスされました。


そして、うちの店用にチョイスしたカラーは、ベージュスエードとレッドです。キメ細かな上質スエードに、少しグレーがかったシックなベージュカラーが、この靴を更にエレガントに見せてくれます。そして、かなり攻めた印象の赤いトリッカーズは、決して下品にはならず、モード靴には出せない気品が漂います。180年以上の歴史と伝統を誇るトリッカーズだからこそ醸し出せる雰囲気でしょうか。このカラーが、このソールと出会うことで、更に魅力あるカントリーラインへと進化しています。
今回、うちらしいイメージで別注した2色のトリッカーズは、カントーリーライン本来の魅力的フォルムに、履きやすさと洗練された雰囲気を兼ね備え、また新しいトリッカーズの魅力を感じさせてくれると思います。
かつて、トリッカーズ履いてきた皆様にも、是非オススメしたいトリッカーズです。
個人的には、 このかなり攻めた印象の赤いトリッカーズを素敵に履きこなせればと思います。

もちろん、私の独断と偏見ですが…


トリッカーズ M5633 EFG別注モデル  \64,050
カラー ベージュスエード、レッド  サイズ5H〜8H
英国製
  
2012年6月

余談ですが、このオイルレザーソールは、元々軍用に開発されたソールらしく、相当オイルが染み込んでおり、少々の雨でも気にせず履けそうです。とは言え、お気に入りの靴を長く良い状態に保つには、やはりシューケアが大切です。レザーの種類、カラーによって様々なシューケアグッズを取り揃えています。是非、シューケアについてもお気軽にご相談下さい。




















     
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