私の独断と偏見で選ぶこの逸品

第50回は、ケイ マクドナルドのキッドモヘア ハンドフレームショールカラーカーディガンです。





とても素敵なニットが届きました。ケイマクドナルドのキッドモヘアのカーディガンです。ケイマクドナルドと言われても、私も全く知りませんでした。メンズでは、全く無名の存在ですが、レディースのニットでは、その拘りとクオリティーの高さから、知る人ぞ知るニット専門の"メイド イン ジャパン”ブランドです。
ここのニットは、1998年にロンドンでデビューし、当初イギリスでセーターを生産していましたが、日本製ニットのクオリティーの高さに魅せられ、以来拘りの日本製ニットを作り続けています。
今や、国内で流通するニットの殆んどが中国製で、日本のニット生産国内需給率はわずか1%未満で、絶滅危惧種と言っていいぐらいの大変貴重な存在です。
ここのセーターの特徴は、モヘア、アンゴラ、アルパカなどの温かみのある天然素材を中心に、今では殆んど残っていない家庭用手編み機(私が子供の頃は近所の編み物教室や友達の家に有ったのを憶えています。)を専属のニッターが、一枚一枚丹念に編み上げ、昔ながらのハンドフレームにより仕上げています。
このセーターは、偶然ある展示会で見つけて、肌触り、着心地、デザインを含め、このセーターのクオリティーの高さに魅了されました。まさに、『無名の一級品』です。
先日、地元でも優秀な学校に通う常連のS君が居た時に、ちょうどこのセーターが届きました。早速試着したS君は、「なんかめちゃくちゃイイですね」と言って、バイト代を叩き全く無名のこの高価なセーターを買ってくれました。



まだ19歳か20歳の青年が、多くを語らずとも、このセーターの素晴らしさを直感的に感じとり買ってくれたことに、正直少々の驚きと、ブランドではなく、モノの本質やクオリティーでモノを選ぶS君を、とても頼もしく感じました。
ケイマクドナルドのようなメンズでは全く無名の存在でありながらも、拘りのクオリティーとモノの本質で勝負する小さなニットメーカーは、雑誌に載っている人気ブランドを上から順に集めた店や、有名芸能人や、どこそこのセレブが着用した…などを売りにする店には、無縁の存在だと思います。
ケイマクドナルドのような日本の貴重なモノ作りに拘り残していくことは、我々日本人にとっても、とても大切なことのように思います。
今後も、この小さなニットメーカーのセーターのような『無名の一級品』を探し、皆様に提案していくことは、我々のような服屋の使命であり、それが、本来のセレクトショップのあるべき姿だと思っています。

もちろん、私の独断と偏見ですが…


Kei MACDONALD/ケイ マクドナルド
キッドモヘアハンドフレームシュールカラーカーディガン  \29,400

カラー グレー、ネイビー、アクア  サイズ S、M、L  
キッドモヘア55% メリノウール15% ナイロン30% 

日本製
   
2012年9月






     
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