私の独断と偏見で選ぶこの逸品

第76回は、ジャコメッティのサイドゴアブーツです。



”惚れ惚れする靴”ということでブログでも紹介しました。ジャコメッティの靴を言い表すならそんな表現が似合うでしょうか。
このサイドゴアブーツは、表面のシボが美しく丈夫で柔軟なゴートレザー(山羊革)を使用し、継ぎ目のない贅沢な一枚革で作られています。ソールはマシーンでななく手間の掛かるハンドソーンで付けられています。初めて足を通した時の吸いつくようなフィット感、足馴染み履き心地の良さは今までにない経験でした。
少し高さがあり、ややボリュームのあるラウンドトゥから流れるような美しいフォルム、小さめの踵から立ち上がるシェープされた足首のラインがエレガントです。履いていて自分では見えませんが、後ろから見える立ち姿もとても美しい靴です。
このサイドゴアブーツ、美しシボ革と美しいフォルムのアッパーには、一見不釣り合いなやや踵の高いゴツめなビブラムソールを合わせています。普通は上品なソールを合わせそうですが、このゴツめなビブラムがエレガントなブーツに無骨な表情を与えています。エレガンスと無骨さが交叉することで、更に洗練されたサイドゴアブーツへと昇華しています。



イタリアの職人が丁寧に時間をかけて生み出すジャコメッティの靴はとても美しく、そしてタフです。吸い付くようなフィット感と驚くほどの軽さ、正直、クオリティーは素晴らしいです。アッパーに使用しているシボのあるゴートレザーは丈夫で手入れも簡単な革です。履きこんでいった時に生まれるシワや味わいのある表情がまた格別です。さらに男くささと色気を増していきます。
買われたお客様は、大事にしまっておかず、遠慮なくガンガン履いて欲しい靴です。その方がこのブーツの価値、素晴らしさが伝わるからです。
ジャコメッティのサイドゴアブーツ、流行を超越したいつの時代でもカッコよく履ける大人のブーツだと思います。まさに傑作と呼ぶに相応しい逸品ではないでしょうか。

もちろん私の独断と偏見ですが…

2020年10月


サイドゴアブーツ  \107,000+
TAX  山羊革

イタリア製

















     
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