アグリビジネス

プロローグ
私がアグリビジネスに関心を持ったのは、平成5〜6年鳥取県のフラワーパークに関係し、フラワービジネスを研究したことがきっかけだった。
フラワービジネスに関し、国内で成功している事業者団体を見学し意見を聞き、又蘭の栽培についてタイ国でのメリクロン栽培農場、又花の取引としてオランダの花市場を見学してきた。その中で農業とは如何に生産性の悪いものか、同じ製造業でも私が今まで携わってきた食品の製造業に比べ、資本回転率が極端に悪く、生産性の発展も限界があると思った。
例えば、米は春植え秋に収穫するが、これは弥生時代から余り変らない。即ち春、投資した肥料・労力が秋にしか資金として回収できないからである。又生産性も現在弥生時代の10倍程度で、他の産業と比較して大変遅い進化である。
一方流通を見ると、日本で一番の業界代表である農協は旧態依然の状態で問題が多発している。農協は、1945年体制、戦時体制で国力増強に一躍かった。又戦後国の復興に農協は大きな役割を果たした。しかし、1970〜1980年代に入ると、消費より生産が多くなり、海外からも供給が多くなると、農協は流通に力を入れなくてはならないのに、それを怠り農林省の補助に縋ってしまい体力を低下させてきた。
商売の原則では、消費より供給が多い時代においては販売・流通を制した企業が生き残る。このことに農協は目を向けなかった。ひたすら国の補助に頼ってしまったのである。当然不利益地域での農業は補助金で農民を直接補助すべきところ、それも今までしてこなかった。そんな理由で農業には夢がないと思われてきたが、ここに来て地球全体の環境問題、又食料の安全,食糧安保の問題からも見直さねばならない時期が来た。
研究テーマ
イ)有機農産物としてのリサイクル肥料
野菜クズ・食品の残渣・家畜の糞尿 等の有効的な堆肥化
 ○ 堆肥化の技術・コスト
 ○ 堆肥の品質管理
 ○ 堆肥にするまでのリサイクル、堆肥の利用システム、
オーガニック農産物の商売  等 
ロ)オーガニック農産物の証明方法
ハ)オーガニック農産物の価値の評価基準を作り、特にミネラルの含有
ニ)オーガニック農産物の流通の有効手段として、客観的な評価とは別に
何をどう消費者へアピールするか
  1 オーガニック農産物の高付加価値とは何か
  2 一時的ブームに終わらせないためにはどんな戦略を組むべきか
  3 オーガニック農産物のマーケティング