バカ漫画 其之伍
「希望の革命」
〔幸福の科学出版〕
1995年3月7日 初版発行
講談社フライデー全国被害者の会
 バカ漫画第五回の特集は、原点に帰って、宗教漫画。
文句言われると嫌なんで、本の画像にはモザイク入れております。
五回目にしてもう原点に帰るとは、ネタも尽きたか。

  さて、『幸福の科学』とは何ぞや? と思われる方も多いと思うので、ちょっくら説明をば・・・

  『幸福の科学』とは、O川隆法総裁が主宰なされております宗教団体です。もちろん新興の。
主宰先生の御本名は「中川隆」というらしいが、戸籍上も「O川隆法」名義のようです(どうやったんだろ?)
エル・カンターレ(九次元宇宙界の最高の仏)やら仏陀やら、その他色々偉い方々の生まれ変わりに
在らせられます。もちろん自称です。主宰先生の奥方は、これもアフロディーテの生まれ変わりで
在らせられますO川きょう子様。こちらも自称なのは言うまでもありません。

 『幸福の科学』の最大の「売り」はとはつまり、要は主宰先生のイタコ体質にございます。
ただ、本物の…もとい、通常のイタコでは人間霊しか降ろせませんが、主宰先生は一味違います。
神様から天使様から仏様から人間霊まで、宗教・宗派の違いなんぞバリアフリーでございまして、
自由自在に降ろすことができます。そして色々と人間のためになることを騙る語るのです。
 以前、立ち読みした本には、あの坂本竜馬が降りて来られ、自民党をはじめとする今の日本状勢を
大いに批判しておりまして、大笑い感銘を受けたことがございます。ちなみに、かのノストラダムスも
降りて来られまして、未来を予言されていました。思いっきりハズレているとか言ってはいけません。
 これに関しては、埼京震学舎のレビューがございます ⇒『ノストラダムス戦慄の啓示』

 主宰先生の有り難い著書は、その数たるや300冊以上にのぼります。
 それぞれの本が、信者さんが複数冊購入するためベストセラーになっております。
ご購入を考えているヒマな方は、Book Offを回れば各冊¥100で入手可能だとは言わないことにします。
有り難い著書の売上によって得た豊富な資金をバックに、様々な有り難い映画も作られております。
 高田馬場の映画館で、そのバカ映画を大爆笑しながら鑑賞していて、怒り狂った信者の方から
「あなた方は、人として最低です」との御ことばを賜った、楽しい不謹慎極まりない方々がおります。
その方のレビューをご覧あれ ⇒ 『ヘルメス 愛は風の如く』 『太陽の法 エル・カンターレへの道』

 まぁ、こんな感じの団体さんです。楽しそうでしょ♪ (「♪」使うほどじゃないな)

 で、今回のバカ漫画は、この団体さん発行。「希望の革命」
著者は「講談社フライデー全国被害者の会」。つまり、雑誌「フライデー」を糾弾する漫画です。

 元より、「フライデー」自体、芸能人・著名人のスキャンダルを暴露したりでっち上げたりが中心の、
いわゆる「売れてナンボ」の雑誌でして、個人的には好きにはなれません。つーか、嫌いです。
特にこの雑誌を擁護するつもりなんざ、欠片もございません。

 しかしこの漫画は、あまりにも笑える…もとい、感銘を受ける部分が多すぎて

 その前に、どうして講談社(「フライデー」)vs『幸福の科学』の構図になったのか。
先に説明しておきましょう。・・・とは言っても、別に複雑な話ではありません。
1991年8月23・30日号で「フライデー」が、O川隆法主宰先生経歴を暴露し、
更に教団内部での金銭の授受など、あることないこと書き連ねた記事を載せたのがきっかけです。

  これに対して『幸福の科学』サイドが激怒(もちろん主宰先生も)。
 その報復行為が、会員総出での執拗な電話&FAX攻撃。すなわち
抗議電話を切れ目なく延々とかけ続け、
抗議FAXを切れ目なく延々と流し続ける。

  1991年9月2日から5日間にかけて、これら営業妨害・・・じゃない、抗議行動は続けられ、
  講談社はその間中、社の機能がストップすることに。

  ただまぁ、これに関しては、素晴らしい釈明がございます。
「『信教の自由』という憲法上の最も大切な高次の人権を脅かした講談社に対して、
 反省を促し、謝罪と訂正を要求することが、なぜ業務妨害になるのでしょうか。
 しかも、会員が個々の信仰から立ち上がり、各人の言論手段で抗議をしたことは
 『信教の自由』から見て当然で、業務妨害の意思など全くなかったのです」
 
(「幸福の科学」1997/5 より) ・・・・なんだそうです。お間違えなきように(笑)

 個々の会員がたまたまかけた抗議電話が、偶然切れ目なしに繋がり、
 個々の会員がたまたま出した抗議FAXが、偶然延々と繋がってしまったのですよ(笑)
「みなさんの力を結集して抗議を続けましょう。FAXを送り続けると業務ができないので、
    
一週間でフライデーを廃刊にできます。頑張りましょう!
・・・・そんなことをO川主宰が言われたというのは、多分嘘です(笑)。

  ちなみに、この漫画の中でも
「講談社側は、これを抗議ではなく業務妨害だったと主張。
           自分達が被害者であるかのようなPRをしたのである
(P.109)
とありますから、まぁ反省はしてないんでしょ。どっちもどっちだと思えなくもない。

  とりあえず、このような経緯があったことだけ説明しておきます。



  さて、前置きが長くなりました。
  では、ツッコミ開始私の心の琴線に触れる部分を紹介することにしましょう。

 まず、当時流行していたこのテの雑誌は、頭文字を取って、俗に「3F」と呼ばれておりました。
つまり『フラッシュ(光文社)』『フォーカス(新潮社)』そして『フライデー(講談社)』
この3誌です(「フォーカス」は後に休刊)。それぞれ、多少の傾向の差はございましたが、
どの雑誌も大同小異。あまりスタンスに極端な違いはなかったように思われます。
 低俗な情報を垂れ流す行為を批判するのは、まあ結構なことですが、

なんで「フライデー」だけなんだ?
他にも似たような雑誌はあるのに。なぜ他の雑誌に同様の批判しない?

 答えは単純明快。幸福の科学を批判したのが「フライデー」だけだったからでしょう。
「ずさんな記事作り(P.74)」「他人の不幸を見て喜ぶなんて最低(P.77)「拝金主義(P.78)
等の批判は、「フラッシュ」「フォーカス」にも当てはまるはず。
 でも、そちらに関しては、最低でもこの漫画では、特に批判らしい批判をしておりません。
 結局、自分とこに都合が悪ければ批判するんかい。
なんてぇバランスの悪い光の天使だ。




 第二に、著者の講談社フライデー全国被害者の会って、何だと思います?
 「フライデー」に大切なプライベートを激写された人。
 「フライデー」に身に覚えのないスキャンダラスな記事をでっち上げられた人。
そんな被害者たちが中心になって立ち上がり、「フライデー」の姿勢を正すために作られた会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だと思うでしょ?普通。 これが違うんですよ。
 本のあとがき見ると、
 この会の会長は、景山民夫(故人・作家)。で、副会長小川知子(女優)。
つまり、幸福の科学の広告塔芸能人会長・副会長を勤める会でございます。
「フライデー」の被害を受けたことで有名な、ビートたけしも、荻原健一もまったく関与なし。

 だから、正確に言えば、
講談社フライデー幸福の科学被害者の会 ・・・・・ですよね。
あたかも、全国各地の「フライデー」の被害者代表のような書き方。全くもって姑息見事です。




 さて、肝心の本の内容ですが………特に書くことないですねぇ。
 ストーリーなんぞほとんど無いに等しいし、最初から最後まで講談社の悪口、それだけです。
手法はよしりんと同様、幸福の科学サイドの人は美しく、講談社サイドの人は醜悪に。
まぁ、単なる抗議だけで終わっていれば、これは単なる宗教団体の苦情漫画に過ぎません。

 しかし、この漫画がバカ漫画たる最大の由縁は、その講談社バッシングの理由
「ずさんな記事作り(P.74)」「他人の不幸を見て喜ぶなんて最低(P.77)「拝金主義(P.78)
…とか、批判するならそれでいいはず。でも、これだけで終わってはいけないんですよ。

作中の登場人物(もちろん幸福の科学信者たち)の妄想推測加速します
   「まるで何者かに操られているみたい(P.78) ……と。

そして導き出される結論。

講談社悪魔である(爆!


  冒頭から、なんかぶっ飛んでおります。この漫画。
「今から一億五千万年ほど昔―――地球が今よりももっともっと美しかった頃―――
 人々は地球最高大霊、主エル・カンターレへの信仰の元に調和された心を持って生きていた。
 しかし(中略)一億二千万年ほど前のこと、ルシフェルと呼ばれた霊人が(中略)死後地獄に落ちた。
 ルシフェルは大魔王と成り果て、悪魔達を力で支配し、仏神へと反抗を始めた。(中略)
 以来、一億二千万年に渡って、なんとか三次元(この世)に
 自分たちの住みかを拡張しようとする地獄の
悪魔悪霊たちと、
 地上を浄化しようとする高次元の
諸如来、諸菩薩との戦いが続いているのである。」
 す・・・すげえぜ(by田中圭一先生)すげえスケールだ(笑)
 単に講談社を批判するだけなのに、一億五千万年前の話から入るとは。
 しかも一億五千万年前。ジュラ紀ですな。
言うまでもないことだが、菩薩如来主宰先生。そして『幸福の科学』のこと。
そして、悪魔とは講談社、そして講談社社長の野間佐和子のことである。
 す・・・すげえぜ。すげえ個人攻撃だ(笑)正確には「悪魔に操られている」のだそうだ(笑)

 そして、話は続く。あぁ、画像を見せられないのが残念だ。是非、想像してみてくだされ。
P.98下のコマ
―→背景・・・磔にされたキリストの図(「世界の美術16・プラド美術館の名画とイベリアの史跡」より)

「講談社の行為は二千年前にイエス・キリストを十字架に磔にし、脇腹を槍で突いた行為と全く同じだ」

P.99上のコマ
―→背景・・・「フライデー」「週刊現代」の幸福の科学批判記事。ボカシ入ってます。

「人類に愛や反省を説き、人々の魂を救うために下生(げしょう)された
主エル・カンターレ=大川隆法主宰先生に対して、どれほど卑劣な言論の暴力を繰り返したことか」

P.99同下のコマ
―→背景・・・悪魔の絵がドンッ!
角と羽があり、耳と尻尾が尖り、舌出して笑っております
「そして仏陀の説かれる仏法真理から人々を遠ざける行為――それはまさに
悪魔の所業なのだ!!」

そして、
P.100&101 見開き全部使って
―→背景・・・講談社本社ビル悪魔白ヌキシルエットニタニタ
「悪魔!?」「人智学者シュタイナーは言った。現代の悪魔は活字から入ってくると!!」
 ギャハハハハハハハハハ!!

 いやぁ〜、笑った笑った。
ホント、画像を見せられないのが残念です。お金発生したら嫌だからね。

 ルドルフ=シュタイナー
引用して「現代の悪魔は活字から入ってくる」 って書くのはいいが、
多分シュタイナーは、そういうつもりで言ったんじゃないと思うぞ知育偏重の弊害じゃないか?)
『幸福の科学』活字の本300冊以上も出しているのだがあれはOKなのか?

 身の毛もよだつほど笑える恐ろしいシーンは、他にもある。
P.124  電車の中でニヤニヤしながら雑誌を読む男性。
 その雑誌(もちろん「フライデー」)から、スモッグのような悪想念がモクモクと・・・

P.125  暗闇の中。突如、「口」が出現。長い牙と2つに分かれた舌(二枚舌?)で笑い狂う。

フ・・・・・・! フハハ・・・・・・!! ははは、ヒィ・・・・・・ ヒィッヒッヒッヒッヒッ
   ヒャハッ、ワァハッハッハ アハハハハ フハッ、ハッハッ! 


P.126&127 見開き一杯に
悪魔がドーンと登場!
「人間よ、欲望の闇に沈むがいい!!
・・・・光が、巨大な光が広がる前に、闇が世界を征服するのだ!!」

・・・・・ダ、、、ダメだ。「欲望の闇」 とやらに沈む前に
笑いのに沈んでしまう・・・・






なんておもしろい恐ろしい本なんだ・・・・。
い、、、今にも
堕落してしまいそうだ・・・・・。

しかも、もっとおもしろい恐ろしいことには、
P.126&127の悪魔の絵が、見開き2ページにまたがっているため、

本の折り目悪魔の顔ど真ん中入っていて、
スゲェ
マヌケな顔になっているんだぁぁっ!!




ガキの頃、お札にわざと折り目つけて、
「笑う伊藤博文」
・・・・・・とか、やったのを思い出しちまった。
        「笑う聖徳太子」は、もったいないんで。って、歳バレバレだな、オイ。





 あれでは悪魔の威厳台無しです。

蛭田達也『コータローまかりとおる』29巻で、「聖ミカエル学園」の空手部主将
超ナルシストの美麗院馨(びれいいんかおる)が、1ページ丸々使った超アップで登場した後、
 「本来なら見開きで登場してもよかったんだが、(単行)本になると
  意外とこれがマヌケだったりするのでやめにした」
(29巻P.10)
……と言っております。ちょっと勉強不足でしたね、この悪魔。 ん、作者の方か?
まぁ、『コータロー…』は、講談社(マガジン)連載だから、仕方がないかもしれません。





 さて、色々楽しんでまいりましたが
この幸福の科学出版。他にも結構たくさん漫画を出しております。
つまり、信者である漫画家さんがいらっしゃるということです。それも結構たくさん。
有名な漫画家さんもおられますので、少々メジャーどころを挙げてみましょう
その他の方は、どこで何を描いているか分からない人がほとんどなので略。

菊池としを 『マンガ最高裁判事・朝日龍太郎 宗教的人格権裁判
代表作・・・『蓮華伝説アスラ(講談社)』『明王伝レイ(講談社)』
      『YOH 光の抄(講談社)』『天空の門(集英社)』

参考・・・『航空母艦住吉』によるレビュー〔悪想念の集い

美村あきの 『ヘルメス 愛は風の如く (強敵との死闘)(アフロディーテの愛)』
代表作・・・『伝説の少女(講談社)』『すくうるでいず(講談社)』 など
      他にも色々作品あるが、ぜ〜んぶ(講談社)から


さとうふみや 『コミックエンゼルズ』より『降魔法輪』
代表作・・・『金田一少年の事件簿(講談社)』『探偵学園Q(講談社)』
参考・・・『山本弘のSF秘密基地』によるレビュー〔金田一少年の悪霊退治?


おいおい、何でこんなに講談社ばかりから出しているんだ?
事件があった後も平然と講談社で連載しているのは何故だ?


金さえもらえれば、どこでもいいのか? でも、それって拝金主義(P.78)・・・

もしかしたら、講談社の内部情報を得るためのスパイ?
それとも、
講談社を内部から腐らすための工作員?


むう、どちらにせよ大ピンチだ、講談社!!
早速、今連載中の
『探偵学園Q』打ち切りだ!(笑)



追記 ひえだ様から情報提供ありました。多謝でございます。
  幸福の科学広告塔の作家さんで、焼死した後も「完全燃焼の人生でした」と霊界からギャグを飛ばされた、
  あのK山T夫氏でさえ、講談社から版権引き上げる忠義ぶりでしたが、O川主宰先生の御著書『神秘の法』によれば
  「死後現れて、なかなか帰ってくれないので困った」 「僕の霊言集を出してくれ、と言われたが霊格が足りないので断った」
  …などと散々な言われよう。霊界でストーカー扱いされておるようです。
  一度でも講談社に関わった者は、死後も報われないようです。O川先生の呪い、恐るべし……え、違う?


参考・・・と学会年鑑2001。稗田おんまゆら様
埼京震学舎

山本弘の秘密基地
航空母艦住吉
「幸福の科学」を科学する

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