バカ漫画 其之九 | |
漫画で考える「憲法改正」 「9条の消えた朝」 〔連合通信社〕 (2005年1月20日発行) 小桜広太 |
このバカ漫画、憲法記念日にOPEN予定だったのですが、他の更新が滞るので前倒しOPEN。 ま、いいや。単行本だって、発行年月日の1ヶ月前には発売してるし。 まず最初に謝っときます。連合通信社の皆さん どうも、すみませんm(_ _)m こんな外道なネタにするために、わざわざ注文しまして。 今回のネタは、かなり微妙な…てゆーか、嫌ぁな物議を醸し出しそうで怖いんですが、 とりあえず、護憲派からも改憲派からも苦情が来そうな話になりそうです。 まず最初に、私個人の立場から明確にしておきますが、私はいわゆる「護憲派」の部類です。 …とはいっても、別に日本国憲法が絶対に正しく、普遍的だ、などとは決して言いません。 憲法改正の発議(憲96条)規定がある以上、憲法はより良く変わっていくことを前提に 作られたと考えても良いでしょう。別に、「改正する」という行為自体に異議はございません。 けど、最低でもお前ら〔だけ〕には 絶対、変えて欲しくねぇな …とは思いますね。(「お前ら」ってのは、某与党と某野党の一部のことですので) 多少なりとも法律をかじった立場から言わせて頂くと、そこらの素人さんならまだしも、 政治家連中に憲法の趣旨が理解できてないのは如何なものか? (以前、「抵抗権」の意味を全く履き違えて使っていた議員さんいたしなぁ) 医学を理解してない医者、物理学を理解してないロケット技師、なんてのを想像すると笑えるのだが 法律(憲法)を理解してない政治家…てぇのは、ちと怖くて笑えんぞ。 患者やロケット1台くらいならまだしも、その無知により犠牲になるのは日本国民全員ですからね。 大体、バブル期にリゾート法なんぞ作って、日本の美しい国土を滅茶苦茶にしてしまった 当時の首相・中曽根某なる輩が与党の「改憲草案」の前文担当…てのは、笑わせてくれます。 彼が「愛国心」を訴えるのは間違いなくギャグのつもりでしょう。万が一本気だったとしても、 彼の「愛せ!」とのたまう「国」と、今、私の愛している「国」は、多分、似て非なるモノなんでしょうね。 更に、もはや解説なんぞ必要ない、お馴染み前首相・森喜朗大先生が新憲法起草委員会の 委員長を務めてるってのは、もはやブラックユーモア以外の何モノでもありませぬ(笑) やっぱりお前ら〔だけ〕は、絶対変えてくれるな、と(笑) 元々「国家」というモノは、その時の「国家」の都合によって法律を、あわよくば憲法をも都合よく変えたいと思っておるのであるから、そうそう安易コロコロ変えるようにしてしまっては、もはや憲法の根本意義である『国家を規制する』という役割を果たさなくなってしまう。 右翼左翼問わず、悪辣な与党・支配者が現れた時でも国民を守ってくれる。それが憲法なのですよ。 だから、憲法96条@項にあるように、衆参両議院での2/3以上の賛成と、国民投票という 二重のチェックをかけいるわけで。 この条項を削ろうとする某与党の改正案なんざ、あからさまに自分たち与党の都合によって 憲法をコロコロ変えることができるようにしたいとしか思えないんですがね。 さて、前置きが長くなりました。私の立場とは無関係に、この漫画はバカ漫画だと思いますので、 ここにレビューさせて貰います。作者並びに関係者の皆さん、改めてごめんなさいm(_ _)m
@Aはともかく、B〜Dについては、憲法改正(特に9条)とは直接の関わりはないんですが 多分、気にしてはいけないんでしょう(笑) てゆーか、ちゃんと書けよ。9条改正に便乗してるみたいだぞ(笑) 実際のところ、軍事行動にはシャレにならんほどの資金(軍事費)が必要となるんで、 この話の通りにアメリカに追随して対テロ戦争(イラク戦争のような)に次々と参加した日にゃ、 ただでさえ悪い景気が更に落ち込むことは充分に考えられる、とこれくらいは書いて頂きたいもので。 内容については、9条改正により@Aのようになるという根拠は、一応述べられております。 (実際に改憲された場合に、ホントに@Aのようになるかどうかは多分に疑問のあるところですが) 更に、有識者(小沢隆一・静岡大学憲法学教授)による解説なども、まぁ参考になります。 憲法の理念と歴史、本質を知る上では効果的と思われます。(てゆーか、文章だけの方が遥かにマシだな) けれど、難を言えば中国や北朝鮮など、現実に日本の脅威となっている相手国との 関係のことは、対策(軍事行動抜きの)を含め、全く記述がないということは問題でしょうね。 これらの脅威あるがために、改憲論が現実論として説得力をもって受け入れられるのでありまして、 逆にこの問題を回避することは、護憲論=理想論として切って捨てられる恐れがあります。 逆効果とまでは言いませんが、かなり説得力に欠けるのではないかと。 真実・現実から目を逸らすという行為は、別に改憲派・護憲派問わず否定されるべきですし、 まして、そんな不安定な前提のまま議論を展開しても、万人を納得させる説得力を持つとは思えません。 ぶっちゃけ言ってしまうと、この漫画の主張・説得力は、 改憲論を展開する方々と同レベルだと思います。 〔私なりの意見は、日記帳2005年1月25日〜1月27日にまとめておりますので〕 さて、堅い話はここまで。この作品がバカ漫画たる最大の所以(ゆえん)は。 10年後の世界がヘンテコSF漫画(笑)としても楽しめてしまうことです。 町に電信柱はあるし、マンションもその内装も今のまま。ホームレスも、未だにダンボールの家に。
更に、衝撃の未来を示すシーンがこちらです ↓↓↓ ドンッ! ↓↓↓
結局この話は、ベランダから落ちて気絶して、病院に運び込まれた中野タケシの夢オチでして 目が覚めたタケシくん、それまでの改憲的な考えを改め護憲派に鞍替えするという安直なお話。 まぁ、夢ですからね。設定やら状況やらが妙ちくりんであっても、仕方ないといえるでしょう。 夢から覚めて、恋人のコトリにそのことを話す中野タケシくん 「えらくリアルな、現実味のある夢だったよ」 って、 …………………そぉかぁ??? |
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