バカ漫画 其之拾参
「超能力者列伝」
〔祥伝社・微笑別冊〕
(昭和52年7月1日発行)
山本鈴美香

(C)山本鈴美香

 バカ漫画コーナーの不吉ナンバー13も、この方に飾っていただければ
災厄もあちらから避けて通ってくれるに違いない(笑)。

 今回の特集は最近『エースをねらえ(集英社・マーガレット連載)』のドラマ化で
上戸彩のパンチラと相まって注目されました(?)山本鈴美香先生でございます。

いやまぁ、、、その・・・個人的には、あんまり脚光を浴びて欲しくない作家さんなんですが(汗・・・)
何故かといえば、山本先生、すでに教祖様であらせられますから(笑)

山本先生、神山会なる宗教団体を作りまして、そこに君臨あそばせておられます。→こちらへどうぞ
そこでどうなことが行われているのかは、「消えた漫画家2(大田出版)」に体験レポート
ありますので、そちらをご覧ください。
実際、この団体内で人が亡くなっておりますが、これ読めば、むべなるかなとも思います。


 ちなみに、この作品「超能力者列伝」を、お描きあそばせた頃は
 巫女さんでございました。それから教祖様出世(?)なされたわけですな。


早速めくってみると……見開き1ページ目で、早くも驚愕の事実(笑)が明らかになります。

そこには、巫女(のコスプレ?)姿の作者が(爆)
                                                       〔
どうにかすると、大画面その御姿が拝見できますぞ
マニアックな人なら、萌えるかもな。そこは、それ。今は空前の巫女ブームですから(笑)


更に更に、
雑誌で初めて! 霊界通信劇画とあります。

 これはつまり、「生誕120年!奇跡の主人公が、天国から送る幸福メッセージ」
更には「霊界からメッセージを送る長南年恵という見出しから推測するに、
霊界から長南年恵が山本センセにダイレクトにメッセージを送ってくるのでしょう。
イッちゃっている方が、デムパを受信して描いた話などとは、決して言いません。ええ、口が裂けても(笑))

巫女さん姿で、何故「天国」というあちら風の呼び方をするのか理解不能「極楽」じゃないの?)ですが、
恐らくは山本センセなりの山よりも深く、海よりも高い理由があるのでしょう。
 他にも何やら書いてありますな。



巫女となった作者が、霊界からのお告げを受けて
『自動書記』!連載中は白米断ち!








・・・・・・先生、すみません・・・・笑いこらえるのに必死です!
 神や霊の言葉を、「文字」で『自動書記』する話はよく聞く(?)のですが、
漫画を『自動書記』する話は初めて聞きました。まず間違いなく、漫画界初の試みでしょう。
神や霊が絵を描くのか? それとも、霊界からネームを送ってくれるのか? 期待は膨らみます。

まだ表紙見開き1ページ目なのに、このテンション、このハイペース
これは素晴らしい!さてさて、これは内容を読むのが非常に楽しみになってきたぞ♪


 で、読んでみたところ………最初から最後まで突っ込みの嵐爆笑の渦

 まずは、巻頭カラーで登場人物の紹介などした後、素晴らしい前書がございます。
         ↓以下、おもしろいので全文引用↓
  まず初めに読者諸氏へ。作者からはっきりとお約束しておきたいことがある。
  この作品は読み物としてもおもしろい展開をお見せするが、それ以上に
  
『めざましい利点(メリット)を満載した幸運(ラッキー)メッセージなのだ』
  ということを、この場で公約させていただきたい。


  本誌を手にする100万以上の読者諸氏。
  何をお望みだろうか、何をお悩みだろうか、何を痛み苦しんでおいでだろうか
  あなたの痛み苦しみが、肉体的なものであれ精神的なものであれ
  この作品はあなたのその痛み苦しみを解決してさしあげることができる。
  最悪の場合でも、現時点より必ず和らげてさしあげることができる。
  結婚の悩みも対人関係の悩みも病弱の悩みも不運であることの悩みも
  みな一様に、現在よりもよりよい状態にしてさしあげることができる。

  なぜこんな大胆な発表ができるのか。
  それは、この作品が強力なプラスのエネルギーを持っているからである。
  だから、この作品に触れる者の負う悩みを苦痛をマイナスを
  強烈なプラスのパワーで打ち砕くことができる。
  つまり、あなたの運勢の不運の部分を消すことができる。

  お信じになれないだろうか?  無理もない。 
この世は虚言に満ちている。
  まして、神秘の世界は常に
カタリ者の天国となってきた。
  歴史的に超能力者、霊能者を自称する者たちに食い物にされた
  善良な人々の記録は、枚挙にいとまがない。 そこで、もうひとつお約束したい。

  この作品を描きすすめる中で、何回か
誌上予言をしてお目にかける。
  それも、もっともごまかしのきかぬ形体で。それも、必ず読者諸氏に利点のある形で。
  予言などは、誰かに幸福をもたらす形でなされねば、さしたる価値はないものである。

 おお、山本先生、言い切ったぞ(笑)。確かに大胆な発表だ。
 赤字の部分は、当のこの文章にも当てはまるのではないかという、無粋なツッコミはやめよう。
しかも、自ら逃げ場をなくするような誌上予言の宣言
一切ごまかさず、それも読者の利益になるという。これは期待できそうだ……しかしですね、山本先生。

この雑誌のどこを探しても「予言」らしきモノは見当たらないんですが(笑)。
山本鈴美香式「九星術」なる占いのコーナーのことですか?
それとも、「神」のご託宣なるお悩み相談コーナー?
どちらにせよ、「予言」とは違うと思うのですが。〔神の言葉を伝えるのは「預言」ではないかと〕
        占いもお悩み相談も、かなり笑えるのですが、今のトコとりあえずは後回しです

 まだまだ続きます。

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