バカ漫画 其之拾八 | |
「風の隼」 〔大都社・スターコミックス〕 (昭和61年6月30日発行) 黒咲一人 |
(C)黒咲一人
バカ漫画 更新が遅れて申し訳ありませんでした。 この時期大変なんですよ。進学・就職のシーズンで買取が年で一番多いし、確定申告もあるし…… すみません。バカな言い訳しまして。 さて、今回採り上げるは黒咲一人先生の『風の隼』 その冒頭、荒廃した台地をボロボロのマントを羽織って一人歩く主人公。 「いやああ〜〜〜っ」そこへ突如、悲鳴が響き、助けを求める女が駆けて来る………… はい、ここまで読めばどんな漫画がモデルかは、お分かりになると思います。 そう、世紀末救世主伝説『北斗の拳(作・武論尊 画・原哲夫)』。 最終戦争などで荒廃した世界に、マッチョでバイオレンスな救世主登場!!…てな設定は 『マッドマックス』以来、もはや飽きるほど見てきましたが、この作品もその中の一つ。 『ファミコマンダー竜(安田タツ夫)』ほどぶっ飛んだ内容ではないのが残念ですが(笑)。 ↑レビューあります 埼京震学舎 新田五郎氏のレビュー さて、見返しに解説あります
作品の中には「1999年12月24日に、とてつもない大地震と大量の隕石の落下があった」(P.148) …と出てくるだけで、原因も何も不明。ストーリーにも関係なく、まったく話は膨らみません。 1999年といえばノストラダムスですが(そうか?)、でも7の月じゃないしなぁ。何でクリスマスに? 話を戻します。あらすじです。
主人公・来栖隼は、各地の地下都市に赴き、そこに君臨するチャンピオンたちを撃破していきます。 ちなみに、デスゲームも階級制となっておりまして、その内訳は ライト級(55kgまで)、ミドル級(65kgまで)、ヘビー級(65kg以上)の3階級だけです。 主人公はじめ、東洋の牙(来栖鷹彦)」のクローンたちも同じ階級です。 「雷電」「飛燕」などは、かなりの強敵でしたし、中には「彗星」のように地下から逃げ出して 地上の開墾にあたっている者もおりますが、皆共通するのは「東洋の牙(来栖鷹彦)」の クローンだけあって主人公の来栖隼とよく似ていることです。 そして、最終決戦。彼らクローンの中でも最強の相手です。
変わり過ぎです!もはや別人(笑) 3ヶ月で19kgの減量を成功させた、ガッツ・OK牧場・石松もビックリです。 一週間で50kg以上も減ってんじゃないか、この人。さすが、伝説の「東洋の牙」のクローン。 普通の人なら、こんなダイエットしたら死にますので、良い子はマネしないように♪ ちなみにこの人。「チャンプになった日から飽食が過ぎ、こんな体になっちまった」そうだ(笑)。 さてさて、ここまでのバカっぷりは、ほんのつかみに過ぎません。 メインのバカはこちら。主人公・来栖隼の必殺技です。 その名も、S・B(ソニック・ブーム)パンチ。 一度ふるえば、喰らった相手は回転しながら数十m吹っ飛んだ挙句に壁にめり込み、 更には周辺の人間をも吹っ飛ばし、衝撃波で建物や石壁に亀裂が入るほどです。 ちなみに、ストUのガイルが、必殺技・ソニックブームを放つのは、この5年後のことです。 見事、先駆けておりますな。 しかし、これは来栖隼にとっては当たり前の技。もっと凄い(凄まじい)必殺技があるんです。 その名もプラズマパンチ!! これがまた、凄まじくトンデモな技でして(笑) いくつか種類がありますので、検証していきましょう。 T. スパウトプラズマパンチ 複数(多数)の敵を相手にする時に有効なパンチです。 @主人公の体を謎の光が覆う Aパンチを放つと、光の渦が天空に舞い上がる B敵は光の渦に引き込まれ、天空に次々と舞い上がる Cそして、今度は次々と落下。敵はすべて転落死。屍の山を築く。 説明だけでは信じて頂けそうもないですので、証拠もお見せしますよ。→こちら U. 左手でのプラズマパンチ 人質を取るような卑怯な敵に有効なパンチです。何も考えず、正面からぶちかましましょう。 敵だけを跡形もなく消滅させ、人質となった者には怪我ひとつ、火傷ひとつも負わせません。 V. 蘇生のプラズマパンチ 恋人だった「飛燕(↑あらすじ参照)」を殺され、中性子銃で自殺した太刀花桐(ヒロイン)に 再び生命を与えます。命すら自由自在。あ、ちょっとした副作用がありますがね(後述)。 他にも、敵に幻覚を見せたりもできます(プラズマが弾けるためなんだそうだ。原理がよく分からんが)。 ここまでくると、プラズマパンチ。もはや何でもありの必殺技です。 「自然発生した人体プラズマが高速で体外に送り出されたエネルギー」(P.123) …が、プラズマパンチの原理らしいのですが、問題なのはこの後。衝撃発言です。 「今を去る幾世紀よりの、我が 来栖一族の男達のプラズマ が俺の体を包んでいるのだ!!」 (P.125) つまり、プラズマ=「霊」ってことですか? これがホントのエクトプラズマ…なんちって(笑) Vでプラズマによって蘇生されました太刀花桐さん。副作用とはつまり憑依体質になっちゃったこと。 地上のむさ苦しい悪人たちに拉致され、強姦されようとしたその時、彼女の体を謎の光が覆い、 そして素っ裸のまま体から放たれるプラズマ!!。悪人たちは、一人残らず黒コゲに…… そのまま太刀花さんは「東洋の牙」の霊…もとい、プラズマに憑依されたまま、ふらふらとさ迷い歩き 「無益な殺生をするでないぞ、愚か者。生命をもてあそぶ資格は、お前たちにはない!!」 …と、ケンシロウばりの啖呵をカマし、再び悪人に対してプラズマパンチを放とうとする刹那……… 「バシャーッ!!」 落雷の如きプラズマ大暴発!。哀れ太刀花さん、悪人と一緒に黒コゲに(爆…まさに爆) 「パンチとしてプラズマを放出させるには、S・B(ソニック・ブーム)をまきおこすぐらいの腕の振りが必要」 …なんだそうです(来栖隼・談)。なるほど ……しかし、次の頁をめくると、太刀花桐を抱きかかえたままで手の塞がっている来栖隼、 今度は「蹴り」でのプラズマパンチ炸裂!? さすがは主人公、足の振りも凄い……のか? そんな何でもありのプラズマにも弱点はありまして、 それは、主人公が危機に陥らないと発動しないこと(「帰ってきたウルトラマン」みたいだな)。 そして、その正体が地上を彷徨する祖先の怨念のプラズマであるため、 地下ではS・B(ソニック・ブーム)パンチしか使えないことです。 さて、現実のプラズマといえばこのお方、大槻(火の玉)義彦教授が有名です。 教授が世界初、電波で火の玉をおつくりになられたのは1990年のこと。 氏のプラズマ仮説が大発展を遂げ、ミステリーサークルから怪奇現象・心霊現象まで、 何でもかんでもプラズマで説明するようになっちゃうのは、その後のことです。 それが、遡ること4年以上前の昭和61年(1986年)段階で、 (*何の雑誌に掲載されたか不明のため、もっと前の可能性もあり) 霊とは人体プラズマであり、霊ならば何でもできるから プラズマ=何でもあり という結論に達した偉大なる先駆者・黒咲一人先生に栄光あれ!! |
このレビューに感想でも書いてやろうという奇特(ヒマ)な方は、バカへの一言にお願いします。
トンデモねぇコーナーだ!怪しからん!文句言ってやる!という方はこちらへ。