バカ漫画 其之弐拾壱
「ゴキブリ野郎」
〔若木書房・コミックメイト〕
(昭和45年11月 日発行)
下元克己

 このバカ漫画のレビューを書くのが大幅に遅れちゃいました。どもすみません
 いや、どうもあまり書く気が起きなかったんですよね。ほとんどタイトル一発だし(笑)
ま、後のレビューも詰まってるし、ちゃっちゃと仕上げちゃいましょう。いや、手は(そんなに)抜きませんよ(笑)


「ゴキブリ野郎」という、かなりトンデモねぇタイトルですが、それもそのはず。
この作品の主人公の名は、五木武利(いつきたけとし)。でも、誰も本名で呼びやしない。
愛称・ゴキブリ  本人がそう言ってるんだから別に良いのだろうが、
なんか、日本のどこかに同姓同名の人がいそうで嫌ですな。もしいたら、ごめん。

いちいち本名と愛称を分けて書くの面倒なんで、主人公の名前はゴキブリで統一(笑)


そんな主人公・ゴキブリ
その顔がこちら

ある部分が、誰かに似ておりませんか?

 ☆これ(主人公)とか
 ☆
これ(画面左)とか
 ☆これ
(画面右)とか
はたまたこんなのとか
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つまりは触覚ですな。ゴキブリヘアの元祖ではなかろうか、と。

 ただし、で例示したカッコいいキャラとは、彼はある意味、てゆうか全くの対極

 その日ぐらしの放浪生活。旅に出るんで銀行から預金を下ろそうとするも、残金81円
全額下ろして銀行を出ると、行員の人が「宣伝用マッチをあまりたくさんは……(持って行かんでくれ)
 食うものない時は墓場で供え物を掠め取り、いつもの食事はデパートの試食コーナーで。
成金の犬の世話を頼まれると、「オマエは肥満気味だから」と、そのエサを横取り。
まさにゴキブリのような生き様です。

 素早く歩く時の効果音は「カサカサカサ……」(P.24)。しかも、四つ足だし。
更に、その粘着質の手足により、壁やら天井やらに貼りつくことができます。
生き様だけでなく体質までゴキブリ。タイトル通り、まさにゴキブリ野郎(笑)


 彼に関わるところ、いつも大騒動が巻き起こされるスラップスティック・コメディですが、
主人公の悪戯(いたずら)などは、『ドクロ坊主』を髣髴とさせ、これもなかなか興味深いものです。

 この話の最後は、彼と彼の仲間たちが広大な原野を切り開き、新天地を作り上げようとするのだが、
その土地を悪徳不動産屋に騙し取られ、分譲される。やがてそこは急激に大都市と化すのだ。
そんな大都市の奥深く、その片隅で、ゴキブリとその仲間たちは、下水道を住処とし、
人の残飯を漁り、まさにゴキブリのような生活を今日も楽しむのだった。

 最後のコマには、この作品でゴキブリに関わる人物が大挙、登場するのですが、
彼らは皆、ゴキブリと同様の生活をしており、ゴキブリと同じような触覚が生えてます。
                                               (成金の飼い犬にまで…)
                        ↓↓↓↓↓
            
                                            「収穫」とは残飯のことです(笑)


「都会のかたすみで、かれらはきょうも必死に生きている…!」 END

 何か、都会のかたすみでゴキブリ異様に増殖しておるようで、
見ようによっては、非常に薄気味悪いエンディングなのですが。

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