バカ漫画 其之弐拾参
バカ野球漫画
「アストロ球団」
の系譜

その後継漫画たち

(C)小山ゆう、桐山光侍、本宮ひろ志

   祝!! 「アストロ球団」実写化決定!!

…と、いうわけで、今回のバカ漫画特集は、二回に渡りまして
バカ漫画界に燦然と輝く赤色矮星
「アストロ球団」と、その後継者たちについてお送りします。

 最初にお断りしておきますが、ここで紹介する漫画はバカ野球漫画でして、
野球バカ漫画とは明確に異なります。マイ定義で申し訳ありませんが、両者を区別するなら

☆野球バカ漫画……野球にのめり込み過ぎ、野球以外考えられないバカが主人公の漫画
       (例)『男ドアホウ甲子園(佐々木守&水島新司)の 藤村甲子園
          『巨人の星(梶原一騎&川崎のぼる)の 星飛雄馬
          『ちかいの魔球(福本和也&ちばてつや)の 二宮光
          『黒い秘密兵器(一峰大二)の 椿林太郎
☆バカ野球漫画……メンバー全員が野球バカで、かつ野球そのものがバカな漫画

…ま、こういう風に考えてもらえば良いと思います。



 さて、「アストロ球団」に関しては、バカ漫画の世界TOPでも、
もはや伝説級〔クラス〕バカ漫画として扱っております。
                       詳しくはこちら参照のこと→ 
 その異様なまでのテンションと、ルールや常識など一っ欠片も持ち合わせない非合理性
そして、ただ熱い、ひたすら熱い、男どもの賛歌がご覧いただけると思います。

  このバカ野球漫画代表「アストロ球団」における
 主な特徴を列挙すると、およそ次のようになるのではないかと思われます。

 過去の因縁によって集結した9人の戦士たち
「アストロ球団」では…
   レイテ島で戦死した沢村栄治の無念の魂(?)が、9つの白光球となって…

 メンバーに共通する、姓名または身体的特徴
「アストロ球団」では…
   全員が昭和29年(←プロ野球発足の年)9月9日午後9時9分9秒に誕生(何で秒単位まで…)
   そして全員が体のどこかにボール
(それも硬球)の型のがある。
   
更に全員が、名前の一部にどういう訳か「球」の字がつく。


 (プロ野球選手を含む)人類を遥かに超越した能力
   (特に投手は、超剛球・魔球を必ず投げなければならない)
「アストロ球団」では…もはや多すぎて語り切れん。ここ参照のこと。

 敵チームも人間離れした能力を持つ
「アストロ球団」では…に同じ。

 国内にもはや敵なし。海外に旅立つ
「アストロ球団」では…
   日本プロ野球界を追放。ケニアの
マサイ族の野球チームと闘うために旅立つ



    ↑↑こんな感じでございました。

 この超絶バカ野球漫画、ぶっ飛び過ぎてて、もはや誰も追随する者はないだろう
……かと思いきや、このテのバカ野球漫画を描いてる作家さんは、結構いらっしゃるのです。
それも、かなり有名な作家さんが(中には、今や巨匠と呼ばれても良いような方も)。

そんなに設定が魅力的なんでしょうか。それとも、何か漫画家を引き付ける魔力でもあるんでしょうか。
ここでは、これらバカ野球漫画『アストロ球団』後継漫画と呼ぶことにします。





後継漫画・その
『風の三郎』
(少年ビッグコミック掲載・全5巻)
著・小山ゆう先生

代表作…『おれは直角』『がんばれ元気』
『お〜い、竜馬』
『あずみ(連載中)

@50年前、非公式でアメリカ大リーグと対戦し、延長15回の末、0-1で惜しくも敗れた
  日本代表チームの子孫が、それぞれ息子(娘)を幼い頃から育成した仲間
Aなし
B主人公・武蔵三郎の超剛球がメイン。炎の球、光る剛球。詳しくはここ参照。
  ボールは焦げ、キャッチャーは一球ごとに気絶。バントしようとするもバットを粉砕。
  光る剛球にいたっては、ボールの表面が
溶ける(笑)
  4番打者・日向浩二郎の猛烈なスイングにより、風との摩擦でバットも焦げる。

C
50年前の因縁を断つため、アメリカで同様に育成された超人チームとの闘い。
  相手投手の投げるボールは、最高時速194km(笑)
D
三郎 「アメリカに行こうか!! 日本にいたってもう敵はいないし、
       いっそアメリカへ行って、本物の大リーグに挑戦しようじゃないか!!」




   
後継漫画・その
『戦国甲子園』
(少年サンデー掲載・全6巻)

著・桐山光侍先生

代表作…『忍空』

@昭和42年、それまで春夏6年連続優勝をしてきた怪物・石田高校と決勝で闘った
  徳川高校は、0-1でリードされ迎えた延長18回裏、バックスクリーンへの突然の
  落雷で試合は中止。無念にも、最終回の攻撃をせぬまま石田高校の優勝となった。
  徳川高校ナインは、9つの霊玉(印のある硬球)と共に自らの息子たちに夢を託す。
A徳川高校のメンバーは、偶然にも南総里見八犬伝に登場する八剣士と苗字が同じ。
  よって、その息子たちも同じ苗字。八剣士なのに9人なのは、一組だけ双子だから。

B投手・犬山道節は、ストレートが時速165km。変化球も時速155km
  後に、ストレートと同じスピード(165km)のフォークを完成させる。
  主人公・犬山新兵衛の打球は、天高く舞い上がり、
消える(笑)。
  落ちてくるのは、投手が次のバッターに投げようと振りかぶった直後。

C
30年間、高校野球の頂点に君臨し続ける宿敵・石田高校と、関が原の地下に眠る
  
石田専用甲子園で、因縁の延長18回裏0-1の状態から試合続行(開始)。
  投手・初芽幽斎の球は、右アンダースローで超重い球。バットを粉砕する。
  しかし、本来の投球フォームは、オーバースローで、球速は
時速200km
  更に更に、彼の本気は
オーバースローで、その球速は時速300km!!(爆)
D
不明。
  なぜなら、恐らくは8巻まで
(八剣士だけに)続いたであろう単行本が、6巻で急に
  途切れちゃったから。犬山新兵衛が初芽から二塁打を放ったところで話が切れる。


 桐山光侍先生というお方は、どうも連載を最後まで終わらせない方でして。少年ジャンプ連載の
大ヒット作『忍空』では、十二支を扱っており、背表紙の上に1巻から子・牛・寅・卯・辰・巳……
と続いているため、恐らくは12巻まで続く予定だったのだろうが9巻で中途半端に終わってます。
 この作品の背表紙上部にも、1巻から仁・忠・孝・智・礼・信…と続いており、やはり8巻まで
(九人だから、9巻かも?)続く予定だったのは容易に推測できます。



   
後継漫画・その
『群竜伝』
(少年マガジン掲載・全5巻)

著・本宮ひろ志先生
代表作…『男一匹ガキ大将』『俺の空』
『サラリーマン金太郎』『国が燃える
他多数

@プロ野球界からゴミのように冷遇され(理由は不明)捨てられた9人の元プロ野球選手が
  自分たちの無念を晴らすため、それぞれ我が子に怨念を叩き込む
Aそれぞれの背中に、興奮すると浮き出る龍のイレズミの一部が彫られており、
  9人揃って一列に並ぶと一匹の巨大な龍の絵が完成し、そしてトンデモないことが…

B
誰の投球も、捕手のミットをぶち抜き、コンクリの壁にめり込むくらいの威力がある。
  現役プロ野球選手の球を、9人全員が45人連続ホームラン!!
(爆)
C
影でドラフト制度を操る「闇のスカウト屋」により組織されたブラック球団。
  その正体は米メジャーリーグの日本進出を危惧するコミッショナーにより作られた
  プロ野球最強選抜チーム        
↓↓↓いやぁ、懐かし方々だ(笑)
 1.
サード長島
(読売) 2.セカンド田淵(阪神) 3.キャッチャー野村(南海) 4.ファースト(読売)
 5.レフト大杉(日拓) 6.ライト張本(日拓) 7.センター長池(阪急) 8.ショート有藤(ロッテ) 9.投手仲根(近鉄)
D
プロ野球最強チームに圧勝したことで、親父の怨念も晴れたと皆で旅に出る
   
「さあ、いこうでみんな!」「おお〜〜」
    「わあっはは」「ははは・・・」「はっは・・・」



 いかがでした?
次回は、これらバカ野球漫画の頂点に君臨する究極のバカ野球漫画
       『愛星団徒(あだんせいと)
を紹介するつもりです。今、在庫が行方不明なので、もう少々お待ちください。え〜っと、どこやったかな…

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