バカ漫画 其之弐拾八
「聖女ハリマオ」
〔講談社・モーニングC〕
(昭和61年6月18日発行)
たかもちげん
バカ漫画「死者に鞭打つ」シリーズ第二弾。お亡くなりになられた作家さん。
たかもちげんさんのファンの方には、例によって最初に謝っておきましょう。ごめんなさい

 今回採り上げます「聖女ハリマオ」ですが、
60年代の懐かしのドラマ・「怪傑ハリマオ」とは全く関係なし。石ノ森章太郎先生も無関係。
モデルとなった谷豊ももちろん無関係。イデオロギー的な匂いは欠片もございません。

見開きに御本人の解説がありまして、
「インドネシアの北スマトラあたりの伝説で、人々はみな魂の中に『ハリマオ』()をかっていて、
 志なかばで死んだり、あるいは不正義によって倒れたりすると、その人の墓の下からは、ハリマオ
 吠える声がきこえるといいます。『聖女ハリマオ』は、この話を元に考え、構成してみたものです」

…だそうです。ホントにそんな伝説あるのかどうかは不明ですが。


 さて。この話は、とあるアンコールワットっぽい遺跡のある東南アジアっぽい王国から盗まれた、
国の宝にして力の源である11の宝石を、その国の王女ハリマオが取り返すお話です。

彼女には、人智を超えた様々な能力があります。その一つが驚異的な身体能力

金網を引き裂き、鉄格子をひん曲げるほどの怪力と、野獣(まさに「」)のような敏捷性
そして20分も息を止めていられる肺活量スペック(5分間の無呼吸連打)もびっくりです。
これらは、彼女の育ってきた環境、すなわち野生のなせる業と考えともよろしいかと思われます。
しかし、この他にも彼女ならではの驚愕の超能力があるのです。それが、
彼女の放つオーラに貫かれた者は、問わず、自らの意思とは無関係に
 果てしなく
イキまくるのだ!!


これを受けた野党第1党の書記長なんぞ、精液を出しっ放しの悶絶死!!
                                                        (P.6)
……なんてうらやましい恐ろしい能力だ!!


 これらの能力を駆使して11の宝石を取り戻そうとするのですが、そこはそれ。
訳の分からん超能力を持つ王女の国の秘宝だけあって、その11の宝石を持つ者たちには
それぞれに無限の幸運と、卓越した知恵が身に付く。それによって莫大な富を築き上げた彼らは、
知恵と財産とを駆使して彼女の宝石奪還を阻止し、自らの欲望を追求し続けようとするのだ。

 このバカ漫画の凄まじいところは、彼ら11の宝石を持つ者たちの抵抗手段。
用心棒に元グリーンベレーを雇ったり、大勢で襲撃したり、
ヘリコプターでオーラの届く範囲外(30m)から攻撃したりするのはまだマシな方です。

ハリマオに次々と襲いかかるは、彼らの卓越した知恵により作られた
不可思議な機械のオンパレード

多分、作者の中では、野生機械文明との闘いを描こうとしたんだろうけど、
どう贔屓目に見ても、腰砕けヘンテコSFにしか見えません。
                             ファンの方、ホントにごぬん

←まずはこちら

ギャバンですかね?
それとも、ロボコップ

とりあえずこれ、ハリマオの能力を探るために送り込まれた
パワースーツを着た女性のようです。

こんなの送り込むなんざ、宝石の所有者も
かなりイッちゃっておりますな。

この後この人、ハリマオオーラの直撃を喰らって、
ホントにイッちゃうのだがな(笑)


 そして、この闘い↑によって得られたデータを元に開発された、
恐るべき
対ハリマオ兵器が登場する。
  それが
↓↓これだっ!!↓↓


え〜〜〜と、ボール……じゃないよね(笑)

なんでこうも複雑怪奇な形状をしておるのかというと、実はの実験データから、
ハリマオオーラ真水を通さないことが判明したためでして(どうやって分かったんだろ?)
つまり、あの球体外面とコクピットの間には、ホースから注入された真水で満たされておる訳です。
密閉された室内での対ハリマオ兵器としてしか役に立たない代物ですな。
しかも、戦いの途中でホースを切られ、中の水が排出されちゃって、ジ・エンドになっちゃうし。


たかもち先生のヘンテコSF更にエスカレート!!

そして満を持して登場する、極めつけの逸品こちら↓↓↓





もはや、元ネタが何なのかも分かりません。
B級SF映画とかに出てきそうですが。
股間から生えている
アレは何なんでしょうね?(笑)

『妖獣教室』にでも影響されたのか?(笑)

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