バカ漫画 其之参拾六
劇画 ヤオハンの挑戦」
〔日本教文社〕
平成6/2/1初版発行
[構成・画]
江波じょうじ

2008/9/9 エピソード追加・追記あり

(C)江波じょうじ

バカ漫画 忘れた頃に 更新す

どうも遅くなりましたが、第36弾。しかも、企業漫画であります。
構成・作画は、江波じょうじ先生。ベテランです。貸本劇画を支えた一人でもあります。

企業の名前は「ヤオハン」。国際的な流通・小売グループとして一世を風靡した企業です。
ちなみに本の表紙は、[国際流通グループヤオハン代表 和田一夫]。つまりこの人(※音が出ます)

この本の出た2年後には経営危機が表面化し、
その翌年には潰れましたが。



で、今回は、企業的位置付けとか経営とかその欠点とかは置いときまして・・・
ちなみにヤオハン誕生から倒産、経営のシステムやその欠点などは、以下サイトを参照のこと。
ヤオハン破綻!(前編)〜 その生い立ちから倒産まで 〜
ヤオハン破綻!(後編)〜 転換社債のワナ 〜


今回、最もアピールしたい素晴らしさは、ヤオハンと宗教(ぶっちゃけ「生長の家」)との繋がり。
この本の発行元は日本教文社。サイトをご覧になればひと目で分かりますが、
新興宗教団体「生長の家」関連の書籍を発行しまくっている出版社であります。
      (まぁ「第三文明社」「たちばな出版」「世界日報社」「幸福の科学出版「なあぷる」みたいなものですな)
この出版社の出してる漫画では他に、谷口清超童話コミックというシリーズもありますが、あんまり面白くなさそうなので略。



つまりこの本、企業漫画としてと同時に、宗教漫画としても読めてしまうお得な一冊なんです。
この漫画何が凄いって、ヤオハン創業者である
和田良平・カツ夫妻(特に和田カツさん)と
その息子
(この漫画の主人公)である和田一夫さんの
『生長の家』へのハマリっぷりが凄いんです。


[ 注 意 ]
以下は、この本
劇画 ヤオハンの挑戦にあった記述そのまんまです。
あくまで「生長の家」「日本教文社」フィルターを通して見たヤオハン像でありますし、
現実のヤオハン像とは異なっている
かもしれません
(地元のマイミクさん曰く、社員は別に普通だったそうですし、地元静岡には大いに貢献していたそうですし)

この中に、
誇張捏造でっち上げエピソードなどありましたら、
掲示板にでも御一報いただけると幸いです(特に関係者の方とか)。
あ、非難・苦情等々は、生長の家又は日本教文社の方にお願いできればw

主人公の母、和田カツさんの生涯については、かつて日テレ『知ってるつもり』でやったことあります。
上記『ヤオハン破綻!』はヤオハンについて。『知ってるつもり』和田カツさんの生涯について。
大まかな概略を知る上では良いのですが、流石に両者とも宗教に関することは匂わせていません。

しかし、この本に関しては、本家本元日本教文社発行だけに容赦なし。
宗教臭いどころか、ド真ん中のストレートそのまんまビバ生長の家!
この漫画の内容がどこまでホントかは分かりませんが、和田カツ和田一夫さんの
生長の家へのハマリっぷりが、素晴らしき美談として描かれております。



和田カツさん子育てに悩むあまり、とある本屋で谷口雅春『優良児を作る』を読んで
大いに感銘を受け、後に「生長の家」に入信して、熱心な信者になったこととか。(P.41)
(夫・良平氏との結婚も、最終的に占いで後押しされてますし(P.8〜9)、事実ならそっち方面の影響を受け易い人じゃないかと)

●また、主人公の和田一夫さん共産主義にのめり込んでいるのを危惧した母親(カツさん)が、
熱心に行くよう勧めた生長の家飛田給道場で、信者にマルクス経済論を一席ぶつつもりが、
逆に洗脳された真理に目覚めたこと。(P.47〜52)

●昭和25年の熱海大火で店が全焼した際、和田一夫さん野菜をトラックに積み込むと同時に
 二階に駆け上がり、谷口雅春『生命の實相』全40巻 を運び出したこと。(P.54)
母(カツ) 「一夫、おまえこれを一人で運び出したんだって? よくまァこんな重いものを・・・」
一夫 「“火事場の馬鹿力”ってことだね。でも二階からはこれを運び出すだけで精一杯だったよ」
カツ 「それだけって・・・!  それじゃ隣の部屋にあった海苔の箱は?」
一夫 「あっ・・・!!」
カツ 「 一箱三万五千円の箱が二十箱 も積んであったんだよ」 
一夫 「忘れてた!」   (ちなみに、昭和25年当時の大卒銀行員初任給・3000円)          (P.59)
う〜〜〜む、美談だ(笑)


●昭和31年に商業会ゼミナールに参加した時のこと。
カツ 「『与えよ、さらば与えられん』か、『生長の家』の谷口先生の教えと同じだわ!」  (P.77)
一夫 
「お母さんの言う通りでした。ゼミでの教えは『生長の家』の真理と同じです!」  (P.81)
かくして、『生長の家』の教義ヤオハンの経営理念が一体不可分化されることに。


●同年、商業会ゼミナールの影響を受け、現金正札販売開始。順調に経営は伸びたが・・・
不良(?)社員たち 「まったく、やってられないよ」
    「朝早くから夜遅くまで・・・おまけに給料は安いときてる!」 「社長に要求書を出そう!」
    「熱海一
(いち)安いとか何とか言ってるけど、しわよせはみんな俺たちにくるんだ!!」
    「労働者の権利を主張しよう! ストライキだ!!」 (オーッ)


       [社長室にて]
カツ 「どうかしたんですか?」
和田良平 「今度新しく入った社員からの要求書だ!
       要求をのんでくれないと辞めると言って、旅館にたてこもっているらしい!

  一、超過勤務を減らす事
  二、時間外手当を出す事
  三、休日を増やす事
 以上の要求がのまれない場合は退職します。 
良平 「・・・どうしたものだろうか! わしたちの現金正札販売のやりかたに賛成した上で、
     ついてきてくれているものと思っていたがなァ・・・」

カツ 「いいわ、朝礼で、ほかのみんなにも発表して判断を任せましょう」

      [ 朝 礼 に て ]
社員たち「この忙しい時に呑気にストライキなんかやってる者は、八百半の仲間じゃありません!
    「私たちは今、社長たちと一緒に二十八年間築きあげてきた儲けもお客も投げ打って、
     現金正札販売を成功させようと必死になっているのに・・・」
    「そんな連中はいなくていいと言ってやって下さい!
                   (P.104〜106)
う〜〜〜む、美談・・・か? なんか、妙に笑いにくいんですが。
         
●その結果を受けて、和田家の団欒。
良平 「わしたちがもっと積極的八百半の心従業員伝えていかなければいけないのかもしれんなァ」
カツ 「そうですね・・・ みんながお客様のために、社会のために国のために働くという
    真の商人道に生きがいを感じてくれるようになったらいいですね!」

良平 「労働条件よりも何よりも、それが本人たちにとって一番の喜びになるんだがな!」
カツ 「生んでくれた両親、生かしてくれている社会への感謝の中で、自分の使命や尽くす喜びの
    分かる人を会社で育てていきましょうよ。それがまた、社会への恩返しになるのかもしれません!」

良平 「ウム、素直でワシたちの波長に合う人材を探して八百半精神を教えていくことにしよう」
カツ 「やっぱり会社は人で成り立っていくんですよ。人が一番大切なんですね!」    (P.106〜107)
総じて間違ったことは言ってないのですが、非常に微妙というか紙一重に思えてならんのですが。


昭和39年(1964年)、八百半(ヤオハン)は順調に成長し、売上十億五千万、従業員三百人となっていた。
  ところが、問題が一つ持ち上がった――  (P.117)
  和田家は「生長の家」の信者で、その教えを社員教育に採り入れていた。

谷口雅春御大 (手紙読んで)『八百半は「生長の家」を商売に利用しようとしている・・・』
  
・・・(これは)家内のところにきた手紙なんですが、差出人が八百半の中の人らしいので、
  ちょっと気になったんです。 この方は元々『生長の家』の熱心な信者で、経営に教えを
  採り入れている八百半さんのやり方を商売で儲けることに利用していると取ったんでしょう」

一夫 「ウ〜ム・・・そういう見方もあったんですね!」
谷口雅春先生 「こういうことで、誤解されることは辛いことです」
一夫 「私は『生長の家』の教えを仕事や職場の人間関係に生かして・・・
     社員やお客さまに、より幸せになって欲しいと思っただけです。」

谷口雅春先生 「よく分かってます。それより、どうしたら真意が通じるかという事ですね」  (P.118)
         
●それを受けて、和田家にて和田家家族会議(何故かそこに良平さんがいない)
カツ 「どんな誤解を受けても『生長の家』をやめるわけにはいきませんよ!
    私たち自身と『生長の家』の教えと商売は、みんな一つに繋がってるんですからね!
    
そんなことは私が許しません!!」
一夫 「 『生長の家』はやめませんよ!」
カツ 「言いたい人には、言わせておけばいいのよ!」
一夫 「そうはいきませんよ。こんな大切なことで人に誤解されているわけにはいきません!」
カツ 「じゃ、どうするの?」
一夫 「もっと徹底的に『生長の家』をやればいいんです
    中途半端だから誤解も出る。
『生長の家』の会社だと言い切ってしまえばいいんです!
    今まで確かに会社は『生長の家』の精神を基礎にやってきたし、社員教育もそれで
    通してきた・・・でも、それを『生長の家』として受け入れるかどうかは
個人の自由でした。
    
しかしこれからは、社員も会社も『生長の家』でいきます! (P.119)
この時点からすでに、和田一夫氏のリスク無視した拡大志向は伺えます。
         
●翌日の八百半・会議室にて。役員たちに向かって
一夫 「これからは『生長の家』一本でやります! 『生長の家』が嫌だという人が出た場合は、
    
残念ですが袂を分かつ事になると思います

  もともと『生長の家』の教えが、浸透していた役員たちに異論はなかった。
  一夫の意志は、ただちに全社員に告げられた。
                         (P.120)
これが事実ならば、和田一族の独裁体制になるのも理解できそうな気がします。
「信者」というのは、ある意味究極のイエスマンですし。
         
●八百半・パン工場にて。
  一夫、直々の誠実な説明により、大方の社員たちは納得したが、スムーズなことばかりではなかった。

社員たち 宗教は個人の自由じゃないですか!」
    「そうだそうだ! どうして会社に押し付けられなきゃならないんですか?」
    「しにかく、『生長の家』の教えを採り込んだ商売なら実践してもいいんですが、
       『生長の家』には入りたくないというのが、私たちパン工場の一致した意見です!」
    「『生長の家』の教えが、素晴らしいことは私たちも異論はありません!
一夫 ・・・・・・」
    「ただ、いくら考え方に共鳴したからといっても、新興宗教の信者になるには抵抗があるんです」
    「信者というレッテルを貼られるのはどうも・・・・・・!」

一夫 「・・・・・・わかりました。仕方ありません!  大変残念ですが、
    
今日を最後にパン工場を閉鎖する事にします
   
今まで、ありがとうございました。新しい職場で、
 皆さんがご活躍されることを心から祈っております」

社員たち 「ちょ・・・ちょっと待ってくださいよ!」「そ・・・そんな急に!!」           (P.122)
一晩の猶予を与えた結果、パン工場の社員たちは全員『生長の家』信者になることに決定。
かくして社員一同『生長の家』の思想の元、一致団結しましたとさ。めでたしめでたし。
う〜〜〜む、美談だ(笑)

・・・って、こりゃ完全に
NGですっ!!


(このエピソードが事実だったならば、)
労働基準法
3条に
(20条にも)抵触しまくってます。
労働基準監督署はどこかっ!?
てゆうか、労組は何をやっているっ!?
   (まぁ労組もヘッタクレも、「呑気にストライキなんかやってる者は、八百半の仲間じゃありません!」からねえ)
しかし 、労働基準法の総則に違反するてぇのは、
もはや経営以前の根本的倫理規定違反なんですが。



●その年の十二月――
 一夫は、ついに来年度の
新入社員の研修を『生長の家』の錬成道場で行なうことを発表した。
土屋高徳 取締役・人事部長 「そんな!・・・私は反対です!!
     『生長の家』の教えを少しずつ体得して理解を深めてからならいざ知らず・・・
     初めて会社に触れる新人をいきなり宗教の道場に連れていったら皆、何て思うか・・・!」

一夫 「いずれは『生長の家』に触れるんです。
     最初から本格的にすれば理解は、より一層深まるはずですよ!」

土屋 「しかし、いきなりでは全国の高校を、足を棒にして集めた金の卵がみんな逃げてしまいます!」
一夫 「とにかく決まったことです! あなたも教育係として腹をくくって研修に臨んで下さい!」 (P.126)
う〜〜〜む、(以下略

「研修の成果は、新人の感激の感想文の中に表れ、新人研修を錬成道場で
 行なうようになってから、年々職場定着率もよくなっていった」
(P.128)

更に、う〜〜〜む、(以下略

「新入社員研修は、一種の洗脳である」とか、巷で(大袈裟なの含め)揶揄される話ではありますが、
まさかリアル洗脳してた新興宗教の教義を
新人研修で叩き込んでいた会社があったとは。

この話は、どうも事実のようですが、(証拠@.A
こんなの、よく社会問題化しなかったな。

(それとも社会問題化してたのを、私が知らんかっただけか)




●で、いよいよヤオハン海外進出(昭和44年)。
一夫 「かねてから『生長の家』副理事長からブラジル進出を勧められていた事は知っているでしょう。
     副理事長は、ブラジルに布教に行ってみて、
     1960年代、高度成長期ころの日本に、似ていると言っていた!」


  昭和44年(1969)5月、一夫は、夫人と共にブラジル視察に飛んだ――
  サンパウロ空港には『生長の家』の副理事長・徳久克己
(注 : 後に理事長)が迎えに出ていた。
  ブラジルで、すでに布教活動を開始していた徳久氏は、ブラジル政府の要人や財界人、日系社会の
  有力者を一夫に引き合わせた。日系人が40万人在住するサンパウロの対日感情は良好だった。
これも事実なら、やはり『生長の家』との繋がりは、かなり大きいものと言えるのではないかと。
しかし、
「布教」→「経済進出」の流れって、どこかで見たことあるような(笑)
         
数日後、ブラジルから帰った一夫は、ただちに役員会議を開いた。 (P.139〜)
一夫 「ブラジルの責任者を(和田)尚己専務にする。土屋(高徳)取締役にも専務の補佐をお願いします」
役員 「待って下さい! 専務は今、コンピューター導入の最高責任者ですし、土屋取締役は
    人材育成の教育体系がやっと整うという時に・・・日本のヤオハンにとってこの人事は痛いですよ!!」

一夫 「それくらいの人間が行かなければ駄目なんだ!! 
     ブラジル進出は、ヤオハンにとって生きるか死ぬかの大勝負だ! 生半可ではいけない!!
     
したがって、ブラジルに行く者は・・・向こうに永住してもらう!!
役員たち 「そ・・・そんな!」「帰ってこれないんですか!?」
一夫 「ブラジル
進出して失敗した企業たくさんある。私徹底的失敗したケース原因を調べた。
    一番の原因は、派遣された社員が腰掛けであるということだ!
(中略) そんな無責任な態度では、
    現地の信頼を得られるわけがない!行くからにはブラジルに骨を埋めるつもりで頑張ってくれ!」


   【ブラジル成功の為の十ヵ条】 (P.141)
 第一条、 永住する事
 第二条、 全社員、生長の家の信徒である事
 第三条、 就業時間は二十四時間と心得るべき事
 第四条、 社員の妻は、軌道に乗るまで社員としては勿論のこと
       幹部社員として、管理者として就業すること
 第五条、 仕事を第一とし、家庭は二の次に考える事
 第六条、 渡伯後二年間は、できるだけ出産は控える事
 第七条、 会社の配当、利益確保を絶対優先する事
 第八条、 親、兄弟の積極的な承諾書が必要の事
 第九条、 ブラジル人のリーダーとして人格、識見、実力がある事
 第十条、 自動車免許を保有する事
 補 足、 近親者の慶弔事といえども帰国は不可能と思う事
かなり・・・というか、非人道的と言ってもいいくらい厳しい条件(昭和44年って、そんなに厳しかったっけ?)
当然のことながら、社命ではなく本人の自由意思のよる志願制だったとのことですが、
(また、この第二条から察するに、社員全員に『生長の家』への帰依を強制されてはいないことも伺えます)
これに20歳の女性含む48人の志願があり(これが多いか少ないかは議論の余地がありましょう)
彼らは『ブラジル八百半(ヤオハン)日の丸隊』として華麗にデビューすることに。



●昭和48年。シンガポール店第一号オープン前の現地採用社員(650名)教育にて。
カツ 「ニコニコしていればみんなから好かれ、楽しく過ごせます。お客さんもたくさんいらして
    下さいます。ニコニコしているためにも、まず皆さんに幸せになって欲しいのです!
    それには、
『人間は神の子』であることを知らなければなりません」
現地採用社員一同   ポカ〜〜ン
カツ 「自分が神の子だと知ったら素晴らしい人になろうとします。
    あなたが素晴らしい人ならまわりの人も感化されて素晴らしくなります。
    ご両親も喜びます。親孝行はとっても大切です。親孝行すれば家庭が明るくなります。
    家庭の明るさを持って店にくれば、店も明るくなります。明るい店には、人が集まってきます!
    そしてヤオハンも栄えます。だから皆さんも幸せになって下さい」

現地採用社員一同   ・・・・・・ (パチパチパチパチ)←拍手まばら
         
カツ なんですって!? 社員教育をしなくていいとはどういう事です!?
現地取締役 「実はその・・・副会長の講義を聞いて、回教徒の社員たちが反発しているんです!
    我々の神は唯一、アラーであって、ほかの神のことなどききたくないと言うんです!
    回教徒は73人ですが、いずれも中堅どころの社員で、辞められたら店の経営のメドが・・・」

カツ 「私がいつ、ほかの神をないがしろにしましたか!?
    ヤオハンにとって『生長の家』の教えは経営理念なんです。人生哲学を学んでもらって
    幸せになって欲しいと思っているだけなのに・・・ その私の気持ちを社員に伝えようともしないで
    講義をやめろとは何事ですか! 
私はやめませんよッ 絶対に!! 」
「宗教」と「経営理念」の都合の良い使い分け。
「宗教だ!」と批判されたら、「いや、経営理念です」と逃げる術が用意されてるわけで。

逆に、この使い分けがあったからこそ社会問題化を回避できたのかもしれませんが。
         
●回教徒の社員たちを前にして
カツ 「あなた達は、私が講義で神という言葉を使うのが、
    気に入らないのなら
創造主(クリエーター)とかえてもいいのです!(←原文ママ)
    私は宗教ではなく考え方の話をしているのです。あなたたちシンガポールの人々の
    幸せを願って話をしているのだということをわかって下さい!
ここまでくると、完全にID(インテリジェント・デザイン)と同じ理屈。
まぁ『生長の家』の教義(万教帰一)からは、導き出されて然るべき結論ですが。




以上、この本劇画 ヤオハンの挑戦にあった記述そのまんま引用。
何度も言いますが、これは「生長の家」「日本教文社」フィルターを通して見た
ヤオハン像であり、現実のヤオハン像とは異なっている
可能性があります
(ただ、事実関係だけ採ってみても、『生長の家』との関わりはかなり深そうに思えますが)

しかし少なくとも、
「労働者の権利」「信仰の自由」を蔑ろにするのを、
敢えて美談として平気で漫画に採り上げる
生長の家日本教文社の感覚に対しては、強い違和感を感じざるを得ません。


           【追記】
   ■参考文献
 『ヤオハン・祈りと愛の商人道』和田カツ著(日本教文社刊)
 『念じるだけで巨富が築ける!』和田一夫著(ロングセラー刊)
 『ヤオハンの世界戦略』和田一夫著(毎日新聞社刊)
 『信念は必ず実現する』和田一夫著(かんき出版刊)
 『ヤオハン和田一夫』土屋高徳著(日本教文社刊)
 『ヤオハン烈烈』篠原勲・小澤清著(東洋経済新報社刊)
 『ヤオハン日本脱出を図る大陸型商法の発送』板垣英憲著(ぱる出版刊)
 『ヤオハンの奇跡』渡辺一雄著(東急エージェンシー出版事業部)
 『なぜヤオハンの小売商法だけが海外で成功するのか』小野博資著(明日香出版社刊)
 『新東洋事情』深田祐介著(文藝春秋刊)
 『異色創業者の発想』田原総一朗著(PHP研究所刊)

 ※本劇画は、取材と参考文献をもとに、シナリオが作成され、さらにコミック化にあたり、
 脚色され構成されている物語であることをお断りいたします。

 企画編集・・・潟Wェイ・イー・ピー
 監修・・・潟lットワーク
 シナリオ・・・高橋美幸





最後になりましたが、個人的にこの企業には、多少思うところがありまして。
・・・というのは、ゼミの一つ下の後輩で、無茶苦茶に優秀な好人物がいたんですよ。
どれくらい優秀かというと、ヤオハンに就職した時に新入社員を代表して挨拶するくらい。
でも就職後に、すぐ倒産しちゃいましたが。

・・・・・・アイツ、今どうしているのかなあ(遠い目)

なんか思いっきり諸行無常を感じちゃいましたよ。人生、ままならないものだという。
例え優秀な人材でも、行き先を誤るとトンデモないことになるんだな、ということ。

あと、ソフトが良くてもハードが駄目だとあぼーん

このレビューに感想でも書いてやろうという奇特(ヒマ)な方は、バカへの一言にお願いします。
トンデモねぇコーナーだ!怪しからん!文句言ってやる!という方はこちらへ。