バカ漫画の
第40弾を記念しまして、巨匠の作品をピックアップ。
1〜39の間に、ちょこちょことブランクがありますが、気にしないで下さい。
とりあえず、
『ゴルゴ13』アニメ化おめでとうございます。
それを記念しまして、
ゴルゴ13のサイドストーリー
っぽい話を紹介したいと思います。
この本、発行が朝日新聞社。そして協力が「アエラ・プロ」とあることからも分かるように、
雑誌「
AERA」の初期コーナー
『明解現代講座 AERA13』を一冊にまとめたものです。
初出は、
『AERA』1988年5月24日号〜90年5月15日号(約3年間)
AERAの海外特派員。
スーパージャーナリスト・亜江良十三による海外レポートについて、
さいとう・たかを御大が挿絵・漫画を描いておられます。
その亜江良十三氏の顔写真こちら→ |
亜江良十三
性別 :
男 年齢 : 38 国籍 : 日本 身長 : 183cm 体重 :
80kg |
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しかしすごいねAERA、このセンス。ダジャレにすらなってません。 「ゴルゴ」と「アエラ」 母音も子音も、何一つカスってやしません。
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この亜江良十三氏とゴルゴ13の繋がりらしき話が登場するのが、ラストのエピソード。
『帰国を命じた編集長に別れを告げに来た男』 P.504〜509
サハリンでの取材を終えた亜江良十三は、本社の強引な人事異動(本社勤務)を拒絶。 トミオカ編集長からの帰国命令を蹴り、サハリンで連絡をを絶ったまま、彼は行方不明に。 以下は、アエラ編集長(当時)である富岡隆夫氏(下記画像参照)による記事。
[ 前 略 ]
「おかえりなさーい」 背後で女性記者の明るい声があがった。振り向くと、編集部の入り口に大柄な男が立っている。 ジューゾーだ。しばらく見ないうちに、眼光がずいぶん険しくなっている。 そのまわりには、人垣ができ始めていた。
「なんで、あいつに人気があるんだ」 私は、人心が一人の記者に集中し、他の者の影が薄くなる事態を避ける意味からも、 ジューゾーを帰国させてよかったと思った。 「たいへんだったでしょう。編集部の顔ぶれも変わったから、あなたの知らない人も多いわ」
と、みんなが、口々に労をねぎらう。 [ 中 略 ]
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男は自分を取り囲んだ人々を邪険に押しのけ、 編集長席の方へずんずん歩いてきた。
「やあ、ジューゾー、元気そう……」
ジューゾーにしては、少し愛嬌が足りない。 もみあげも長過ぎる。 |
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ぬーっ、と私の前に立った男は、確かにジューゾーに似ていた。 しかし、明らかにジューゾーではない。
「キ、キミは、ゴ、ゴル……」
亜江良十三記者には、一卵性双生児の兄がおり、 国際的な暗殺者として活躍している、という記述が、 「編集長のみ閲覧可」 の 人事部ファイルにあったことを思い出し、私は目を閉じた。 |
『亜江良十三の大報道』 完 |
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自らの正体を知る者は、何人
(なんぴと)たりとも生かしておけないデューク東郷さんのこと。
この後、アエラや朝日新聞社の上層部の何人かが
謎の死を遂げたのではないかと。
ていうか、亜江良十三氏が、真っ先にこの兄貴に殺されていてもおかしくないんですが。
ところで、この設定。
Wikipediaにも記載され、
ゴルゴ13ファンサイトでも言及されてます。
でもこれ、やめた方がいいんじゃないかなあ。
この設定を認めると、面白い大変なことになっちゃいますよ。
『大阪淀川べりに隠された亜江良十三出生の秘密』 P.178〜181
駅を降りると、足ばやに行き交う人の雑踏。サンドイッチマン。手相見。数十軒の飲み屋が軒を 並べる通称「小便横丁」の店先には、「日本一安い」「ドテ焼き百五十円」と看板がかかっている。 「十三」は、大阪の中心街・梅田から阪急電車で淀川を渡って二駅目。 電車はここで 三線に分かれ、西に神戸、北へ宝塚、東は京都へと向かう。沿線はいずれも京阪神で 有数の高級住宅地を形成している。 [ 中 略 ]
大阪府立北野高校で日本史を教える北畑教諭(52)は、本気で怒っていた。 駅から歩いて数分のところにある北野高校は、旧制府立中学から数えて百十五年、 大阪でいちばん古く、また屈指の大学進学率を誇る名門で、学会、財界に人材を輩出してきた。 先の二人の絵の大家(佐伯祐三、手塚治虫)もここの卒業生なのだ。 「森繁久弥もそうや」 北畑先生はつけ加えた。 もっと最近では、どんな有名人がいるかと尋ねると、先生はだいぶ考えた後、 「まあキミぐらいやなあ、亜江良君」 何を隠そう、私はこの学校の卒業生で、久々に母校を訪ねたのだった。 「十三ちゅうのはなぁ」 先生によると、地名の由来は、 @古代条里制の十三からきた A戦国武将を供養した十三塚に ちなむ B干潟が十三ヶ所あった C淀川の上流から数えて十三番目の渡しがあった、 など諸説あるが、Cが有力だそうだ。 「それだけ由緒正しいちゅうことや。 なんや、キミは十三生まれいうこと、東京では隠しとるそうやないか」 私はここ十三に生まれ、そのため十三という名をつけられた。 先祖は鹿児島県姶良郡の出とも、山口県豊浦郡の士族、江良氏の亜流ともいう。
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つまり、
デューク東郷と亜江良十三が一卵性双生児であるのが事実ならば、必然的に
ゴルゴ13も十三生まれということに。
ルーツは「
鹿児島県姶良郡の出」「
山口県豊浦郡の士族」「
江良氏の亜流」などありますが、
いずれにせよ、ガッチガチの日本人。
しかも、コッテコテの関西人ですよ。
(高校まで二人が一緒なら、
ゴルゴ13の母校は
大阪府立北野高校ってことになったりして)
しかもしかも。もっと恐ろしいことには、
あのネーミングセンスの安直さから察するに、
ゴルゴ13の、あの「13」も、
「十三」由来である可能性が…
え〜っと、考えないことにしましょうね。
こんな設定がオフィシャルだった日には、ゴルゴ13より先に麻生太郎に殺されかねないわけで。
あ さ ひ じ ゅ う ぞ
うちなみに、この亜江良さんの遠い親戚に、
「亜佐日 十三」て人もいたりします。
なんか一卵性双生児の弟である亜江良氏より、デューク東郷さんに似てるような気がしますが。
ていうか、どうして
「名前」の方が共通してるんだ?
更に更に、
2003年には
Flashでアニメ化されてもいたんですね。
「亜佐日十三の個人型年金リポート」
さいとうプロの製作で、声は
内海賢二さん。劇場版の
玄田哲章さんにも劣らない重厚さです。
…ま、内容はともかく。