平成23年9月議会 一般質問 

安田優子 一般質問

一、「とっとり県民の日」について

最初に、「とっとり県民の日」について質問します。
県政だより九月号は、「とっとり県民の日」について、次のように述べています。
「明治十四年に現在の鳥取県が誕生した日にちなんで、県では九月十二日を「とっとり県民の日」としています。
明治四年に廃藩置県により鳥取藩は鳥取県となりました。
その后、明治九年から五年間、島根県に合併されましたが、もう一度鳥取県を置こうという運動が大きかったことから、明治十四年九月十二日に鳥取県として分立、再置されました。
この日をきっかけに、豊かな自然溢れる鳥取県の良さを再認識して、さらに自信と誇りの持てる鳥取県にするために自分に何ができるかを考えてみませんか。 

併わせて、この日を記念して無料開放される県立施設が紹介されておりました。
今年は、他に、関連事業として、八月末に開催された「とっとり産業フェスティバルアンド鳥取環境ビジネス交流会」に県民の日ブースを設営して、クイズをやったり、小冊子を配布する。また、九月十日のガイナーレ鳥取ホームゲームにおいて、副知事が挨拶したり、県民歌を披露すること、ガイナーレ鳥取公式HP及び当日配布のプログラムに、県民の日紹介記事を掲載、来場者への小冊子配布や特産品試食、といったPRイベントが実施されたということであります。
 この他にも、未来を開く鳥取学や鳥取市における県民の日学校給食、県内全小学校への小冊子配布等がなされております。 

ご存じの方も多いと思いますが、この県民の日は、平成十年六月に制定された「とっとり県民の日条例」に基づくものであります。

条例では、「県民が、ふるさとについての理解と関心を深めるとともに、ふるさとを愛する心を育て、もって自信と誇りの持てる鳥取県を力を合わせて築き上げることを期する日として設ける」ことを目的としております。

そして、この日を記念する行事として、「県は、とっとり県民の日を中心として、とっとり県民の日の趣旨にふさわしい行事を行うものとする。県は、県民及び市町村その他の団体に対して、とっとり県民の日の趣旨にふさわしい行事を行うよう協力を求めるものとする」としています。 

条例制定後の実施事業の推移を見るに、当初の記念イベントから記念フォーラムとなり、昨今は、他のイベントに相乗りする形でPRのイベントとなり、だんだんと影が薄くなってきておりますが、この実態について、知事は、どのように受け止められますでしょうか。 

知事の言われる「鳥取力創造」や、「みんなでやらいや未来づくり」達成のためには、県民の、鳥取県に対する理解と関心、愛する心の醸成は必要不可欠ではないかと考えますが、知事のご所見を併せ伺うものです。 

次に、教育長にお伺いします。

条例で言う「ふるさとについての理解と関心を深める」ためにも、「自信と誇りの持てる鳥取県を築く」ためにも、私は、教育、就中、学校教育が果たす役割こそ大きいと考えます。

将来の本県を担う子ども達に自分の住む地域に限らず、広く県内各地域を学んでもらいたい。色々な自然環境や産業、暮らしや言葉があることを理解してほしいのであります。

一方で、鳥取県民が築いてきたお互いの財産である県庁やこの議会、図書館、博物館、空港や港湾等の施設を、東・中・西部県下全ての子ども達にくまなく見せてあげたいと願うものですが、現在の学校教育の場でそのような機会が如何ほど担保されていうでしょうか。

私は、現在、行われている社会科見学を更に拡充する形での子ども達の県内見学こそ、地に足をつけながら、広い視野と、打って出る気概を持った、とっとり県民を育てていくという点において、県民の日にふさわしい行事であると考えますが、教育長はどのようにお考えでしょうか、明快なる御答弁をお願いします。

 

二、北東アジアサミットについて

次に北東アジアサミットについて伺います。

去る九月五日、中国吉林省、長春で「第十六回北東アジア地域地方政府サミットが開催され、私も議会から参加させていただきました。

各参加地域の理解と友情、協力の一層の強化を目指して、今回のサミットでは、

〇地域間の輸送ルートの建設促進

〇各地域の資源エネルギー開発と協力

〇各地域で開催される国際的イベントへの協力

等について話し合われました。

我が平井知事は、折しも襲来した台風十二号への対応の為、このサミット本番には出席できず、会場からも「平井知事がいなくて残念」の声が挙がっておりました。

知事の代理を勤められた細羽文化観光局長には、吉林省王(ワン)省長、沿海州ダリキン知事、モンゴル中央県エンフバト知事、そして新顔の江原道崔(チェ)知事と並んでの大役、大変ご苦労様でした。

本県からの基調発言は、平井知事の持論であるダイヤモンド・クインテッド構想の提唱と、地域内唯一の定期貨客船航路を持つ日本の北東アジアゲートウエイとして、また、3・11以降の日本国内における天然ガスの需要拡大とロシア沿海州における天然ガス開発の進展に伴い、その輸送の窓口となれるよう境港や鳥取港の整備を促進する。さらに、世界ジオパークネットワーク登録や国際マンガサミットへのアピールも行われ、最后に、来年のサミットは鳥取県で開催と締めくくられました。

本県以外の地域からも、テーマに沿ってそれぞれの地域の取組みと将来の展望、協力要請がなされました。私は、その発言を聞きながら、いみじくも、王(ワン)省長が述べられたとおり、このサミット参加地域は、「経済発展の水準から見れば、各自の国においては、依然として未発達な地域」ではあるものの、将来的には大きな可能性を持った圏域として発展していくのではないか、と期待がふくらんで参りました。

その一方で、その展開のなかで、本県の果たす役割や、なすべき課題について思いを致した次第であります。

 私が、五年前に参加したこのサミットでのテーマの殆んどが教育や文化交流であったことを思うと、隔世の感がしますが、反面では、この間の世界的な経済・社会情勢の大きな変化と時代のうねりのようなものを感じるのであります。

 そのなかで、各地域の生き残りを左右するのは、その変化を鋭くキャッチし、発信することのできる“人”の存在、にかかっているのではないかとの思いを強くするのであります。

 思い返せば、四年前の平成十九年秋、平井知事が就任されて初めてのサミットが、竹内団地の夢みなとタワーで開催されました。私も折角の境港での開催だからということで、地元漁協、婦人部の皆さんのご尽力で、手づくりの魚料理を提供させていただいたこと等懐かしく思い出すのですが、知事は、その席上で、環日本海航路の提案をなされたのであります。

唐突な夢のような提案でありましたが、日本海に連なる美保湾を前にしてのこの提唱が、紆余曲折はあったものの、まさに正夢となって実現し、圏域を結ぶ唯一の航路として今日に至っていることを思うとき、私は、平井知事の感覚の見事さに改めて感服するのであります。

 

さて、知事は、今回のサミットレセプションで「来年、本県で開催されるサミットは桜の季節に」と発言されたそうですが、その“桜サミット”に如何なる仕掛けと構想をもって臨もうとお考えか、この間の北東アジアサミットの総括・展望と併せ、ご披瀝いただきたいと思うのであります。

 

          平井知事(答弁)

 

 安田議員の一般質問にお答えを申し上げます。

 私の方には、「とっとり県民の日」について、それから北東アジアサミットについてお尋ねを頂きました。県民の日につきまして、だんだんと影が薄くなっているように思える、これをどういうふうに受け止めているのか、更に鳥取県に対する理解や関心、愛する心を醸成していくことが必要不可欠である、こういう意味で「県民の日」というものをもっとアピールするという必要があるのではないかという提言をいただきました。

 この「県民の日」でございますが平成十年の六月に制定をされたものであります。 

それは、山陰夢みなと博覧会が大成功に終わりました。全国からたくさんのお客様も来られまして、そして今こそ当たり前になりつつありますけれども、北東アジアとの交流、環日本海交流、こういうようなテーマが非常に県民の心を捉えまして、いわば、まとまりが良くなるといいますか、ひとつの成功体験として鳥取県民が高揚したことがございます。

 その成果を後の世に繋げていこうということで平成十年に「とっとり県民の日」が制定されたわけでございます。

 この思いというものは、我々は今も共有し続けるべきでありますし、これから益々もたなければならないものであろうかと思います。

 「県民の日」につきましては、今、議員の方でもお話がございましたように、ガイナーレ鳥取の試合の場所であるとか、それから食のみやこ鳥取フェスティバルや更に産業技術フェアなどで、我々も展示をしたり試食をしたりということを展開をしました。

 また、実は民間の企業さんだとか団体でも、色々とこの時期を捉えた様々なイベントを展開してくださいまして、大変感謝を申し上げたいと思います。

 例を挙げればイオングループがですね、「とっとり県民の日」フェアというバーゲンセールをされましてですね、チラシなんかにも出ましたけれども「県民の日」の意義を書かれてPRをされるのと同時に県内の様々な地産地消の物産、これをバーゲン的にですね、売り出したということがございました。大変良いことだと思います。

 実は、イオンさんとは県でこの度、協定を結んだものですから、その包括協定のこともありまして、今回そういう応援に踏みきってくださったんではないかと思います。

 ガイナーレさんも協定を結んでですね、鳥取県の応援をするという立場になっていただきましたので、「県民の日」でも協力をいただいたということでございました。

 こういうように確かに、当初から比べますと段々と様変わりをしてきておりますが、まあ、派手派手しいイベントをやるということではないかもしれません。あるいはフォーラムというような、非常にお堅いことをあまりやらなくなってきているということかもしれません。

 ただ、その代わりに県民の皆様に親しみやすい形で「県民の日」というものを感じていただく、「県民の日」を感じていただくのと同時に、それは鳥取県の誇りというものを皆さんにも感じていただくという、そういう機会にもなり始めているのかなというふうに思います。

 議員の方のせっかくのご指摘もございますので、「県民の日」に関連してですね、県民の力、「鳥取力」をさらに高めていけるような、そういうモーメントを来年以降も工夫していく必要があるだろうと思っております。  

 それと関連をしまして、鳥取県の誇りというものを育てていく、県民の鳥取県に対する理解や関心、愛する心を育てていく必要があるのではないかということでございます。

 私は、やはり、プライドオブ鳥取とでもいうべき、鳥取の自慢できるもの、これはすごいな、鳥取県民というのは大したものだなと、そういう精神がやはり、必要だと思いますし、そうしたことを環境として作っていかなければならないのだと思います。 

 世界ジオパークネットワークの加盟はある意味、鳥取県の県民の皆様にもプライドを感じていただくことになったと思います。

 ガイナーレ鳥取がJFLで優勝して上がるというのもそういうモーメントであったと思います。更に最近はですね、海外からもお客さんがやってくる、そうして、いわば世界中の人から愛される鳥取というのがあるのだなと。例えば自然環境だとか、歴史や文化だとかですね、そうしたものを評価していただく機会が、だんだんと増えてきました。

 こうした様々な方向性を出して、鳥取の誇りを育てていく必要があるだろうと思います。

 これは新年度に向けましても、鳥取の誇りを創り出していく、育てていく事業を色々と展開しようと考えています。北東アジアゲートウエイ構想もそうでありますし、それから海外からの誘客というのもそうでありますし、又、山陰海岸ジオパークとか、また、近くは海づくり大会というのもありますし、2年後には植樹祭がある。

更に言えば、これから私はひとつ重点を置かなきゃいけないかなと思っておりますのは、来年開かれる「国際マンガサミット」でございます。

 これは、一過性のイベントにしてはもったいない。それぐらい、いわばパワフルな人たちが鳥取に集っていただきますし、そのテーマとしても食だとか海だとかそうしたテーマをですね、作っていただけます。その食を取り上げようとおっしゃってくださった本人が里中満智子先生でいらっしゃいますけれども、鳥取の食は素晴らしいと、食のみやこに値するということでございまして、ここで世界中の漫画家の人にですね、鳥取の食をPRをしてもらうというか、感じていただいてマンガにしてもらうとそんなようなこともおっしゃっておられました。

 そういうようにして世界中の共通の価値観の源泉がですね、鳥取県にはあるんだということを知っていただく良いチャンスかなと思います。

 マンガの訴求力というのは非常に強いものがあります。先般、私ども上海で、今、上海と新しい航空路線を念頭において、何とか仕掛けようということをしておりまして、昨日も内田議員のご質問がございましたけれども、そういう上海に売り込みをかけるという一環でですね、ジャパンウイークに急遽参加をさせてもらいました。

 その際、私どもが武器にさせてもらいましたのは、マンガでございます。マンガ王国とっとりを中心に売り出してみようということで行ったわけでありますが、行った我々のスタッフがびっくりするくらい、大人気でございまして、コナンのTシャツ、夏場私達が着用しておりますけれども、あのコナンのTシャツを着ているということだけで珍しがられまして、一緒に写真を撮ってもらいたいという人がでたりですね、マンガ関連のグッズを配布すると、本当に細かい物ではありますが、そういうものでも大行列ができるというくらいでございまして正直、県民我々自身が認識している以上にこの力はあるだろうと思います。

 それは全国に向けてもそうであると思いますし、世界に向けてもそうだと思います。

 その意味で、新しい年は、マンガ王国建国イヤーにすべきではないかと、そうやって鳥取の誇りを形作っていくべきではないかと考えております。具体的な今、アイデアを練っている真っ最中でありますけれども、ひとつ実現に向けて大きく前進しているのは、コナンのラッピングをした列車を走らせようという構想でございまして、最後の詰めをしておりますけれども、私も北栄町長と一緒に小学館のほうに尋ねようと考えております。

 このラッピング列車が山陰本線を走るようになりますと、これは今走っている鬼太郎の列車もございます。実は、今度、山陰海岸のラッピング列車も作っているわけでありますが、そういう非常に彩のあることになります。特にコナンはですね、世界中の漫画家の皆様がひとつの目標としているマンガでございまして、このコナンが鳥取県の中部だけではなくて東部や西部にも当然走っていくわけであります。ですから、そうしたこととJRディスティネーションキャンペーンを来年11月か12月にやりますので、こうしたひとつのアイデアとしてですね、例えば、境港だとか、あるいは米子だとか由良だとか倉吉だとか鳥取だとかそうしたポイントとなる駅があります。そうした駅から比較的近いところでですね、鳥取のマンガ王国ぶりを味わっていただけるようなそういう仕掛けを作りまして県内まるごとマンガ王国ですとアピールして観光客の皆さんに楽しんでいただけるとそういう仕掛けをぜひ考えてみたいと思っております。

 こういうようなことを通じまして、鳥取県に対してですね、これはマンガの話でありましたけれども、自然もそうですし、食もそうです。そういうところにプライドをもっていただけるような、そういう県づくりを積極的に仕掛けていきたいと思います。

 そういう意味で「とっとり県民の日」、大きな舞台になり得るときでありますので、そうしたときには、鳥取県民としての誇りを感じていただき、これからもがんばろうと元気をつけていただけるような、仕掛けを来年の九月、考えていきたいと思います。

 次に北東アジアサミットにつきましてお尋ねをいただきました。

 この新しい年のサミット、鳥取県で開かれるわけでございますが、それに対する構想をこれまでの北東アジアサミットの総括などと併せまして如何かというお尋ねでございます。

 今、議員の方でも北東アジアサミットのこれまでの歴史や経緯、実際に参加されたご体験も含めて、お話しをいただきました。

 お話を聞いていて確かにそうだなと思いましたのは、以前、こういう北東アジアサミットは、どちらかというと文化だとか、交流の場時代そのものだったと思います。しかし、時代は変わってきて、環日本海時代、本物になり始めた。環日本海という、日本海で結ばれていることをそれぞれの地域が生かせる時代に入ってきたということだと思います。

四年前にはですね、私も境港の方で初めて知事としてサミットに参加をさせていただきました。

その席上で大交流時代をにらんで、航路をぜひ実現しましょうと、具体的に境港という二文字もですね、コミュニケの中に書き込むことができました。

その後、関係地域で実際に協力をしていこうという空気が整いまして、今のDBSクルーズフェりーもそうでありますけれども、様々な動きに繋がってまいりました。

あの頃は、ダリキン知事だとか、今、吉林省、今回も皆さんを大歓迎していただきました、王儒林省長様、そうした方々がですね、これほど鳥取県に親近感を持っていただき、一緒になって北東アジアを盛り上げていこうという気分になっていただけるとは想像もつかなかったです。

ですから、お互いの地域がですね、この間、五年ほどの間に大いに環日本海交流を通じて発展の糸口をつかみ始めているところだと思います。

江原道は知事が代わりまして崔文洵知事に代わられましたけれども、崔知事も鳥取県に対する親近感を継続して持っていただいておりまして、ぜひこの環日本海交流を育てていこうというふうにおっしゃっていただいております。

私はこの度、春に開催される予定のサミット、ここをまた次のステージに向かう場とさせていただきたいなと考えております。

今回はですね、ロシアだとか中国、そうした地域の強い要望もありまして、桜が咲く季節に日本でサミットをやってほしいというお話がございました。

桜というのは、ぱっと散ってしまいますので、色々と時期の選定が難しいのですけれども、一般的には忙しい時期になるかもしれませんが、その桜が咲くような時期にですね、サミットをやろうという準備を進めたいと思います。 

それで、議員の方でも桜サミットとおっしゃいましたけれども、そういう特徴あるサミットにしたいなと思っております。

いわばですね、「咲かせよう、交流の花」というべき、そういうサミットかなと思っております。

北東アジア地域を結ぶような、ぱっと花が咲くそういう時代感覚を感じていただけるようになると良いと思います。

テーマとしては、経済、あるいは観光、また環境という、そういう三つくらいが我々の共通テーマかなと思っております。それを北東アジアの交流の花を咲かせることによりまして、高めていく、そういうテーマでですね、この会議を臨ませていただきたいなと、思っております。と申しますのも、2012年、平成24年という年はいくつかのモーメントがあります。

この環日本海地域、友好交流を進めている地域におきまして、我々でいえば観光にも大きく影響してくるような、国際マンガサミットがございます。また、それに合わせたイベントも全県的に仕掛けていきたいなという構想を持っております。

また、本県を結ぶですね、新しい航路は、シノコーさんが作られましたけれども、更に旅客船関係などでもですね、新しい仕掛けができないかということで、例を挙げれば、ACTAといわれるようなアジアクルーズターミナルアソシエーション協議会の事業がスタートすることになったりします。

それ以外にも、大型客船だとかですね、そうした構想も今我々の方で強く働きかけをしているところでございますが、そうした展開を新しい年に、仕掛けていきたいなと思っております。

そうした日本側の状況がございますけれども、海を越えた向こう側でもですね、ロシアにおいていよいよ、APECが開かれます。

APECの開催に向けてウラジオストクが一生懸命準備を進めておられますけれども、これがいよいよ花開くことになる。ウラジオストクはじめ、ロシアとアジア各地域の結びつきは一層強まることは間違いないですし、ロシア側沿海地方としてもそこを是非、強調して売り出したいところだろうと思います。

大いにそれもサミットでやっていただければいいと思います。また、GTIといわれますが、グレータートモンイニシアティブというプロジェクトがあります。これは、国連のUNDPの関連プロジェクトでございますけれども、鳥取県もオブザーバー参加をさせていただいたところであります。

先般、副知事に出席してもらいました、江原道で準備会議が開かれましたが、来年は、中国吉林省におきまして、いよいよ地方政府会議をGTIでやろうということになります。

そういうように海外、我がカウンターパートの地域にもですね、新いプロジェクトが動き出すのがこの2012年という年になります。その意味で「咲かせよう、北東アジア交流の花」というべき桜サミットを提唱して参りたいと考えております。

ぜひ、議会の皆様にもこの度もご訪問いただきました。そして、絆を強くしていただきました。また、江原道議会と本県議会との交流も本格化することになりました。ご協力もいただきまして北東アジアの交流の確立をさせていただきたいと思っております。

 



          横濱教育長(答弁) 

 安田議員のご質問にお答え致します。

 「県民の日」にふさわしいの社会科見学のあり方について、お尋ねをいただきました。

 私は、子どもたちが自分の住んでいる地域だけでなく、広く県内の地域について学ぶことについては、鳥取県の自然や歴史や文化、そして人々の暮らしに出会ったり、触れたりすることになりまして、とても大きな意味があると考えております。県内の学校では総合的な学習の時間とか、あるいは社会科見学などを通して子どもたちが鳥取県の生の姿を学ぶようにしております。

社会科見学は主に小学校の3年生から6年生で実施をしておりまして、実に県内様々な地域、場所を訪れております。例えば、この議場にも昨年度6つの小学校から300名を越える子どもたちが訪れておりまして、小学生は傍聴席でこの議会について説明を受けた後で、その議長席に座らせていただいたり、あるいは、議員の皆様の席に座らせていただいたりしながら、心弾ませているというようであります。

 また、質問で最近どんなことが話されているのですかということも聞いておりまして、議会に関心を持っているようであります。子どもたちはこのように社会科見学などで県内様々な場所に出かけておりますけれども、議員からご提案がありましたように、県民の日と関連付けて取り組めば、ふるさとへの理解とか愛情とかそういうものをより深めることにも繋がりますし、「県民の日」の趣旨にも沿うと思います。

 ただ、県庁とか県議会、博物館というと東部地区に多いわけですので、中部・西部の子どもたちも訪問しやすいような環境づくりを進めていくことも大事だと思います。このような課題をクリアしながら、社会科見学の機会を有効に活用して、子どもたちに、鳥取県の愛着を深めて欲しいと思いますし、また、議員がおっしゃいますように地に足をつけながら広い視野で打って出る気概をもった子どもたち、そういう子どもたちを育てていきたいというふうに思います。

 引き続き、学校でふるさと鳥取について学ぶ取組みをしていきたいと思いますし、社会科見学が「県民の日」にふさわしい物となるように市町村、教育委員会とも意見交換していきたいと思っております。以上でございます。

 

 

          安田議員(追求質問) 

 ご答弁をいただきましたので、順次追及質問をさせていただきます。

 最初に、「県民の日」についてであります。

 平井知事の未来志向、マンガという若い世代の思考とは、タイムマシーンで昔に帰りたいと思いますので、時期がずれるかもしれませんけれども。

 県民の日が決まった9月12日でございます。

 歴史にも造詣の深い平井知事でありますので、この辺の経緯についてはよくご存じのことと思いますが、この再置については、県史が指摘しておりますように「困窮士族が貢献したというような見方や再置を自由民権運動と結びつけることは当たらない」という見解を県史は出しておりますが、私もこの意見に賛成であります。

 県史は、むしろ、明治初期における地方の統廃合が余りにも国主体・政府主導で、古くからの歴史的地域的実状を無視するものであり、その利害や感情の対立が地方行政上に大きな問題を起こしたことによる、再度の編成として鳥取県再置を位置づけるべきである、と述べております。

 その視点からいうと、県政だよりの「明治9年からもう一度鳥取県を置こうという運動、これは反対運動のことですが、それが大きかったことから」という記述は、問題があると思いますが、知事はどうお考えでしょうか。 

 私が注目したいのは、この再置に当たって新政府から派遣された時の参議、山県有朋が、「因幡は陸地の孤島であり、新県設置后は、第一に道路開通が必要で、まずは鳥取・姫路間から」と復命書に記している点や、旧鳥取士族の頑迷さに驚くとともに、彼らが「伯耆の人々をみること あたかも奴隷の如く」と語っている点であります。

 事実、再置は決して全県民の喜ぶところではなく、鳥取では大祝賀会が催された一方で、中・西部では大規模な反対運動がおこっております。

 そして、再置から130年近くたった今も、山県が指摘した点は、引き続き本県の課題としてあると言えます。

 この間、本県が陸地の孤島から脱しえたでしょうか。

 先年、時の民主党副代表、石井一氏は「日本のチベット」と我が鳥取県のことを嘲笑されました。それでも、山県に言われた姫鳥線の開通だけは成就しました。

 しかし乍ら、山陰道の全線開通は未だ果たされておらず、県内における地域間の融和も道半ばではないでしょうか。

 こと本県においては「コンクリートから人」へではなく、交通の難所であるが故の狭小性、偏見性といった県民性を打破する為にも“人のためのコンクリート”の必要性を今后とも知事には訴え続けていただきたい。そして、陸地の孤島から一日も早く脱却しなければならないと思いますが、決意の程をお聞かせいただきたい。

 一方で、再置時の課題解決に向けて、ハード面だけでなく、ソフト面からも向き合う必要があると考えます。それこそが「県民の日」制定の眼目だったのではないでしょうか。

 評価、善悪はさておき、鳥取県として再スタートし、130年近くたった今、人口も設置時の38万人から58万人となり、この間、県政も努力してきた、その成果を県民等しく認めることも大切ではないか、未来をになう子ども達に県内の実状を認識させるとともに、この間の県民・県政の努力の結果を見せてあげることに、私は大きな期待を持ちたいと思うのであります。

 身は辺境の地にあろうとも、視野広く、打ってでる気概をもった県民を育てていきたいと思うのであります。

 教育長も先程、子どもたちの県内見学は必要であるというふうにご答弁くださいましたので、知事、マンガも大事です。けれど是非とも子どもたちの県内見学を「県民の日」の主要事業として毎年実施していただきたい、予算もつけていただきたいと思いますが、どうでしょうか。 

まず、そこから始めたいと思います。よろしくお願いします。

 

 

          平井知事(答弁)

  安田議員から重ねてのお尋ねをいただきました。

 まず、県政だよりの記述につきまして、もう少し書くべきではないかということでございます。

 これについては、また工夫させていただきまして、記述は正確を記したいと思います。

 当時はかなりの色々な思惑がありました。議員がおっしゃるように、正直、最初に再置を決めた後ですね、今度は伯耆の方から反対の声がかなり強力に上がったりします。その再置を認める経緯もですね、議員がおっしゃったように時代背景としては、ちょうど自由民権運動が盛り上がった時期ではありましたけれども、自由民権運動が直接そのまま作用したというよりも、当時の士族の状況だとか、それから様々な方々の活躍があったと思います。

 岡崎兵内もですね、上京して色々と根回しをするといいますか、要望して歩いたと。山県有朋御自身もこちらの方の再置もございましたけれども、それ以外のところもですね、やはり手がけておられます。なぜかというと、やはりゆり戻しだったのだろうと思います。

 大きく県を設定するということで、一旦鳥取県が設定されていながら、それが島根県に合併をしていくということもあったわけでありますが、それは、各地で同じことが起こっておりまして、それが様々な、問題を弊害を生んだのだろうと思います。

 奈良県は未だにそこを引きずってまして、一時、大阪にくっついたそのときに災害があって、酷い目にあったという思い出から、関西広域連合には入らないというふうに知事がおっしゃってるわけでございまして。130年後も未だにやってるということでございますが。

そういうような大変な状況があったことなど、せっかく鳥取県の生い立ちを知っていただくということですので、記述をしてみてはどうかなと思います。また、鳥取県を彩ったですね、景山塾だとかそうした色々な人材もございますので、そういう同時期を生きた人たちのドラマなんかも努めて称揚していく場が必要ではないかなと思います。

 次に“人のためのコンクリート”事業が必要であり陸地の孤島から一日も早く脱却しなければならないというご指摘でございます。

これは、奇しくも山県有朋が構想していた姫路から鳥取の交通路というのが来年度開通を見ることになります。まあ、ようやくここまできたかということであろうと思いますけれども、そういう陸の孤島ぶりをですね、脱却をしていかなきゃならないわけであります。就任させていただいた4年半前は、3割くらいの開通率でありましたけれども、今では全国的にも中位くらいにですね、今こようとしていますけれども、山陰道、あるいは、豊岡・宮津自動車道、更には倉吉の方の湯原道路とかですね、そうした様々なネットワーク化が未整備でございます。ぜひ、力を入れてやっていきたいと思います。これは、今、非常に難しい局面にございまして、来年度予算編成で削られてきております、1割ほど、公共投資も。それに対して3,700億の新しい再生枠を活用してという要望を、国交省がだして道をこう繋ごうとしておりますけれども、だいたいこの再生枠の競争倍率が数倍に及びまして2.8倍か3倍近いものがございましてですね、なかなか、この要望がそのまま認められるかどうか、予断を許さない状況であります。

仲間の県が私どもを含めて10県ございますので、10県でぜひ、政府側に強力に働きかけてまいりたいとと思います。

与党の方でも協力をいただければありがたいと思っております。

更に、もうひとつでございますが、県内見学、ぜひ来年度予算化するべきだということでございます。教育長のお話も今、伺いました。必要なことだと思いますので、予算化して参りたいと思います。私は、子どもの頃からですね、公民教育といいますか、民主主義教育といいますか、社会に参加していく練習なりトレーニングを積むべきだと思います。議場を訪れることというのは、印象に残る思い出になると思いますし、地域社会で役に立つ人間になろうという気概を生むことになろうかと思います。

そうした様々なですね、魅力が東部にはございまして、先般ご案内にありましたきのこ菌蕈研究所だとかですね、そういう最先端の研究施設もあれば、様々なものがございます。東部の子にしてみれば、西の方に行ってですね、境港の港を見て世界と繋がっていることを感じてもらうとか、花回廊だとか、大山だとかそうしたものもございます。「県民の日」にちなんだ県内のですね、見学ということを推奨していくという意味でも予算化に向けて調整させていただきたいと思います。

  

          安田議員(追求質問)

いい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

この子どもたちの件なんですけども、私は以前から、私の住んでいる境港の子どもたちが、図書館というと境港の市立図書館のことを図書館だと思ったまま育って、世の中に出て行く。博物館というものを見たこともなく大きくなる、そのことは、ものすごく気にかかっておりました。ぜひそういう、せめて、県立図書館、博物館を見せてやりたいなという気持ちをずっと持っておりまして、「県民の日」のことを調べてるうちに、こういうことこそ「県民の日」に相応しい行事じゃないかと思って取り上げさせていただいたのです。

大変良い結果をいただきまして嬉しいですが、実はこの件について現場の学校の校長先生にもどんなだろうかと相談したんですね。そうしたらいいことだと。実は10年くらい前に、県教委の方から、中部の子どもは東部と西部に、西部の子どもは東部と中部に行くようにと、そういう事業を言われたんだそうです。だけども、それが新年度になってからか、直前に言われて入れようにも予定が詰まっていて実施できなかったということがあったそうです。

だから、今知事が良い答弁をしてくださいましたので、教育委員会は、県内の教育委員会にお伝えになるときには、ぜひ、現場が困らないように、指示をしていただいて、実施に至ったら嬉しいと思います。

それから、桜サミット。勝手に桜サミットと私は名付けたのですが、新たなる花を咲かせようという大きな綺麗な花が咲くことを願って、また協力もさせていただきたいと思っております。

次の質問は、吉林省のことを取り上げさせていただきたいと思います。

私、過去に2度、吉林には行っておりまして、今回5年ぶり3度目の吉林省でした。だけれど、その発展ぶりにちょっと圧倒されてまいりました。その詳細につきましては、このたびの視察団の上村団長から報告されることと思いますが、長春市街地の都市整備、それから、今回初めて訪問した延辺朝鮮族自治州、延吉市の発展力、第7回北東アジア投資貿易博覧会の盛況ぶり。

中でも、長春ハイテク開発特区進出企業が世界各地からこの5年間で、以前行ったときは2,000社、今回は3,392社という数を聞きました。その規模も一段と広がっておりました。

歓迎会の席上で吉林人代の代表は、吉林省のGDPが中国は10ポイント、全体で。吉林省はそれを4ポイント上回る14ポイントだということを誇らしく語っておられました。そして、今後の民間経済交流への期待を述べられておりました。今回私たちは、米子の石田商事さんたちとご一緒させていただいたんですが、その吉林省の躍進ぶりに石田さんも注目をされ、人脈をいかして延吉において山陰企業のアンテナショップや、飲食店を展開されるかたわら、今後、他の都市でも、独自の店舗展開を考えておられるということです。それから、先般、今回の博覧会に参加された、境港の商社KSトレードさんも長春への進出をされようとしていること、新聞報道にでておりました。民間の企業の動きが大変活発になってきた。そして、吉林省と本県は、1994年友好交流に関する覚書協定から始まって、夢みなと博出展をいただき、今日に至るまでの16年間、行政、文化、スポーツ、青少年、様々な分野において交流を進めてまいりました。県内の市町においても境港市が琿春(フンチュン)市、それから八頭町が大安市と友好都市ですが、この度の知事の訪問で延辺朝鮮族自治州のほうから、鳥取市との交流を求める意向が伝えられたということ、また、吉林大学と鳥取環境大学と学術交流協定について、王副学長と話し合われたということでありますが、今、私は、お互いの交流が大きな転換期に入っているんじゃないか、新たな展開のときを迎えた、そういう受け留め方をしているんですが、知事はどのように受け留められますでしょうか。先程、知事からもお話がありましたが、私たち議会も先程訪問したメンバーを中心に吉林省との友好促進議員連盟を作って、更なる友好促進を進めたいと思っているところでございますので、知事の御所見を伺いたいと思います。


          平井知事(答弁)
 

 吉林省との交流につきまして、重ねてのお尋ねをいただきました。

 議員のご指摘の通り、長春の町は近代都市へすっかり変貌しました。そして、更に、経済的な活力がみなぎっています。その背景には、自動車産業が長春が根城になり始めたこと。更には、国のプロジェクトとして中国東北地域の開発、就中、延辺朝鮮族自治州を始めとした国境地帯に対する国の積極的な動きがあるということだと思います。

 ぜひ中国側の動きに日本側としても交流をして鳥取県も一定の役割を果たしていく必要があると思います。議員がおっしゃるように実質的な転換期を今、迎えていると思います。

 ご指摘いただきました石田商事さんは、あちらでアンテナショップなどを作られることになっておりまして、実際に店舗ももう変わられましたけれども、そういうことで定着し始めています。

 更にKSトレードさん、小林支社長さんも皆さんと一緒に向こうを訪ねられました。そして、このたび、延辺日本人会の事務局長をされています吉田さんと色々と相談をされましてですね、シャルビの「ほほうるる」の化粧品などを向こうで販売をしようということであります。

 中国の方は日本の化粧品に非常に興味を持っていまして、今も国慶節で日本に来られておりますけれどもドラッグストアが大賑わいになっています。その背景には、やはりそういう日本のいい商品に対する熱が高いということがあるかと思います。

 そうしたことでの今回の進出話もでております。これにとどまりませんで、実利のあるですね、そういう交流へと、今までは顔を合わせてお付き合いをするだけでありましたけれども、一緒にビジネスをする時代に入りはじめたと思います。ぜひですね、吉林省との交流を進め、北東アジアとの交流の実をあげていきたいと思います。

 DBSクルーズフェリーもですね、今後の展開の中で、そうした吉林省方面も考えてもらいたいと、我々はかねて申し上げているところであります。

 実は、環日本海航路もライバルが急速に増えてきました。一時は鳥取の境港がぶっちぎりで独走体制に入ったんでありますが、体制を立て直しつつございまして、例えば、新潟とナホトカを結ぶ航路がザルビノに寄るというようなことも始まりました。

それから今日も新聞にでていますけども、京都府と京都市そして韓国の浦項(ボハン)市がフェリーを走らせようという構想が浮上しておりまして、試験運航をしようということが報道され始めています。これに限らず環日本海地域での交流の船が、動き始めています。

鳥取県が成功したといいますか、今なんとか動かし始めてお客さんや荷物が増えているということは、他の会社さんだとか地域にも刺激を与えておりまして、今度は競争が始まるという局面に変わってきております。そうした中で質的転換を交流の中に作っていかなければならない、それは安田議員のおっしゃるとおりだと思います。ぜひとも力を合わせて進めてまいりたいと思います。

 

          安田議員(追求質問) 

 

知事の方から踏み込んだ、御答弁いただきました。私も今こそ吉林省に対して境港を売り込んでいくときではないかというふうに思っております。図們江開発で吉林省はザルビノと北朝鮮の羅津(ラジン)へ進出することによって海の道を確保しようとしております。

ザルビノについては、今、知事が言われたように新潟に一歩先を越された感がありますが、この2つのルートと境港を結ぶ航路の可能性について知事はどのように捉えておられますでしょうか。また基調発言のなかでロシア沿海州の天然ガスを輸送の窓口として境港や鳥取港の整備を促進する旨の発言があったわけですが、どのような構想をお考えかお聞かせを願えればと思います。

 

          平井知事(答弁) 

 議員から、重ねてのお尋ねをいただきました。

まず、吉林省に向けてザルビノの航路の可能性ということでございますが、これは、我々はDBSクルーズフェリー側にも申し上げておりまして現場を見てもらったりしております。

その状況につきましては統轄監からお答えを申し上げたいと思います。またLNGのことでございますが、急速にですね、この度ウラジオストクの方にパイプラインがやってまいります。これは日本海側にとりましても近い出口がでてくることになります。

このLNGにつきましては、和歌山でですね、新しいLNG の発電所をつくろうという、大規模な計画が始まろうとしていたり東京都が適地を探そうと動き始めたりしています。

鳥取県内でもですね、境港や鳥取といった港がございます。こうした所が、活用できないかという議論はございまして、先般も環境関係のですね、私たちのプロジェクトを動かし始めたのですが、これからのエネルギー戦略を考える上でLNG発電も検討に値するのではないかとのご発言もございまして、中国電力さんがなかなかそこまで踏みきるかということはございますけれども県内にも港がございますので、LNGの可能性がないわけではございません。

ただ、色々な問題点といいますか、解決しなければいけない課題も多いと思いますし、現実にその発電だとかですね、そうした用途のほうの動きが連動してこなければならないところがございます。私どもとしては、そこは、よく研究したり調査したりして、関係先と様々な協議なり意見交換をしてですね、もし、実現の可能性が見えてくればですね、それは積極的に仕掛けていく必要があるだろうというふうに考えております。

現状としては、境港の場合ですと確かにひとつ油を採れそうな部分はございますけれども、そのかわり後背地のほうはですね、充分でなかったりします。

鳥取港のほうへ行きますと、それは港の浚渫だとかいろんな事をやらないと上手く船が入らないかもしれません。

実は和歌山の計画も平成30年代とかそういうことです。それはなぜかというとやはりインフラを整えるとかということも伴いますので一朝一夕の問題ではないと思います。ただ、今、エネルギー革命が進行しようとしておりまして、LNGも見直されてきておりますし、ロシア側の供給体制も整ってきていますので、ぜひ、関係機関と協議を重ねて参りたいと思います。

 

          河原統轄監(答弁)

DBSクルーズフェリーがザルビノに寄る可能性について御答弁申し上げます。

実は、昨年11月上旬でしたけども、DBSクルーズフェリーを活用してですね、中国東北部との経済交流、人的交流を増やせないかと、その可能性を探りに、私、自ら出張させていただきました。まず、話にもあったように吉林省そのものはですね、非常に日本海の出口を求めて期待をしている。それから発展もすさまじいものがあったということでございます。

 具体的にはザルビノ港でございますけれども、そんなに新しい港ではありませんでしたが、ちょうど吉林省なり琿春(フンチュン)市がですね、非常に民間を経由して合弁会社を作ってですね、ロシア側と。そこに例えばコンテナ荷役の整備だとか、それから40トンのコンテナを積み下ろしするリーチスタッカ、こういった物の整備を着々と進めていたということでございます。

 ですから、吉林省としては、羅津あわせてザルビノを出口として両方活用していこうということです。日本との関係でございますけれども、吉林省の方の感じではですね、やはり、なかなか日本の方から羅津に寄るのは中々難しいのではないかという感覚で、羅津はあくまで内貿、例えば石炭を上海まで運ぶですとかね、そういったことが主になるのではないかと。

 ザルビノの方が対外貿易としては重要だというようなことも少し言っておられるということでございます。

 可能性はどうかということでございますが、実はザルビノと韓国は以前、東春港運というのが束草(ソクチョ)から繋がっておりました。今、実状運休をしているんですけれども、免許が残っているということがございます。ですから、今すぐにDBSがザルビノに寄港するのは少し、韓国の国内法的な問題も少しあるのかなと思っています。

 更にその運休しています東春フェリーがどうも将来また再開するということは薄いというような記事がでておりますけれども、現地の新聞に。

 別の会社がですね、そこを引き取ってやろうかという動きが出ていて、やはり非常に海運業界は厳しい、波高しというような状況でございます。

 ただ、いずれにしても、私どもとしてはですね、やはり、ウラジオから中国東北部と繋がりが勿論あるわけですから、より効率的に繋がるためにはザルビノというのは非常に重要だと思っておりますので、昨年もDBSの社長と一緒にあがりましたけれども、これからもその可能性について協力しながら追求して参りたいとそんなふうに思っております。

 

          安田議員 

 現在の圏域を結ぶ唯一の定期航路DBSなんですが、貨物の方がいまいちですが、これは中国が入ることで万全になるのではなかろうかと、誰しもが期待するわけでございます。

 今、お聞きしますと大変難しい、厳しい状況だということですが、一緒にがんばりましょう。

 

 



 

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