平成25年11月議会 一般質問 

安田優子 一般質問

産業技術センター食品開発研究所の今後について












 

 食品開発研究所は、昭和23年に、鳥取県農産加工所として米子市旗ヶ崎に創立。38年には、境港市渡町に移転新築の後、食品加工研究所と改称し、47年には、農林部から商工労働部に所管が変わりました。 

 昭和53年に、現在地に移転新築し、度重なる機構改革を経て、現在、独立行政法人鳥取県産業技術センター食品開発研究所となっております。

 平成19年、高機能開発支援棟が完成し、商品開発と、食品品質評価の企業支援を行ってきましたが、新商品開発への意欲の高まりにより、平成19年2,200件の相談件数が23年には4,050件と激増し、この度、商品開発支援棟の新設と、高機能開発支援棟の増改築がなされるということで、今議会にその予算31,400万円余が計上されております。

 この整備により、原料加工から商品開発まで、一貫した試作開発が可能となり、商品開発に一層のはずみがつくとともに、今、求められている健康・美容商品の開発についても機能性素材の高純度抽出や、未知成分の分析等が可能になるとのことであります。さらには、味・におい等食品のおいしさ評価や品質評価まで可能になるそうであります。

 また、インキュベーション室の増設により、起業化支援も一層充実するということで、平成26年度末の完成が待たれるところです。

 私は、農業・漁業で成り立つ本県にあって、県内で生産した農産物や、漁獲された水産物を有効に活かす商品開発機能を持ち、かつ六次産業化や企業誘致への道を拓くものとして、この研究所の存在と働きを高く評価したいと思いますし、利用者の側からもこの研究所の一層の拡充が求められておりますが、平井知事は如何様に認識しておられておりますでしょうか。そして今後の展開についてどうのような展望をお持ちでしょうか、伺うものです。

 

 

子育て王国とっとりについて

 

 先般、鳥取労働局雇用均等室に伺いました。ご案内のとおり、ここでは、労働者と事業主との間で、男女均等取扱い、育児・介護休業、パートタイム労働者の雇用管理等について、民事上のトラブルが生じた場合、解決に向けた援助を行っています。

 昨年度の相談件数は851件で、うち569件が昨年6月の改正育児・介護休業法前面施工に伴う規定整備の相談で、会社側からのものだったそうです。労働者からの相談は100件で、このうち「妊娠・出産・育児休業に係る不利益取扱い」に関する相談が26件で増加傾向にあり、紛争解決援助の受理件数8件のうち、最多の3件を占めたということでありました。

 相談の内容としては、妊娠したことと、継続就労したいことを伝えたが、退職勧奨を受け退職した。とか、妊娠を理由に、正社員からパートに変わるように言われた等であります。

 紛争解決援助の事例としては、申立者が妊娠したことを会社に伝えたところ、休業するように、また退職するように言われたが、出産前までは、継続就労できるよう求めた。会社は、立ち仕事であり、流産等の体調面に責任が負えないと思い、休業させ、退職させることとしたということで、労働局が、それは均等法違反に当たることを説明して、申立者の意向である継続就労させるよう助言した。結果として、会社は、継続就労に応じたが、援助の過程で、申立者の意向が金銭の支払いによる解決に変わった為、申立者は解決金の支払いを受け、退職することで紛争は解決した、ということでありました。

 私たちは、今、本県の少子高齢化の波を何とか食い止めようと、子育て王国とっとり条例を制定し、最も子育てしやすい環境整備に向けて全国のトップランナーとして勇躍走り出そうとしております。

 しかるに、その県内において、子育てのまさに入口ともいうべき妊娠によるこのような不利益が厳然と存在しております。

 相談を受ける労働局雇用均等室は、県内で一ヶ所鳥取市にしか設置されておらず、かつ、敷居が高いようだと自ら言っておられましたので、実際には、不利益な扱いを受けている女性の数は相当数あると推測されるのであります。

 現に、連合の調査によれば、全国の働く女性の四人に一人は、妊娠中にマタニティハラスメントの被害を受けており、実に第一子の妊娠を機に仕事を辞める女性が六割に及んでおりますが、知事はこのような実情についてどのように受け止められますでしょうか、お尋ねをするものです。

 一方で、少子高齢化が生産年齢人口の減少化を伴うなかで、女性の労働市場への参入は今や社会の切実な要請となっており、国もこのことに取り組みつつあります。

 特に、男性の所得が低い本県では、結婚して専業主婦としてやっていける層は限られております。本県の25才〜44才の育児をしながら働く母親の就業率は71.8%と非常に高く、島根県、山形県、福井県に次いで全国第四位だということであります。本県の女性が、様々の制約や不利益に負けないで頑張っている結果としてのこの数字であることを重く受け止めたいと思いますが、知事はどのように感じられたでしょうか。

 そして、これらの女性が働きながら安心して妊娠、出産が出来、願うならば元の職場で周囲に見守られながら育児にも励めるような鳥取県をつくることが、子育て王国とっとり条例の目指すところではないでしょうか。

 子育て策の入口としての妊娠、出産までの支援も重要な行政の課題ではないでしょうか。

 知事の所見を求めるものであります。

 

 

        平井知事(答弁)

 

 安田議員の一般質問にお答え申し上げます。

まず、食品開発研究所につきましてお尋ねがございました。機能の拡充が必要ではないか、どういうように認識をしているかというお話でございます。議員の方からもご紹介がございましたが、今議会には食品開発研究所、産業技術センターのこの研究所の中に商品開発支援棟を新築するなど、3億円余予算を計上させて頂いておりまして、ぜひ議員各位のご賛同を賜りたいと存じます。

最近、だいぶ食品関係が元気になってきました。

その背景には、やはり自社商品の開発、それも単なる食品だけではなくて、健康関係ですとか、それから衛生管理等の技術でありますとか、そうしたサポートがあって、新しく展開するところもでてきているというふうに思います。

 最近も源吉兆庵さんが県西部へ工場を建てることになりまして、今、その姿を表しつつありますが、東部の方にも併せて進出するということになりました。その背景としては、例えば西条柿のピューレですとかそういう素材となるようなものをですね、こういう食品開発研究所がある程度応援しながらこれまでも色々と素材作りをしてきたことが背景にあろうかと思います。

また、水産の基地でありますので冷凍・冷蔵技術、これも重要でありますが、門永水産さんがですね、これも事業拡張されると。その背景には、そういう技術の後押しがあったわけであります。澤井珈琲さんが、これも境港が拠点でありますけれども、インターネットショップで1の売上というふうに言われておりますが、トリゴネコーヒーという成分を抽出しまして、これが新商品として魅力があるものになったというようなこともございました。

 その他にも様々な展開が出てきています。

最近、オークさんが境港で工場を開かれましたけれども、これも非常に高度な衛生管理をされておられます。

 こういうものが国際標準に向かっていくわけでありますが、そのサポートも食品開発研究所が行ってきているというのが実情であります。

 先般、フードバレーという議論がこの議場でも飛び出しましたけれども、そういう食品加工、或いは「食のみやこ」、この辺を結びつけながら地域開発のポリシー、コンセプトをですね、鳥取県としても向かっていくべきではないかなというふうに思います。

食の関心はいろんな形で高まっています。

昨日も食品表示につきまして興治議員の質問がございましたけれども、ああいう観点で言ってもですね、栄養成分を表記しないといけないんじゃないかと。それは中小企業にとっては結構、重荷になりますので、食品会社が小さいところが多いですから。それを計量だとか、検定だとかをするお手伝いをする機能も必要であります。

正直申し上げまして、このようなことで今回整備をお願いしましたけれども、発展しなければならない研究所であろうかと思います。将来の方向性としては、これからもですね、今回は今、新築等もお願いしておりますので、ぜひ、ご精査いただきたいと思いますが、今後もそういう食品加工をめぐります課題、現場の皆様のニーズ、これを捉えて鳥取県の産業付加価値を高められる研究開発ができる体制を充実していきたいと思います。

最近、人材面でも確保しつつあります。例えば醸造がわかる人とかですね。

それから、理化学研究所の方から来ていただいた人とかですね、最近相次いで食品開発研究所のほうに配置もしてきております。

機能アップを今後とも図りながら、鳥取県のフードバレー等の創造に向かって参ればと思っております。  

 次に子育て王国とっとりに関しまして何点かお尋ねがございました。

まず、妊娠を機に仕事を辞める女性が多い等ですね、妊娠・出産ということに対してどういうふうに受け止めているのかということ。それから、子育ての入口としての妊娠・出産までの支援も重要な行政課題ではないだろうか。それをどういうふうにこれから考えていくのかというお話がございました。

 議員もご指摘されましたけれども、鳥取の女性は、全国的にみて働きものの皆さんでありまして、就業率も5割を超えておりますし、先程おっしゃった子育て世代の7割というのは、ある意味驚異的なわけですね。それは、議員もおっしゃるように、それだけ頑張って家庭の為、仕事の為、地域の為に頑張っている、そういう女性の姿が浮かび上がってくるわけでございます。

応援しなきゃいけないということだろうと思います。おそらく3世代同居であるとか、 それから、保育所の待機児童が4月にはいないという近年の状況とかですね、こういうことで働きやすい環境もあるというのも一因ではありましょうけども、それを頑張ってこなしている人たちに対して、まだまだ地域としてのサポートが重要ではないかなというふうに思います。   

その中でマタニティハラスメントというのは、由々しき事態だろうというふうに思います。

雇用機会均等法が制定されまして、その原則が明記をされました。妊娠だとか出産で事業者から不利益な取扱いをしてはならないと、これは法律で明確に禁止をされているわけであります。

結婚等々、併せてですね、こうしたライフステージに応じた対応について、それを企業側が不利益に扱うこと、それは厳しく律せられていることであります。

ただ、現実問題は、事実上それに近いことが行われているんではないかということが、今のご指摘だろうと思います。

確かにこの点は一義的には、今おっしゃる国の労働関係部局が取り締まりする権限もありまして、強制権限もありますから、そちらの方が一義的に当たられるんでしょうけども、鳥取県でも「みなくる」でありますとか、そうしたサポートしている相談体制のなかでも、今もこうしたご相談等、応じているところであります。

ただ、問題が今、顕在化してきているというのが議員のご認識ではないかと思います。

我々もこれは国の労働関係当局とも話をしなければなりませんけど、例えば啓発事業、PRとかですね、それから相談窓口の体制だとか、企業の理解を得る努力、こうしたことを新年度に向けて、予算化も含めて検討させていただきたいなと思います。

例えば、今、鳥取県では男女共同参画推進企業というのを増やしてきました。

現在では483の事業所までやってきております。こうしたところが率先して、男女共同参画の重要性というのを認識していただいて、こうした問題、課題に取り組んでいただける。そういうことをもっともっと慫慂していくのも一つの手ではないかと思います。

また、働きやすい職場作りのセミナーを実施してきましたけども、こういうことも東・中・西で今年度はやりましたが、こういうことも発展させていく必要があるかなと思います。

また、何より強制力のある国・当局とのですね、連携を図っていかなければならないと思います。

新年度に向けまして、そういう意味でダイバーシティ研修とでも言うべきですね、企業の経営陣に対するセミナーなどもやってもいいのかなと。

今、最近安倍総理も問題にされているのですけど、やはり、M字カーブというのがあるわけですね。今おっしゃるマタニティハラスメントないし結婚退職或いは、出産退職と言われるものがM字カーブで、女性の労働人口の低下を招いているわけでありましてこれは、社会損失でもあるわけですね。

ここのところで生産年齢にふさわしい仕事があれば、それは、GDPを膨らますことにもなるわけであります。日本の場合、人口減少に伴う経済活力の停滞ということが言われていますので、そういう意味ではそちらのところは、取り戻さなければならない。 

 その意味で働き続けられる。幸い鳥取県の場合はさっき7割というお話がありましたけども、子育てをしながら働いておられる方々もいらっしゃる実情ではありますけども、その環境を更に整えることで社会的ロスも補うこともできるはずであります。

 ですから、安倍総理もこのたびの12月6日に打ち出されました、経済対策、雇用対策の補正予算案のなかでもですね、こういう女性の就労、女性の社会参画、この辺を労働行政の一つの目玉として打ち出しておられます。

 多分、何がしか今回の補正の詳細だとか、当初予算の中でも国が取り組むと思うのですが、それも上手に我々も引き出しながらですね、そういうダイバーシティ研修を例えば企業のトップにやってみるとか、従来とはまた違ったですね、PR、社会運動のモチベーションを上げる取り組みをさせていただければと思います。

 また、これは女性だけを見ていても多分いけないと思います。それは、子育て世代というのは、男性の方もいまして、パートナーの中から子どもが生まれますから、その男性の方が、家庭の方のサポートにもっと回れるようになれば、それだけ女性が働き続けることになってきます。この環境作りということもありまして、先般、事業たな卸しで今、再検討いただいておりますが、男性の育児休業の助成のあり方、支援のあり方ですね、こうしたことも改めてもっと使いやすいように組み直してみる。また、いわゆるイクメンの要請といいますか、その慫慂促進ということもですね、計ってその辺もセットにして女性側の雇用の対策だけでなくて家庭なり社会での環境作り、これをセットにしてまた、新年度の事業のなかで検討させていただきたいと思います。

 

 

〇 安田議員 (追求質問)

 

ありがとうございました。最初に食品開発研究所のことでお尋ねをさせていただきたいと思います。今、知事が答弁していただきました同じ見解を私も持っておりまして、この研究所は本県にとって、また境港にたまたまございますもので境港の地域ににとっても大きな存在で、ぜひ続けてこの地に居っていただきたいと言うことを皆言うわけですが、どうも聞いてみますと、県内のよその地域からもうちの方へ来てくれという要望もでているように聞いております。

ただ、私が心配しますのは、ここは此度、整備した関係で敷地がもう手一杯になっちゃったんですね。今後拡充をするといってもこの研究所はですね、囲まれておりまして、北側もテニスコートになっておりますし、東側も市民体育館ですし、西側は道路と川があって3方囲まれていて、前面の南側は道路があって延びようが無いわけです。今後ここが益々発展をして拡充しないといけないとなっても延びるところがない。

そこでですね、道路の向かい側に元の境水産高校がありまして、ここを今、どうも教育委員会は現在もグランドを整備して売却の方向性へ向かって進んでいるようでございます。

来年は、北側部分、道路に近い部分も西の方、ちょうど研究所の向かい側なんですが、そこも整備をして地上物件を全部とって、財源確保推進室の方へ移管するというふうに聞いております。

私は将来のことを考えると、この売買とか言うことは、ぜひ留まっていただいて、この研究所の為に確保しておいていただきたいと思うわけでございます。

今も現に建設中の資材などの置き場として使わざるを得ないというのが現状でございますので、知事、そのことについてはどのようにお考えでございましょうか。

お考えをお聞かせください。         

 

 

        平井知事(答弁)

 

食品開発研究所につきまして、重ねてお尋ねがございました。

その南側の敷地のところに旧の境水産高校がございました。平成16年いっぱいで閉校しまして、統合して今の総合技術高校に移行したところでございます。あそこの敷地なり、建物をどうするかというのは爾来ずっと議論が続いていまして、いろんな活用がなされてきております。例えば、障害者の作業所であるとかですね。或いは、グラウンドがありますので、そういうグラウンドの活用だとか色々となされてきてはいますけども、最近いろんなご指摘がございましてですね、今おっしゃるように撤去等の事業が始まりました。これは、安田議員がご就任になる前ですけども、監査委員の方からですね、ご指摘がございまして、学校の建物は撤去していくべきではないかと。それで、財源確保の方に引き継ぐというような監査上の指摘がございました。

使っていない財産でありますから、それはむべなるかなということで、私どもも今、年度を追いまして順次、慫慂の予算を計上させていただきまして、撤去すべきところは撤去するということにさせていただきました。

ただ、そこをどうするかでありますけれど、今後、更地で置いとくだろうと思いますが議員のおっしゃるような食品開発研究所とちょうど表裏の関係にございましてですね、そちらの来場者の利便だとか、将来的にはインキュべーターのように、関連の企業誘致というか、そういうこともあるかもしれませんし、また、もっと機能アップするためにですね、食品開発研究所を将来展開していくということもあるかもしれません。ですから、軽々に転売するのもいかがかなというふうに思います。

おそらく議員は、そこをご懸念ではないかと思いますが、ご主旨はよくわかりますので、その取扱いについて検討させていただきまして、少なくとも壊した側から売却ということではなくて、ちょっとじっくりと考えさせていただきたいと思います。

 

 

〇 安田議員 (追求質問)

 

さっき言い忘れましたが、今の研究所の敷地もですね、完全に県のものではなくて半分は市のものも入っておりますので、そのことも含めて将来に備えていただかないと、売ってしまってから後になって、ああということになっては、どうしようもないんじゃないかと思いますので重ねてお願いをさせていただきたいと思います。

それでは、子育て王国の方に話を進めさせていただきたいと思います。

今、知事から色々対応策の話をしていただきまして、本当にいろんな対応を考えていただいていることに対しまして敬意を表したいと思いますが、私はですね、今度の2月議会で子育て条例が議案としてでてくるわけでございますね。今議会がこの条例に対する私どもが意見が物申せる最後の機会だと思いまして取り上げさせていただきました。

大変良い条例で、この間も労働局に行ったときに、こういう条例を今、鳥取県は作ろうとしてるんですよということをお話をさせていただきましたら、労働局の方でも、そういう条例ができて世論を喚起したり、いろんな策を打っていただくことによって労働環境が整っていけば、それは大変いいことですねということで、お互いに喜んだような次第でございます。

ただですね知事、やっぱり子育て条例は、私は、究極の少子化対策に対する鳥取県の一つの対応策だと思っております。

子どもが実際に多く産まれてくれることが望まいしいわけでございます。その子育てを良い具合に環境整備をしてあげますよって言っても、前段として子どもが産まれてきてくれなければ困るわけでございますから、その産まれるまでの間は、やっぱり女性が身一つで支えなければならないという、この現実を皆さんに理解していただきたい。

男性の方は、妻が妊娠しましたといって首を切られる方はないと思います。それから、じゃあ、正社員からパートに移ってくださいと言われることもないと思います。

女性だけがそういう差別を受けなければならないという、そういう重たい関門をクリアしなければ、子どもがこの世にでてきてくれないという、そこのところを知事にはしっかりと踏まえていただきたいなというのが私の願いでございますが、そうであるが故に、私は子育て条例とっとりもそこの妊娠・出産というものを子育て対策と同義に意を払っていただきたいなという一心でございます。

いかがでございましょうか。  

 

        平井知事(答弁)

 

議員のご主旨、よくわかります。現在、多分、常任委員会等などの機会でですね、議会にも原案につきましてご相談を申し上げていると思います。また、広く世の中にも意見を求めているところでございまして、これを総括して2月の県議会に提出申し上げたいと存じます。議員の方からご指摘がございました。あれは、多分、子育てという言葉がいっぱいありますけれども、妊娠とか出産について言及がないと。子育てというと子どもが産まれた後の話でありますから、その前の段階からの対応が必要ではないかというご認識ではないかと思います。

そういう目線でもう一度ですね、我々も条例の原案を見直させていただければと思います。また併せて、議員の方から先程ご指摘ございましたマタニティハラスメント。実は、事業主の役割という条文も今、鳥取県の方で用意をしかけているんですが、県民もこういうことをしてください、事業所はこういうことをしてください、我々行政はこういうことをしますという、そういう役割分担をする中で事業主のみなさんにですね、マタニティハラスメントのようなことについては、これはしてはいけませんよというようなことをですね、わかっていただく、認識していただく、その旨として行動していただくというような何だかの条文上の表現も可能かと思います。

場合によっては雇用機会均等法をひきながら、そうした理念の実現に努めるものとするというくらい書けるかも知れません。

ご主旨はよくわかりますので、パートナーが安心して子どもを産むことができて、その後、子育てに向かうことが出来る一連の過程が時を追って読み込めるように子育て王国とっとり条例の案を考えてみたいと思います。

 

 

〇 安田議員 (追求質問)

 

事業主の役割のところで、私が懸念しますのは、先程、山嵜県警本部長から女性警察官の妊娠・出産・子育てに関わる対応についてお話しがございまして、大変深くご理解を頂き、ご対応いただいていることに感謝したいと思いますが、公務員とか大きな企業は、先ほど知事がお話されたような対応で充分かと思うんですが、やはり県内には、小さな企業、そして労働組合も作られていないような未組織のところに雇われている方が大変多ございますので、そこのところへの対応もどうするのかということを一点考えていただきたいし、そういうところも含めて子育て条例を作ることによって、鳥取県内をそういう子育てしやすい、妊娠してもちゃんと働けるような、そういう土壌を作り上げていくということもまた、意味があることかなとも私も思ったりしております。

そこでですね、一点、私は提案をさせていただきたいと思うんですが、この子育て王国とっとり条例の前文でございます。そこにですね、「子どもは私たちの郷土の希望であり、未来を作るかけがえのない宝である。私たちは私たちの郷土を誰もが安心して子どもを産み、育てる喜びを実感し」となっております。

「誰もが安心して子どもを産む」ことはできません。これは、女性にしかできないことでございます。異論はないと思います。だから、「女性が安心して子どもを産み」と、ここを直していただきたい。これが今日の私の質問の主旨でございます。大変苦労して子どもを産んで育てていく女性に対する敬意とねぎらいを込めて訂正をしていただきたいとお願いをしたいと思いますがいかがでしょうか。

 

 

        平井知事(答弁)

 

安田議員がおっしゃるのも道理だと思いますので、そういう方向で修正をさせていただいて原案とさせていただきたいと思います。

ただ、子どもを作るときも不妊治療の問題等もございまして、やはりパートナーそれぞれに役割を果たしたいというところもあろうかと思います。

ちょっと配慮しながらですね、全体の規定を作らせていただきたいと思います。

 

 

〇 安田議員 (追求質問)

 

大変ありがとうございます。

それともう一点、私、子育てママの就業率が71.8%という大変高いということを先ほど申し上げたのですが、もう一点申し上げておかねばならないというのが、やはり、先般発表された、鳥取県の中絶に関してですね、また4年連続で全国第1位になってしましました。

統計がでております平成11年から平成24年までの間、14年間で実に、件数併せますと2万6千人に近い子どもを失っているわけです。

1年に平均しますと1,848人にも上るんですね。鳥取県で毎年自然に亡くなっていく人の数が7千人です。産まれてくる子どもの数が5千人であります。

そうするとその差の2千人とこの数字がほぼ拮抗しているとこういう憂うべき事態であります。

そうしてですね、更に平成24年の全国でも1番なんですが、その中でも特に、年代的に25歳〜29歳の世代が全国千人に対して11.8に対して本県は18.1、30歳〜34歳が9.9から16.1なんですね、鳥取県は倍に近い。この25歳〜34歳という世代は既に結婚している世代だと推測されるわけです。

やはり、この世代の方々が、女性の方が働いていて、そして働き続けることに対して、妊娠したというときに、労働局に駆け込みもしないで自分の天秤にかけて、やはり中絶という道を選ぶ方も何人かこの中にいらっしゃるんではなかろうかなと私は推測するんです。

だから、今の女性が妊娠をする、出産をする、子育てをするという苦労を少しでも報いてあげられるような、認めてあげられるような、助けてあげられるような子育て条例を作って頂きたいなというふうに心から念ずるものですが、知事、いかがでございましょうか、この件。

 

 

        平井知事(答弁)

 

安田議員の重ねてのご質問をいただきました。

どういうような、今、数値的にですね、中絶の人数が上がってきているのか、その分析ですとか、例えば未来のパパママはぐくみ事業だとかですね、助産師さんと一緒になって事業展開しているようなこともございますが、これからどういうふうに強化していくのか等、そういう具体の部分につきましては、子育て王国の局長の方から申し上げたいと思いますが、まあ、概括論で申し上げれば、今の条例との関係でもですね、そうした観点を色々と考えながら運用していく必要があるだろうと思います。

 それは、議員がおっしゃるように社会生活の中でいろんな悩みがあるわけです。

 それが鳥取県の潜在的な命の誕生を妨げているかもしれない。これは、我々としても社会的に見ても、ご家族の心情にしてみても残念なこと、ロスがあると言わざるを得ないと思います。

 ですから、安心して子どもを産み、そして育てることができる、そういう社会環境を作らなければいけません。そういう意味で子育て王国とっとり条例のなかにも子育て王国とっとり会議というのを作る。そこで具体的な子育て支援策、これは勿論、妊娠・出産も含めてという意味ではありますが、そういうものを含めて支援していくことを考えたいと思っておりますが、そこでよく当事者の皆様の、これ、時間がかかるかもしれませんが、どの辺をどういうふうに社会的に直していけば変わってくるのか、それをしっかりと取り組んでいければと考えております。短期的には新年度予算の中でも、先ほど申し上げた助産師さんとの共同事業であるとか、色々これまでも評判の良かった施策もございますので、それを強化したり、あと特に今の辺でいいますと勤労世代でございますから、事業主の皆様等々に対するPR活動ですとか、もっともっと優しさ、いたわりをもってご夫婦を見てもらいたいということを、我々としても呼びかけさせて頂ければ

と思います。

 

 

        岡ア子育て王国推進局長(補足答弁)

  

 補足答弁を申し上げます。

 鳥取県における妊娠・中絶率の話とそれに係ります職場環境の整備の話です。まず、議員御指摘のとおり、平成24年度の妊娠・中絶率が去る10月に発表になりました。

この率としましては、鳥取県では10.8%。平成20年でみますと13.2%ですから約3ポイント近く減っております。これは全国的な傾向ではありますが、鳥取県も例外ではなくて減ってはきていますが、この率がまあまあ高いという状況です。色々分析していますが、なかなか、ちょっと難しい分析でして、確定的といいますか、これだというものが見つかっておりません。そういうこともありましたので、去年、一昨年あたりからですね、いつかパパママ事業、高校生、中学生を対象とする或いは大学生を対象とする形で、その適齢期の妊娠・出産に関する知識の普及或いは、性教育の普及といいますか、そういうことをやってきております。そのおかげで、やはり今の20歳代の中絶率は極端に低くなってきております。まだまだ高いのが30歳代、40歳代となっておりますが、これはひょっとしたら先ほどの職場環境の話、就労の話があるかもしれません。そこでこの子育て王国とっとり条例のアンケート調査をしてみますと、この前、アンケート調査が上がってきたんですが、鳥取県の子育て環境のもっと改善してほしいというところがありました。

 これは1番は、車がないと移動できないということがあるんですが、2番目は地元への就業関係が上がってきてます。そして少子化対策として今後充実させてほしい子育て支援というのは、若者の就労支援とか、後、仕事と家庭生活の調和のとれた働き方の実現というようなこともでていますので、やはり、ここは議員御指摘のとおり、女性の職場環境の改善が急務であろうというふうに思ってます。そういう主旨で今回の条例の今、原案を作成いたしておりますが、また見直してもっともっと条文を練り直していきたいというふうに思っています。

 そしてその女性の働く環境の整備ですが、今回も来年度の予算に向けて検討はしております。先ほど知事からもお話がありましたが、ダイバーシティ研修とか申しますけども女性の雇用継続や活躍促進の取り組み、企業のメリットなどをそれを幅広く理解していただく研修会とか、後、男性に対する働きかけ、女性に対する働きかけ、この3つの分野で何とか知恵を絞っていきたいと考えています。今後とも検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

 











 








 



 

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