今日は、4月の選挙後、初めての質問であります。

 

先ずは、圧倒的勝利で3選を果たされました平井知事には心からの御祝を申し上げ

ますとともに、今後ともこの議場で熱い議論を闘わせていただきたいと思います。

 

 また、それぞれの選挙区から大きな期待を寄せられ本県議会に臨まれました同僚議員の皆さんにもお喜びを申し上げますとともに、ご一緒に日本一クリーンで活発な鳥取県議会の伝統を守り引継いで参りたいと存じます。

 

 さて、この度の選挙にあたり、私は選挙区内の路地から路地を一軒づつ歩かせていただきました。

そのなかから見えてきた地域の実態や課題、いただいた要望のなかから、今日は3点にわたり、質問したいと思います。

宜しくお願いを致します。

 

1. 高齢者への投票支援について

 

最初に、高齢者への投票支援についてであります。

今回の選挙で、私が最も深刻に受け止めたのは、まぎれもない高齢化社会の到来ということでありました。

多くの高齢者が夫婦だけで、あるいは単身で暮らしておられます。

入院するほどでないにしても、足腰が悪く、玄関まで出て来られるのも難儀な方やベッドに寝たきりの方が多くいらっしゃいました。

現在の選挙制度では、郵便等による不在者投票の対象者は、身体障害者手帳か戦傷病者手帳を持っていて、該当する障害のある人、または、介護保険の要介護五の人と特定されておりますが、私が直接出会い、お話をした方のなかには、こうした不在者投票の対象者以外でも投票には行けないと言われる方がずい分いらっしゃいました。

この度の知事選の年齢別投票率を見ても、80歳を超えた方の投票率は49.95%と全体の投票率より7%程低くなっております。

若年有権者に比べて、人生経験も豊富で、社会的見識をお持ちの方でも、体が不自由であるために棄権せざるをえない方が多いのであります。

この度の公職選挙法改正で選挙権年齢を18歳以上に引き下げられましたが、現行法上は選挙権を有しながらも、実際には行使することが出来ない、こうした高齢者の方々に対する投票への支援の手立てはないものでしょうか。

国は、在宅でも投票可能な制度を考えるべきではないかと思いますが、選挙管理委員長の御所見をお尋ねします。

 

 

2.保育士の待遇について

 

この間、いただいた多くの要望のなかから、特に私が取り上げたいのが、保育士の待遇改善ということであります。

午前中の質問とも重なりますが、引き続き、続けさせていただきたいと思います。

保育士の仕事は、親に変わり、小学校入学までの幼い子どもを預かり育てるという大変崇高でかつ大変な任務を負っています。

かつて、この議場でお話したことがありますが、私自身、二人の子どもを0歳から保育所に預けた経験もあり、その有難さは今も忘れることが出来ません。

親は、一人の子どもの面倒を看るのも大仕事なのに、保育士は一人で多くの子どもを看なければなりません。

国の配置基準では、0歳児が3人、1,2歳児が6人、3歳児が15人、4歳児が30人となっており、そのご苦労は察するに余りあるものがあります。

また、保育の長時間化という問題も深刻で、この度の制度改正では、朝の7時半から11時間が保育標準時間になりました。

保育士の労働時間をはるかに超える保育時間に対応するため、職員の勤務体制は複雑となり、日々の変則勤務を余儀なくされております。

さらに深刻なのが、非正規職員の多さとその給与の低さであります。

一昨年の調査でありますが、県内保育所189施設、3,527人の職員のうち、正規職員は1,702人、48.3%にすぎません。

半数以上の職員が、非正規職員であり、その給与は、月額148,500円という低さです。正規職員の給与、259,000円と比較し、その差はあまりに大きいと言わざるを得ません。

結果として慢性的人手不足の状態で、昨年12月時点における本県保育士の有効求人倍率の状況をみても、有効求職者数79人に対し、有効求人数は193人で有効求人倍率は2.44もあるのに就職に至ったのは、僅か8件でありました。

しかし、折角来てもらっても、これでは生活出来ないと言ってすぐに辞めていく人が多いということであります。

少子高齢化の進行、生産年齢人口の減少により、女性の社会進出は今や社会の要請であり、それを担保する子どもを安心して看てもらうことが出来る保育施設の整備、充実は、まさに喫緊の課題であります。

幸い、本県においては、年度当初の待機児童は発生しておらず、受入れ施設の整備という面では評価できますし、国に先がけて保育士の配置基準も見直す努力をされていることは、大いに評価しますが、保育士の待遇改善に向けても早急に取り組むべきだと考えます。

知事のお考えを伺います。

 

3.鳥取型ライフスタイルの提唱

 

今後ますます進行する高齢化社会への対応と少子化がもたらす人口減少社会への取組みは、今や国を挙げての重要問題であり、本県にとっても地方創生の最大の鍵でもあろうと思うのでありますが、いずれも人の生き死にに関わる問題であり、抜本的な解決策というのは無いのかもしれません。

しかしながら、この鳥取県で生まれ、生きる人々の暮らしが、豊かで充実したものであり、安心して老いを迎えられる、そのような生活が保障されるのであれば、人口減少社会の到来も恐れるものではありません。

どのような時代状況が訪れようと、恵まれた大地にしっかりと立ち、支え合い、ともに前に向かう鳥取の力の原点として、私は親、子、孫以上の多世代が同居するライフスタイルを提唱するものです。

このような家庭にあっては、子どもの存在は、高齢者の生きがいとなり、喜びとなります。

若い夫婦だけでは苦労の多い子育てについても多くの支援が受けられ、出生率の向上にも繋がることでしょう。

保育の長時間化や病児保育、学童保育といった子どもの負担も軽減され、余裕の

ある安定した生活がもたらす情緒面や学力面への好影響は既に多くの事例で実証されているとおりであります。

 子どもが生まれ、育っていくということは、一方で高齢者が老いていく過程でもありますが、家族との同居により高齢化に伴う不便さや不安感が軽減されるという大きな利点があります。

 先に質問した高齢者への投票支援の問題点等、公にしてもらわずとも簡単に家族間で片づく問題であり、同様の公的支援はずいぶん軽くなります。

 平井知事は、このたびの選挙にあたって、「鳥取元気プロジェクト」を唱えられ、県民とともに、ふるさとの元気を創ると訴えられました。大都会にはない「顔の見えるネットワーク」の絆を力に、「鳥取県が地方創生の旗手となります」として、鳥取力と、支え愛をその元気の源に位置づけておられます。

 人は一人では生きていけません。顔の見える「ネットワーク」の最小の単位として、地域、社会が語られる前にまずは家族のあり様が問われる時代となったのではないでしょうか。

 家族のあり様は、大きな時代の変遷とともに、変化してきましたが、現代にあっては、核家族を基本として成り立っております。

しかしながら、その結果としての、老々所帯、独居化が招く諸々の弊害が発生し、大きな社会問題となっていることも確かな事実であり、行政が本来的任務から大きく踏み込まねば解決できないような事態まで招いている現状にあります。

今までは、行政が問われない範疇にあった国民の私有財産権にまで踏み込むこともやむを得ずとした「空き家対策特別措置法」の制定等は、ことの深刻さを物語っていると言えないでしょうか。

先般は、「子育て王国とっとり」において、起きてはならない事件が発生しました。わずか四ヶ月の幼い子どもを実の親が虐待、死に至らしめるという痛ましい事件でありました。まさに、「子育て王国とっとり」の根源的意味が問われなければなりませんし、核家族のもつ危うさについても言及せざるを得ません。

子どもが安心して子どもでいられ、高齢者が高齢者として心健やかに存在できる鳥取県の家族のあり方について、平井知事のご所見を伺います。

仕事の都合で、親と同居できない等の場合もありますが、一般的に見て、結婚を機に実家を出てアパート暮らし、やがて子供が出来て手狭になったら、実家とは別にマイホームを持つといったケースが多く見受けられます。

こうした別居スタイルを同居スタイルに転換すべく、同居型住宅建築あるいは、増築に対する財政支援や、多世代同居世帯に対する優遇措置等を通して、多世代同居の鳥取型ライフスタイルを誘導してみたらいかがでしょうか。

平井知事のご見解を伺います。

 

 

○平井知事(答弁)                        

 

 安田議員の一般質問にお答えを申し上げます。

安田議員におかれましては、この度も立派な成績で境港の選挙区から議席を得られました。心からお喜びを申し上げたいと思います。

 議員もおっしゃいましたように、クリーンで活発な議論の出来る鳥取県議会の伝統、これこそが県民共有の財産であろうと思います。

 私たちメンバーは入れ替わりましたけれども、お互いに協力し合いながら、この議場から県民の生活の幸せと安定を生み出して参りたいと思います。

 議員のほうから、今の幸せというかライフスタイルにつきまして、何点かお尋ねがございました。

 私のほうには、第一点目として保育士の処遇のあり方につきましてお尋ねがございました。

 これについては、大変難しい課題ではありますけれども、鳥取県としても従来も取り組みはしてきた面がございます。

 問題の所在がどこにあるのかということかと思います。

 私たちは、子育て王国として保育所で待機児童がゼロである。それは、市町村のご努力の成果でございますけれども、それを支えをして、あいりました。

 それだけの体制、人員配置、保育所の設置ということが都会とは違って、出来ている面があります。

 また、あわせまして1歳児加配だとか、3歳児加配などを進めたり、病児対策などを進めたり、そうした意味で保育所の人員配置も他県にはない配慮をさせていただきました。

 また、保育所に通わせやすいように、経済的な負担を緩和しようと、昨年度は中山間地の保育料無償化事業を議会の皆様と協議の上、導入をし、さらに、このたびは、第3子以降の保育料の無償化に取り組もうとしています。

 そういう中で保育士さんの役割というのは、どんどん大きくなってきているわけでありますし、それが子育て王国の担い手と言ってもよいわけでございます。

 だだこの保育士につきましては、これは地方分権の流れのなかで制度改正がなされてまいりました。

 以前は、保育士の配置につきまして、これは国や県も負担を分かち合いながら、市町村がそれを雇うという形でございまして、これは勿論、市町村事業でありますから、市町村が主でございますけれども、それを国や県も一部負担をするような形でそれを支えてきた面がございました。                  

 しかし、三位一体改革等地方分権の大きなうねりのなかで、一つの地方一般財源化といわれる手法がありました。

 それは、国の負担金、補助金を交付税に振り替えていくということでございます。

 これによりまして交付税化がなされ、市町村が交付税でそのための財源を手に入れたわけでございますが、地方交付税でございますので、そのお金の使い方は最終的には市町村のご判断になります。

 また、他方で、世の中の風潮としてデフレが大いに経済に嵐を巻き起こしました。

 コストが安ければいいというような世の中の風潮を生み出したように思います。

 それが正規の雇用から非正規の雇用の方に総体としてシフトする格好がおきました。

 その辺が保育の現場にも起こりまして、民間の保育園でもそうでございますし、市町村立の保育園でもそうでございますし、前は正規の保育士さんが多かったわけでありますけども、非正規の保育士さんが増えてきたという状況でございました。  

 これは、正直申し上げまして県の責任ということではないんですけども、市町村が一義的な責任を持っておられる分野ということがあろうかと思いますし、それぞれの私立の保育園の経営者の方で、ご考慮いただかなければならないことでもあろうかと思います。

 現実としては、保育料というようなものはですね、これは公的な基準もあって、ある程度、保障されているわけでありますから、それとの関係でいえば、比較的そういう職員の配置について、待遇改善をやれてもおかしくない分野でありますけれども、なかなかそれが起きていなかったという面がございました。

 それで、鳥取県の方でひとつの試金石としてさせていただいたのが、1歳児加配ということがございますけども、それで加配する場合に、正規の保育士さんを配置する場合には25万円ほど、普通非正規よりも10万円ほど高めの単価でですね、措置をすると。

 ですから、雇い方によって県のほうのお金を変えますよという加配の支援策を出させていただきました。

 これによって、そうした雇い方は本来、雇う人の自由でありますけども、その雇った場合に、正規の方を雇ったとしてそれが損することになりませんよと。

 それを加配の制度として保障しようというふうに考えたところでございまして、これは平成24年度から導入を致しております。

 また、このたび平成27年度から新しい子ども子育て新制度に入っていくわけでございます。

 国の方もですね、大きな議論はありましたけども、消費税の財源は社会保障に充てるという国民との約束に基づきまして、処遇改善を保育士についてもなされました。

 3%の処遇改善というのが入りました。

 しかし、これは、消費税率のアップが先送りになったということもありまして、本来は5%の処遇改善というところが、3%の処遇改善で抑えられていると。それが今年後の現実でございます。

 これが現場の方で、ちゃんと3%の処遇改善となっても、それが生かされればいいわけでありまして、私どもとしては関係先にもこの制度改正の趣旨を呼びかけてまいりたいと思いますし、おそらく国全体がそのように動かれることだと思います。

 また、いずれ消費税の議論が本格化をして、10%に引き上げられるときには、処遇改善が更に図られるという今の約束事もございますので、こうしたことが今後の対応策になってこようかなと思っております。

 いずれにいたしましても、実態を子ども子育て新制度に基づいて調べておく必要があると思います。

 今年度中にですね、実態調査を保育所に対して、給与等の処遇のことも含めてさせて頂き、また議会にもご相談をさせていただきたいと思います。

 次に三世代同居についてお尋ねがございました。           

 家族のあり方として、いろんな問題の根源がこの辺にあるのではないだろうか、核家族化にあるのではないだろうかとおっしゃられまして、同居をする三世代促進策、そういう鳥取型のライフスタイルを誘導してはどうかという問題意識のご提示がございました。

 三世代以上の多世代同居でありますが、これはデータが今ないもので、ちょっと古くなりますが、平成22年のデータでいきますと11.7%ということになります。 

 低いように見えますが、これが全国平均の倍くらいでございます。

 ですから、そうした多世代同居は鳥取県の場合は、全国の倍ほどはあるだろうと思いますし、私どもも見ていて実感としては、そういう感じが致します。

 この核家族化と多世代同居でありますが、それぞれに一長一短あるんだと思います。

核家族化がこれまで進んできたのは、おそらく、その背景には豊かさの象徴が一つにはあったんだと思うんです。

やはり、居住環境を考えるときにですね、子供として独立したら自ら一国一城を構えたい、そういうのがひとつの世の中の風潮としてございまして、それも勿論、逆に家族も応援して、子供が家を建てるのを金銭的にも応援するというのが広く見られるわけでございます。

また、社会的に一極集中から進みまして、東京や大阪にどんどん出て行く。そうしたなかで別々の世帯を組む。これが全国どこでも見られるようになってきて核家族が進んできたというような状況もあったと思います。

それは、ある意味伸び伸びと、ある程度豊かな床面積であれですね、それから居住環境を楽しむことができるということがあるとは思います。

しかし、片方で議員がおっしゃったように社会問題を生む、その背景にもなったんではないかなと思います。

それはお互いに家族という小さな社会が持っていたサービスがあったと思うんです。

日本というのは、そういう場というものが基軸になって作られている社会だと思います。

日本の良さというのは、そういうひとつの場のなかでお互いに支えあうそれが社会の福利厚生として機能していたということかなと思っております。

抽象的なようでありますけども、例えば介護サービスをとってもそうであります。

家族の中で従来は補っていた。しかし、お独り暮らしのご家族が増えてくる、ご高齢者が増えてくるともうどうしようもないですから、サービスを受ける、施設に入るそういうことが行われる。

それを保障するような介護サービス、社会サービス、これをサービスの外部化と言うんですけど、従来家族なりが担っていたサービス、これが社会のほうに追い出されて、公共のサービスの方にくる外部化が行われる。それは子育ての面でもそうだと思います。                                

最近は保育所のニーズがすごく高まってきていると思います。

しかし、考えていただければ、大分前のことであればですね、保育所に行かなくてもおじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見ていればよかったということはざらにありました。

今でもそういうような面があろうかと思います。

そういう意味で子育てだとか、教育だとかですね、それからいろんな社会のルールの伝承、躾的なことも含めて家族だとか地域社会のなかで、完結していたものが外部化されて、それで保育サービスやなんなりをひと揃えつくらなければならないというのが現代であります。

それはそれで一つの社会の発達に伴う動きなんだろうと思いますが、同時にコストを生んだり、それから絆が切れてくることで、いわば愛情によって支えられる、作られている家族という小さな社会が果たしていた役割が失われてくる。

これが場合によっては、児童虐待等の悲しい事件に繋がっているんではないかという安田議員のおっしゃることもごもっともだと思います。        

今回の事件が起きてしまったわけですが、あれは、若い夫婦が子供さんを、新生児を得ていたということであります。

ご兄弟がサポートしていたということはあったようではありますけども、日常からおじいちゃん、おばあちゃんの目が入っていたわけではありません。

逆の例を言えばですね、私どもが児童相談所というのを抱えています。個別のケースにそうしたことの例は見えてくることもございます。

三世代同居をしているご家庭があって、そこでいわば躾と称して、それは専門家から見れば虐待と見られるようなことがあり、そこに児童相談所が介入することになりました。

その時にその祖父にあたる人がですね、おじいちゃんが、これは児相の言うことも最もだということで、子供らにですね、つまり親の方に対しまして、これは児相のお世話になるしかないじゃないかと、言うことを聞かないといけないということでアドバイスをする。

それで、児相が介入したことが上手くいって虐待が止まる、このようなケースもあるわけです。

ですから、単に相談相手も無く、また、親の世代の人たちがいわば自分の判断だけでやり放題ということになりますと、そこに介入していっても行政の方は跳ね飛ばされて  入ってくるなぐらいのことになりがちなんです。

その時に三世代同居ということで、更にその上の世代の方々の目線で良い方向に行くこともあります。

つまり、虐待が止まるということです。

このようなことの例を考えてみますと、三世代同居、多世代同居というものは社会的機能を果たしているものとして評価されてもいいのだと思います。

従いまして、今、それに対する対策も打たれているわけです。     

この度、国のほうの子育ての対策、少子化対策大綱というのが3月にまとめられましたが、そのときにもこういう多世代同居の評価が入っていました。

実は、鳥取県の子育て対策の中で、驚きを持って各県で評価をいただいているのはですね、これは斉木議長のご提案で始まったわけですけども多世代同居をするときの不動産取得税の減免措置であります。

土地や建物をまけてあげるということでございました。

この議場で出された議論を踏まえて鳥取県独自にそういう税制改正を行ったわけであります。

これは、他の地域の方々からしますと大変に称賛をいただける鳥取県独自の施策になっています。

このようなことをですね、これから色々考えていってもいいのではないのかなと思います。

鳥取県内でも例えば南部町で、今議員がおっしゃったような多世代住宅の支援に3分の1入れるとかですね、そういうのが始まってきておりまして徐々に広がっているように思います。

国のほうの少子化対策大綱も出ましたので、時代もそうした方向に動いていき、現場も変わってくるような、そういう感覚を持っております。

厄介なのは、安田議員も言外におっしゃったように聞こえましたけれども多世代同居を果たして行政がやれということで、どこまで言っていいのかという悩みがあるのもまた事実であります。

核家族化が進んできた背景にはそれを選択したいという社会全体の動きがあったのもまた事実でございまして、またその家族のあり方というのは、正にその家族の構成員である一人一人の個人の自由に属するものでありまして、家族観にもよるところでございます。

ですから、ひとつのそうした家族像といいますか価値観を決め付けてしまっていいのかというそういう躊躇はないわけではありません。

しかし、その税制改正を行ったようにですね、ただその家族観の選択に対して、私たちの制度が支障になっているのであれば、それはやはり合わせなければならないだろうと。

そういう多世代住宅を選択するのであれば、それはそれで別に損はしませんよというぐらいは最低限しなきゃいけないと思いますし、またあえてそれを選択する際に、例えば金銭的負担を含めて、何らかの支障があるのであれば、それに対するアプローチということもあってもいいと思います。

この辺は3月の少子化対策大綱からまた新たなステージに入ったと思います。

多くの方々のご意見をお伺いしながら、議会とも相談してこの課題に対して何らかのアプローチを今後とも強めて参りたいと思います。

 

 

  相見 愼 選挙管理委員会委員長(答弁)                       

安田議員のご質問にお答えを致します。

 改めて申し上げるまでもなく、選挙は民主主義の根幹でありまして、公正公明な選挙が行われてこそ健全な民主政治の発展の基本になります。

 その意味で投票環境の整備、充実を図ることは大切なことであります。

 安田議員のご質問も,今後更に高齢化社会が進むなかで、非常に重要な問題を指摘されたものと考えております。 

 在宅でも投票可能な制度といたしましては、議員ご指摘の通り、身体に重度の障害がある方も投票することができる制度として、郵便等による不在者投票がございます。

 ご質問のなかでも紹介がありましたが、重ねて制度の内容を簡単にご説明いたしますと、この郵便等による不在者投票ができる対象者は、公職選挙法に選挙人で身体に重度の障害がある者として、各法律に規定する身体障害者、戦傷病者や介護保険法に規定する要介護者となっております。

 それぞれの障害名と程度が公職選挙法施行令で規定されています。

 例えば身体障害者手帳をお持ちの方は、両下肢、移動機能に障害のある方はその程度が2級以上、免疫肝臓の障害がある方は、3級以上などと対象者が限定されております。

 戦傷病者手帳をお持ちの方も同様であります。

 また、介護保険法に規定する要介護者である方は、要介護状態の区分が要介護5の方と議員も指摘されており、指摘されております。

 この郵便等による不在者投票につきましては、かつての経緯がありますので、ちょっと簡単にご紹介しますと、戦後、幅広い郵便による在宅の投票制度があったわけですが、昭和26年の統一地方選挙において、この制度にまつわる大量な選挙違反が発生したために昭和27年に一旦廃止されたという経緯がございます。

 在宅投票制度の廃止後、選挙権の行使が困難となった在宅の重度身体障害者の方を中心に在宅投票制度の復活を求め、国会に請願や陳情が多く出されるなど議論され、昭和49年の公職選挙法の改正により、今のような対象者を限定し、厳正な手続きのもとに行われるという形で、改めて制度が創設されたものであります。

 また、平成15年には介護保険の被保険者証の要介護状態区分が要介護5の方が郵便投票の対象者に加えられる等の法令改正が行われ、今日に至っております。

 議員ご指摘の通り、現行制度の要件に該当しない選挙人でも、或いは寝たきりの方など、投票所や期日前投票に行くことが困難な選挙人もいらっしゃるのも現実でございます。

 先ほど申し上げたとおり、郵便等による不在者投票ができる選挙人は公職選挙法及び同法施行令に規定されており、郵便等投票の対象者を拡大するためには、法令の改正が必要でございます。

 従来から全国の都道府県選挙管理委員会で組織する都道府県選挙管理委員会連合会では、国に対して公職選挙法等の選挙制度について、時代に対応した改正の要望を行ってきておりまして、この件につきましても既に改正の要望を行っているところでござます。

 鳥取県選挙管理委員会としても関係法令の改正が行われるように引き続き要望して参りたいと考えております。以上でございます。

 

 

○安田議員 (追求質問)

 

 お二人の御答弁をいただきましてありがとうございました。

 今日、私が質問をいたしました3つのことは本当に選挙前にずっと歩いて見に沁みて高齢化社会ということを実感いたしました。             

 まず、選管の委員長さんへの追求というかお話をさせていただきたいと思うのでありますが、先般、新しい公職選挙法の改正によりまして、若い人たちが参政権を得たと、全国で240万人からの有権者が誕生したと。

 私は、これは1945年の婦人参政権ができたことから今、ちょうど70年経って新たな展開を見せた、こういう改正につきましては、大変感慨深く嬉しく受けとめるものでございますが、私が出会ったその高齢者の方々の実態を見ると今の改正は光の部分であるならば、今、選挙権を有しながらも投票所がどんどん遠くなり、バスはでていても停留所までも行けないような、そういう高齢者の方々が選挙権を行使できないという、こういうジレンマに対しまして、非常にもう、やむを得ない気持ちで今日は訴えをさせていただきました。

 拡大も結構ですが、陰になっているこういう高齢者の方、有権者の方が権利を執行できますように、どうぞ今後とも引き続き国に訴えていただきたいなと心からお願いをさせていただきたいと思います。宜しくお願いをいたします。

 それから、保育士の待遇でございます。

 歩いておりましたら、本当にあるお家で、ご自分が保育士さんの方が切羽詰った顔で訴えてこられました。

 それ以外にもですね、私が聞いておりますことで、非正規の保育士さんから聞いたお話しなんですが、保育所で働いていてボーナス時に他の保育士さんがボーナスをもらわれる時に寸志と書いた封筒をもらったそうなんです。

 2千円だったそうです。そしてその2千円のなかから諸々の手当てを引かれて手取りが800円であったと。これが非正規の実態でございます。

 県が非正規から正規へ4年間1万人プロジェクトで正規化をどんどん進めているこういうスタンス、或いは「子育て王国とっとり」で保育所の充実を図ろうとしていただいているこういう事実を大変嬉しく受け止めさせていただいておりますが、保育士の実態を見ますとですね、この非正規の問題が、本当に県がやっている事業が正規化に結びつくのかという点をちょっと具体的に事業を通してお聞きさせてください。

 一つは、午前中に錦織議員が言われた正規雇用転換促進助成金事業、商工がやっている分でございます。

私も錦織議員と同じように私立の保育所に対しては1人30万の正規化による助成金がでるということはわかりました。

 公立の方はどうなんだろうかなと疑問に思っておりましたところが、公立は市町村職員なので市町村が対応をすべきであるというお答えを局長さんがされました。

 そうしますとですね、これは市町村のお考えというのが非常に大きなウエイトを占めてくるように思います。

 本当に正規の問題、非正規の問題を重く受け止めていただいているのか、そうではないのか、ここが別れ道になってくるなというふうに思います。

 それでですね、もう一つ保育所に対する総合支援事業というのがございますね。

 1歳児に単県で、保育士一人に対してで4.5人の子どもをつけるということで加配の分に職員を加配をするという事業で、先程知事がおっしゃっていたように、県が2分の1加配分に対して助成しますよという事業ですね。

 さっき、知事は良い具合におっしゃたんですけども、私が懸念しますのは、この助成の単価をですね、正規職員259,000円、非正規職員148,500円で設定してあるんです。

 その2分の1を県が助成します。残り2分の1は市町村ですと、そうすると正規の職員を雇うとその分高く市町村は持ち出しをしなきゃならない。

 非正規を雇ったほうが持ち出しが、遥かに低い。

 私はせっかくの県のこうした加配制度、そして正規雇用を促進すると、うたっておられるんですが、この事業が安い単価で非正規固定化に流れるんじゃないかなということを心配します。

 知事にお尋ねしたいんですけども、保育の問題について市町村の首長さん方等ともお話しをされる機会が多いと思いますが、市町村のその辺についての認識というのはどんなものでしょうか、現実。

 それと、もう時間がないので続けさせていただきます。

 この正規、非正規の問題に加えてですね、保育士さんの給与の低さというのも私は指摘をしておきたいと思います。

 教員の初任給、県内ですね、203,000円に諸々の手当てが付くということです。

一歩下がって保育士さんになると、それから4万、5万初任給自体が低い。

 これはですね、やっぱり資格要件とかそれから学歴とか、それが前提になっていることは明らかでありますが、だけどもやはり、やってらっしゃる仕事、それから、たった1年で例えば、小学校1年生に入ると少人数学級で子どもの数はがくっと減るし、それから子どももその分大きくなる。そういう面で、本当にあまりにも差が大きいんではなかろうか。

この辺の問題についても今後、県と市で国に対しても訴えていただきたいなというふうに思うのですが、その二点お願い致します。                          

 

 











  平井知事 (答弁)                  

 

  

 私のほうに保育士の待遇につきましてのお尋ねがございました。

 まず、公立の問題がございましたけども、先程も申し上げましたけれども、前はですね、いわば給料相当分の単価的なものがあって、それを出さなければ半額を国や県が負担しませんよというような仕組みです。

 それがいわば足かせになってですね、その分下支えになりまして、そうした給料というものがでていたんだろうと推察は致しております。

 何が起こったかは、私どもは市町村でございませんので当事者である市町村が説明されるべき事柄だと思いますが、交付税化されましてその給料として給与費をいくら充てるかというのは、完全に市町村の裁量に入ったわけです。

 その結果として、最近ですね、非正規の割合が高くなっているのではないかということをよく自治労の皆さんとか、そういう方々もおっしゃっているところがございます。

 そういうようなことからいきますと、そこは市町村がやはり、人事権者としてどういう対応するのか、そこを責任を持って本来は判断していただかなければならないのだろうと思いますが、片方で行政改革を進めるという総額としての予算が抑えられているなかで、保育のサービスは維持しなければならない。

 そのぎりぎりのところで、市町村は市町村なりに頑張っておられるという事実もおそらくはあるだろうとは思います。

 ただ、ここにきてですね、色々とそうした世の中全体の動きも出てきておりますので、改めて市町村の方に趣旨を徹底したいということを先程申し上げたところでございます。

 また、259,000円と148,500円の単価の課題もございましたけれども、元々これは、市町村保育所というか、加配の問題でございますので、加配についてということでありますから、元々は保育所側、経営者側が全て負担すべきところに半分入れているというだけのことでございます。

 普通であれば、単価を決めましてですね、想定単価がこれだけなので、それの半分を入れるというところをわざと差をつけてみせたという、少し裏技の補助制度を作らせていただいたということでございます。

 それによって、ですから普通の補助制度であれば一律であるところをつまり、非正規か正規か、選択すれば非正規の方が安いなという話になるところがですね、それが我々としては、あえて差をつけたことにしまして、正規を雇ってもある程度こう我々はそんなに負担は増えないなというところでの制度設計をさせていただいたわけであります。

 市町村の制度でございますので、基本は2分の1というところが限界でありますから、そこは制度的な限界のぎりぎりのところでやっているということでご理解をいただければと思います。

 また、給料の問題がございました。

 もし、市町村立のということであれば、これは給料表がございまして、地方公務員法に基づき設定をされるわけであります。

 一般論として申し上げれば、その給料表というのは、議会との議論の中で制定をされるわけでありますが、その職務の責務であるとか、それから経験であるとか、そうしたものを加えて保育士の給料表というのを作る、それが県の方で作っている教職員の給料表がございますけども、これとそうした社会通念上の問題だとか他の同様の職種のことなどもかみ合わせますと現実にはある程度、差があるものになっていることだろうと思います。

  これ自体はですね、世の中のしくみとしてある程度やむを得ないところがあろうかと思います。

 そうしたことなどを踏まえた上で、先程ちょっと申し上げたわけでありますが、このたび政府与党で安田議員のような議論が強くあって国のほうの審議会でも処遇改善をすべきだという話があり、消費税引き上げのときにその給与水準であるとか、或いは市町村の方の保育士の問題もそうでありますけどもそうしたことも含めて、処遇改善をやるお金を消費税の増税分からだそうということになったわけです。

 それで3%政府与党でこの度、設定されたところであります。

 先程申し上げたのは、この3%が入っている趣旨をですね、保育の現場にも徹底させていただいて、そうした処遇改善が給料面だとか、正規、非正規の公立の問題も含めましてなされることをご期待を申し上げたい、そのための県としての働きかけをさせていただきたい、こういうふうに申し上げたところであります。    

 いずれにいたしましても、先程申しましたとおり、今年度新しい子ども子育て新制度も始まりましたので実態調査をさせていただき、どういうように3%の処遇改善というようになったけれども、結果が出たのかどうか、これをまた検証する必要があると考えております。

 

 

○安田議員(追求質問)

 時間がございませんので、結論から先に言わせていただきますけども、鳥取型ライフスタイルの提唱についてなんですが、知事は行政がどこまで言っていいのかという逡巡が今も伺われるんでございますが、三世代同居、それから女性の就業率が大変高くて世帯での収入も全国一位、学力テストも全国一位、幸福度ナンバーワンといわれている福井県、ここが三世代同居の助成をしております。

 そういう住宅に対して助成をしている、子育てや家事を家族間で協力し合え、共稼ぎしやすい、介護にも対応しやすく、独居老人が減るとこういうふうな位置づけのもとに三世代同居、多世代同居を推進しておられますので、また参考にしていただきたいと思います。

 私は今、社会がどんどん変わってきておりまして、医療や福祉も在宅で担わなければいけない、これからの時代にあって、これが本当に高齢者だけの夫婦で独居のお宅で受け止められるか、そういう大きな時代の曲がり角にあって、家族の大事さ、必要性を言ってもいいし、むしろ子育てという面では言うべきではないかと。

 あとを選択するのはそれぞれのご家庭であり、個人であるんですから、こういう鳥取県はお勧めしますよと言っていいと、知事、思います。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。何かありましたらどうぞ。

 

 

 

○平井知事(答弁)

 

                      

 議員のほうから改めて多世代同居につきましてお話がございました。

 先程もコメントをさせていただきましたが、政府の方もこの3月、少子化対策の大綱の中で多世代同居ということを、これが子育て支援にもなる、少子化対策にもなるということで盛り込まれました。

 従いまして新しいステージにこの課題は入ったというふうに私も受け止めております。

 これは都道府県、それぞれ市町村で色々なお考えはあろうかと思いますが、そもそもうちは税制改正を行って減免措置を入れたわけであります。

 あの時の議論は大きめの家になった場合にそれに対して税金を取り過ぎるのはいかがかということがありまして、その減免措置を入れさせていただいたところでございます。

 これは他の県でもまだやっているところはない。

 それと併せて次の一手ということになりますと、例えば市町村がそうした多世代同居など、南部町などで本県の場合は、各市町村が始めかけています。

 例えば、そうしたことを我々のところで基本的には身近な暮らしの問題でしょうから、市町村がある程度責任を持ってやるべき分野かと思いますが、県の方で例えば2分の1支援だとか3分の1支援だとかそうした形で、市町村のそうした多世代同居の推進というもののお手伝いをするというようなことはあってもいいのかなと思います。

 当初予算に向けまして検討させていただきたいと思います。 

 

 

 

 




 

ホーム

 平成27年6月議会 一般質問 

安田優子 一般質問