4月29日(土)晴れ後雨 みなさまに感謝をこめて

定外の犬種でしかも予算以上の値段。けれどこれはきっと出雲の神様の縁なんだと思い、明らかに売れ残ったと思われる生後3ヶ月の子犬を膝に、夫と私は松江を後にしました。ゴールデンレトリバーのメス犬。おそろしく悪臭を放つその子犬は、その日から「ペル」の名前で家族の一員となりました。
 ペルはそのころ子育ても終わり、夫婦でハーブ園の開園準備に追われていた私のとっておきの相棒となり、いつもいつも一緒でした。
 そしてハーブ園を開園してからは電話でペルがいるのを確認してから来られる方や、お客さんの記念写真にも入れていただくなど、看板娘になりました。あれから12年。忙しくも楽しい時を重ねたペルも年を取り、去る4月11日夜、家族の見守る中、静かに息を引き取りました。
 接客する立場にありながら、こちらの勝手で長い間自由気ままにさせていたペルに不快な思いをされた方もいらしたと思いますが、それにもかかわらず、声を掛け、なでてかわいがったくださった多くの方に、ペルに代わり心より感謝申し上げます。
 今年も開園に向けての作業に追われています。例年以上の雪害の上、しかもいつも傍らにいたペルはもういませんが、壊れた棚を直し、いつものように種をまき、草を抜いて、寂しさと向き合いながら、お客さまをお迎えしたいと思います。ペルと出会い、共に重ねた日々の持てたことを心より幸せに思っています。

  2006年4月26日 日本海新聞掲載記事抜粋

  
ボンリーでは、ペルの追悼コーナーを設けました。
楽しかったペルとの思い出をアルバムにまとめてありますので、ご来園の際はぜひご覧になってください。