「煙草のケムリ」
 
ポケットに入った煙草
取り出すの 少しためらった
煙草を吹かす意味 疑った
 
僕の煙草を持つ手の仕草を 君が
「カッコイイね」と言ってから
君の気を引くために 吹かし始めた
君がイル時は ずっとずっと・・・・
君がいなくたって 君が来ること期待して
いつでも どこでも 吹かしてた
全て 君の気を引くために
 
だけど そんな君は もうイナイ
煙草を吹かしても ケムリだけが
虚しく宙を曇らせてゆく
君がイナイ今 僕はなんのために
煙草を吹かすんだろう・・・
 
ケムリは 僕の苦悩を嘲笑うかのように
ただ 上へ上へと昇ってゆく・・・
ケムリで 曇った宙を眺めていると
自分までもが 虚しく思えてくる
 
あのケムリは 生命続く限り
ドコへでも 望むところへ ゆけるのに
僕は 過去(ココ)で 君の面影 引きずったまま・・・
 
「君は帰ってこない」
ワカっているのに 煙草に手を伸ばす
 
煙草を吹かす意味を取り戻したい
 
君に会いたい
君を抱きたい
 
君がイナイ今
僕はただの抜け殻・・・