エナメル上皮腫 (Ameloblastoma)
この腫瘍は、顎骨に発生する代表的な良性の歯原性腫瘍です。
臨床症状
無痛性の顎骨の腫脹で、大きくなると顔面が非対称性となります。
顎骨の膨隆、変形、歯の移動を訴えて来院することが多い。
この無痛性腫脹は数年に及び漸次大きくなってきます。
炎症を伴うか、感染しない限り原則的に疼痛を訴えることはありません。
顎骨の膨隆や腫脹をきたした期間は1年以上4.5年以内が全症例の50%を占めています。
大きくなった症例は1,400gのものもあるくらいです。
治療法
外科的療法を主とし、その他の治療法は原則的とはいえない。
症例ノート
症例1
左下の歯の痛みを主訴に当院を受診。
その時撮影したパノラマ写真で偶然に、右下顎角部に本疾患の存在が分かりました。
レントゲン像からエナメル上皮種を疑いました。
即日、鳥取大学医学部歯科口腔外科に治療依頼の紹介をしました。