歯肉癌(carcinoma of the gingiva)


歯肉癌について
口腔癌のうち、舌に次いでこの腫瘍が多い。
好発部位
上下顎別では下顎に多く、発現部位では上下顎とも臼歯部が主である。
早期に顎骨の浸潤破壊をきたしやすい。
リンパ節転移
リンパ節転移は、上顎では通常顎下リンパ節へ、まれに上深頸リンパ節に生じます。
下顎では顎下リンパ節、ついで前頚動脈リンパ節に生ずる。
通常下顎歯肉癌のほうが転移を起こしやすいといわれています。

 
治療法
治療法としては、上顎では外科的処置(部分切除術、上顎骨全切除術、減量療法など)、放射線療法(X線、コバルトなど外照射、開洞による腔内照射など)、化学療法(各種抗癌剤の併用)、免疫療法(各種免疫剤)などの併用療法が症例によっておのおの組み合わされる。

予後
予後は病変の進行度と治療法により異なるが、病巣が直径3cm以内で転移のない場合では80%以上が治癒しているといわれています。
しかし全体では5年生存率が上顎で
33.3%、下顎で25.7%とかなり不良となるようです。

 

症例ノート

症例1

症例2