口底癌(carcinoma of the oral floor)

口底癌について
発現頻度はわが国では比較的少なく、口腔癌の約7%を占めます。
組織学的に中等度までの分化を示す扁平上皮癌が最も多いとされ、ついで腺癌、単純癌などがあり、口腔の他の部位よりも多様である。 
早期に顎下リンパ節に転移しやすく、さらにオトガイ下あるいは深頸リンパ節にも転移し、しばしば反対側にも及びます。
来院時すでに50%のリンパ節転移が認められています。


治療法
治療は放射線が適応とされ、表在性早期癌にはX線の口腔内照射なども行われます。
また、最近では超高圧電子線やテレ・コバルト照射も奏効を示しているようです。
外科的手術では全摘出術が行われます。
その後の欠損部の再建術として皮弁、筋皮弁などの有茎移植や遊離皮膚移植が多用されるようになりました。


予後
予後は一般に不良であるとされ、5年生存率は約49%、欧米では30〜50%内外といわれています。
                 

    
初診時すでに反体側のリンパ節転移がありました。

症例ノート
  症例1

症例2