口唇の外傷

原因
口唇の奥には通常、歯牙が存在します。
そのため、歯牙による咬傷(咬んだ傷)が多い。


症状と治療
挫創の場合
鈍的に強い力が加わると表皮に裂傷がなくとも軟組織の挫滅によって腫脹をきたします。
内出血だけの場合には数日で褪色して腫脹も消え、あとになんら障害をきたさない事が多い。
そのため特に処置は要しません

擦過傷の場合

出血は少ないが、表皮が剥脱されるため疼痛が著しい。
真皮にまで至っていなければ瘢痕は残らないが、受傷した場所の確認が必要に成ります。
砂場などでの受傷は、感染に気をつけます。
イソジン等で洗浄し、消毒を行います。
場合によっては、局麻下に滅菌ガーゼまたはブラシでていねいに刷掃除去します。

裂傷の場合
創面が粘膜上皮内にとどまっていれば擦過傷と同様な処置を行います。
しかし創面が筋層に達している時には組織片を整復し、皮下埋没縫合、筋層縫合を行います。

  

症例ノート
  症例1
   患者     :5歳男児
   受傷原因  :屋内にて転倒し、机の角で口唇部に受傷。
   症状     :歯牙で咬んだと考えられる粘膜から皮膚への貫通創あり。
           歯牙の損傷、顎骨の異常は認められず。
   治療     :粘膜および皮膚の縫合処置を行いました。

            


 症例2
    交通事故には気をつけましょう。