舌の外傷

原因
舌は口腔内を満たし、常に歯牙に接しているため機械的損傷を受けやすい部位です。
また、食事による温熱的、化学的損傷も見受けられます。


症状と治療
咬傷の場合
咀嚼時に誤って舌を咬んだり、てんかん発作などによって起こる挫創性損傷です。
出血は比較的多いが、圧迫や縫合で容易に止血することが多いようです。
しかし、慢性創では口腔細菌の感染をうけ、難治性の潰瘍を形成します。

褥創性潰瘍の場合
圧迫や、虫歯、不良補綴物の鋭縁などの持続的刺激によって生じる潰瘍で、外傷性潰瘍ともいいます。
原因になっている刺激物を確かめ、それを除去すれば1週間くらいで治癒します。
治癒しない場合は悪性疾患の存在を確認しなければなりません。

温熱的損傷の場合
多くは熱い飲食物を摂取した際に起こります。
発赤、水疱形成、上皮剥離を呈し、疼痛を伴います。
  

症例ノート
 症例1
    食事時の誤咬
    ラーメンを食べているときに間違って咬んでしまったそうです。

 症例2
   交通事故による誤咬がもたらした舌の外傷
   処置が遅かったことと、創が深く、血管の断裂があったため、舌先が壊死してしまいました。

   

  症例3
   歯牙による慢性的な刺激がもたらした褥創性潰瘍。
   施設入所の方で時々こういう症例が見受けられます。