歯牙の外傷

歯の外傷の分類    
破折の程度により、おおむね以下の様に分類されます。
   単純性歯冠破折:エナメル質に限局するか、エナメル質および象牙質を含む破折で露髄を伴わないもの (図1)
   複雑性歯冠破折:露髄を伴い、エナメル質、象牙質、セメント質に及ぶ破折 (図2、3)
   歯根破折    :象牙質、セメント質におよび歯髄に及ぶ破折 (図4)


         図1  図2  図3  図4


外傷歯の症状と処置処置
  単純性歯冠破折の場合(図1)
       無症状か、軽度の冷温水痛あり。
       レジン樹脂などで破折部の修復を行います

  複雑性歯冠破折の場合(図2,3)
       強い冷温水痛、あるいは、強い自発痛があります。
       歯髄保護をしたのち、レジン樹脂などで破折部の修復を行います。
       しかし歯髄への傷害が大きい場合には歯髄除去(抜髄)が必要に成ります。

  歯根破折(図4)
       歯牙の暫間的固定、また抜歯が必要になります。


症例ノート
   症例1
     顔面に石がぶつかり受傷
     上下顎の3本の前歯に歯冠破折が発症

        

  症例2
     友人の肘が誤って当たり、歯冠のほとんどが破折してしまいました。