●いや〜冬本番になりましたね、今日から大荒れらしい。今週末はクリスマス、といって五十過ぎのおっさんに楽しいイベントがあろうはずもなく、メタボの身にはケーキも目の毒。でも、クリスマスが関係ないのは受験生の皆さんも同じか・・なんとなくうれしいぞ、がんばれ同志よ、必ず春は来る。
●それでは今日は、そんな忙しいさなかにこのブログを見てくれている受験生のために「N教授の英語教室」を開きましょう。記念すべき第一回です。テキストはハッピークリスマス by ジョンレノン。1971年だからもろにおじさん世代のクリスマスソングだけど、きっとどこかで耳にしたことがあると思います。最近ではセリーヌディオンのカバーがポピュラーかな(YouTubeはこちら)。
So this is Christmas, and what have you done. Another year over, a new one just begun.
And so this is Christmas, I hope you have fun. The near and the dear ones, the old and the young.
A merry merry Christmas, and a happy new year. Let's hope it's a good one without any fear.
And so happy Christmas (War is over, if you want it) repeat with verse For weak and for strong The rich and the poor ones The road is so long So happy Christmas For black and for white, for yellow and red ones Let's stop all the fight
A merry merry Christmas, and a happy new year. Let's hope it's a good one without any fear.
●ほんとはもっと長いんだけど、繰り返しも多いので以下省略。ざっと読んでもらって、最初のパラグラフは簡単だと思うけど、2行目で突っ込みを入れたくなる人がいるかもしれない。クリスマスだろ、まだ一年が終わってないし、新年が始まってもいない。Another year (is) over, a new one (has) just begun.っておかしい・・・・おかしくないんですね、これが。欧米人の季節感では、クリスマス休暇(おおよそクリスマスに始まって、おおみそか、正月くらいまで)が旧年と新年の境目のひとかたまりで、日本人のように、クリスマス、それが終わってお正月と区別する感覚がない。だから、次のパラグラフの一行目、A merry merry Christmas, and a happy new year.のandがほんとに並列のandなんですね、時系列を表現していない。
●次の突っ込みどころは?War is over, if you want itを訳せと言われたらどうします?この最後のitがwarを受けていると考えて、「もしあなたが戦争を欲しているとしても、それはすでに終わっている」とやるとまずい。2番目のパラグラフの Let's hope (the new year is) a good one without any fear./Let's stop all the fight のあたりからわかってもらえると思うんだけど、クリスマスソングと言いながら、この曲は有名な反戦ソングです。1971年と言えばベトナム戦争が現在進行形で、レノンは過激な反戦活動を行ったことで知られています。そうすると、ここの意味は「もしあなたが終わってほしいと望めば、戦争は終わる」でなければならない。それで、it は”War is over"というフレーズすべてを指していると考えるか、または、War is over, if you want it (to be over). とかっこ内を補う必要があります。
●もう一点、2番目のパラグラフの下から2行目 for yellow and red ones がちょっとわかりにくいですね・・・・英語でyellowというと、黄色人種を指すことがあり、アジア人一般はこれに含まれます。そして、red というと中南米の肌の赤めの人を指すことがあるようです。なので、for black and white に続いてfor yellow and red ones で黒、白、黄、赤すべての肌の色がそろって、人種に関わりなく、という意味になる。もう一つの読み方は・・・私はこっちのほうがほんとじゃないかと思ってるんですが・・・red には共産主義者という意味がある。ここではyellow AND red ones だから、yellowで”かつ”red な人と読むと”共産主義のアジア人”という意味になる、つまりベトナム戦争でのアメリカの敵そのものを指している。ではそこにいたアメリカ軍の兵士は・・・black and white。
●敵味方の区別なくハッピークリスマス、だからやっぱりクリスマスソングなのか。どうなんでしょうね、読み過ぎかもしれません、単純に「人種に関わりなく」と読んだ方が自然かも・・・というところで第1回目の英語教室はおしまい。第2回目は・・・あるのか?
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