マイキュー
私が所有しているキューの紹介です。
これらはアメリカンスタイルのビリヤードで使用するキューです。
基本的に約半分で2分割されるものが主流で、先の細い方(シャフト)の木材に
メイプル(楓)というものを使った物がほとんどの様です。
このメイプルですが、力が加わると適度にしなって、比較的粘る感じで反発する
性質があるようで、密度が高い割にはある程度柔らかいという不思議な
木材だと思います。キュー以外にも高級家具やギター、ベース、バイオリン等の
弦楽器のネック部分、またバイオリンの裏板などに使われています。
スヌーカーキュー
こちらはスヌーカーで使われる、アッシュ(トネリコ)という木材を使ったキュー
です。このアッシュという木は、メイプルとは違ってとても固いので
見た目にはアメリカンスタイルのキューと比べるとかなり先が細くなっていますが
粘ることなく加わった力に対して強く反発します。
スヌーカーのトラディショナルなキューとしては、このアッシュ材を使った物が
ほとんどだったのですが、近年ではトッププロの中でもメイプル材を使用した
キューを使っている選手の姿を良く見かけます。
手玉の中心以外を撞く、捻り(イングリッシュという)や、引き押し球では
メイプルの弾力性の方が扱いやすいし、回転も良く効く気がします。
アッシュは野球のバットの材料としても使われるらしく、重量も結構重たいです。
楽器としては余り使われる木材ではないようですが、アメリカのフェンダー社の
割りと古めの年代(〜’57年)のテレキャスター、ストラトキャスターのボディ材
として、使われて居たようです。
ちなみに固い木材だけあって、音も高音寄りの響きになる感じがします。
キューのお値段
私が所有しているキューは、どれも大して高い物ではありません。
出した金額で言えばスヌーカー用のキュー(写真下側)が確か1番値が張った
記憶があります。(確か250ポンド<約5万円>位だった様な・・・)
しかし世のキューマニアと呼ばれる人達の持っているキューはとんでもない値段が
するものも少なくありません。
たかが木の棒に200万だの300万だの、そんな大枚が飛び交うのですから
恐ろしいの一言です。
私の所有しているキューの中で1番市場価値の高い物はどれかというと
アメリカンスタイルのキューの画像の1番下の物がそれになります。
ピンぼけですが、Schon SP (ショーン)とあります
このショーンというメーカーですが、アメリカのキューメーカーだそうで
まあ中堅所の手堅い製品を造る、なかなか評判の良いメーカーです。
このキューは知り合いの美人なお姉さんに中古で4万円(破格!)で譲ってもらい
大切に使っています。
15年前くらいのキューだそうで、そのお姉さんも人から譲り受けたそうですが
当時の金額で15万くらいのキューだったそうです。
この手のキューは中古でも値が下がらず、私も何回か売ってくれないか?と
声を掛けられました。
性能云々については良く分からないのですが
近年ではキューに使用する木材が少なくなってきているそうですし(良いキューを
造ろうとすると、30年くらいかけ自然乾燥をした物が必要になるそうです)
木目(バーズアイメイプル)自体も、近年では相当高価なものでないと
このショーンみたいに綺麗な物は無い様な気がします。
キューの塗装
上の画像のショーンSPですが、ちょっと光沢がないというか、グリップも木材
剥き出しでビニールテープが巻いてあるのはお気付きだと思います。
実はやはり古いキューだということで、私のところに来た時には
既に表面のクリア塗装がボロボロになっていました^^;
まあ私もそういった細かい修正は苦手な方ではないので
すぐ簡易的に直して、元の持ち主が悔しがるくらいの見た目までは修復
したのですが、当時実家に居なかったので塗装設備も無く、仕方なく使った塗料が
アクリルラッカーであった為に、夏場などはどうしても溶けてきてしまい
キューケース内の起毛の跡が表面に付いてしまいます。
せっかくだからちゃんと古い塗膜を取り去ってから
全塗装しなおそうと準備をしていた訳です。
塗膜を取り表面処理したキュー
塗装に使った塗料はウレタン2液式の化学反応で硬化する物で
溶剤が揮発するだけの一般的なスプレー缶塗料に比べると
乾燥後の安定性が高く、熱にも薬剤にも強いという性質があるものです。
これをエアブラシを使って吹きつけました。
溶剤の中毒性が高いらしく、結構ハイになりながらの作業でした・・・
完成品
グリップはMezzのシリコンラバー製SPGripです
ん〜、やっぱり綺麗な木目です^^
これからも大切にして行こうと思います。
ちなみにこのSchon SPについてちょこっと調べてみました。
まずはショーンというメーカーについて。
『有名木管楽器メーカー
Le Bianc の主任技術者というロバート・ランドが
ミルウォーキーの工場で作っています。
最高ブランドの一つとして欠かせない存在で、多様な素材の採用とデザイン面にも
優れ、入念な仕上げの作品は、正にプロ好みのフィーリングを出しています。
Rシリーズ・SPシリーズ等、及びカスタム(特注品)がある。』
他人様のご説明の引用で大変恐縮ですが、楽器製造のノウハウを
汲んだメーカーだったのですね、勉強になりました。
※引用先のHPが無かったのでリンク出来ず、文章のみの引用になりましたm(__)m
で私のSPシリーズについてですが
これについてはショーンのHPの中に説明がありました。
生産時期は割と短かったようで、製品としての位置付け的には
量産モデルとカスタムモデルの中間に当たる存在の様です。
価格的にも伝聞している日本円で15万程度の物でほぼ間違い無いと
思われます。