「見て!ロン。彼女がメルセデスだよ!」

メガネをかけた黒髪の男の子が大広間で全校生徒達に自己紹介中のメルセデスを見て興奮ぎみに言った。

「うわ、すごい美人v 彼女が君が言っていた夏に一回会って将来の約束を誓い合った女の子だね。」

彼のいきすぎた妄想を間に受けて羨ましそうに赤毛の男の子がそれに答える。
彼らは外から窓ガラス越しに大広間を覗き見していた。
ホグワーツ特急に乗り遅れ、無茶な運転で車に乗ってここまで来たが、
運悪く暴れ柳に衝突してしまい、車が廃車寸前までボコボコに木にヤラレながらも
命からがらホグワーツの地を踏むことができたハリーポッターとロナルド・ウィズリーだった。
大広間以外からも注目を受けていることに気づいていないメルセデスはマクゴガナルに進められるまま
組み分け帽子をかぶった。
(このときマクゴガナルが自分の胸にササッと手で十字架を走らせたのを見逃さなかった。)
全校生徒達(+二人)」の緊張が走る。
是非とも彼女を我が寮に!!

そんな生徒達のよそに、願い事の対象人物のメルセデスはのほほ〜んとした面持ちでいた。
初めからグリフィンドールにはいることが決まっているのである。当然だ。
帽子の中でメルセデスと組み分け帽子は会話をはじめた。

(いきなりグリフィンドール〜!!って叫ばれるのも芸がないから五分ぐらい考えている振りでもしてて。
叫ぶ時は教えてよ〜、彼方の声量の大きさには毎回度肝を抜かれるんだから☆)

(・・・うむ。)

心なしか生気のない声で組み分け帽子は返事をした。
そのころ大広間の窓から覗いていたハリーとロンはスネイプ教授に捕まってしまってた。

「お願いです!スネイプ先生!!
僕達をここから連れて行く前にせめてメルセデス・ルチアーノの組み分けだけでも見せて下さい!」

懇願するハリーにスネイプは意外そうに

「彼女を知っているのかポッター。まあいいだろう。」

にやりと口元を緩ませながらハリーとロンと一緒になって窓からメルセデスと組み分け帽子を眺めることになった。

(くくく・・・彼女がはいる寮はもう決まっている。)

(きゃ〜赤毛の双子発見。彼らがジニーが言っていたお兄さんたちねv)

グリフィンドールの生徒達を物色中のメルセデスに組み分け帽子は重ぐるしく感じるしか他になかった。

すべては歓迎会がはじまる三十分前、校長室での出来事が原因だった。

メルセデスたちが校長室からでていってから
スネイプが怪しい液体の入ったゴブレットを持ってきたのがはじまりだった。






((回想))




組「セブルス、そのゴブレットの中身は?」

ス「あなたの喉を(あるのか?)うるおすために急いで調合したオレンジジュースです。

組「それはありがたいvさっそくいただこう。ごくごくごく(スネイプに飲ませてもらっている)
プハ〜ありがとう、セブルス。ん!?こ・・・・声が私の声が・・・
東京ディ○ニーランドのミッ○ーマウスの声に!?
セブルス!!いったい私に飲ませたのはなんだ!

ス「(にやり)オレンジジュースといっそう声のトーンが上がる様、変声薬を混ぜた
急いで調合したオレンジジュースですが?」

組「は、はやく元のダンディーな声にもどしてくれ!!」

ス「その声でも十分大広間に響き渡り別に支障はないでしょう。
気にいらなければ戻して差し上げてもよろしいが、私のお願いをきいてくださいますかな?」

組「お願いだと?

ス「メルセデス・ルチアーノ嬢を我がスリザリンに入れてもらうようお願いしたい。」

組「な・・・な!?そんな脅しにのる私だと思うのか!!

ス「そうですか、仕方がない。今日からあなたはミッ○ー帽子と呼ばれることとなるでしょうな。」

組「わかった。呑もう(あっさり)」


((回想終わり))


己の目的の為、毒をもるような行為をしたスネイプに改めて彼が学生の時スリザリンにいれたことが
正しかったのかと思い知らされた瞬間だった。

・・・・私のひと声でメルセデス・ルチアーノ嬢の人生が決まる・・・。
あの時はセブルス・スネイプに脅されて強制的にスリザリンにいれる約束をさせられたが
自分を脅かすスネイプ本人は今この大広間にいない。
声ももとに戻ったことだし、もともと自分にはホグワーツ学園校長アルバス・ダンブルドアがついている。
校長に楯突いて教員生命かけてまですることではないといくら彼でもわかっていることだ。
腹を決めた組み分け帽子はメルセデスに

(うおっほん。メルセデス嬢、心の準備はよろしいかな。)

(オッケー牧場よv )

「では心して聞け、君の寮は・・・」

全校生徒に緊張が走る・・・!





「スリザリン!!」





え・・・・・・?(メルセデス、ダンブルドア、マクゴガナル)

にやり・・・v(スネイプ)

思わぬ組み分け帽子の言った寮の名前に脳がストップ状態になったメルセデスに

同じく同様が隠せないマクゴガナルが

「ミス、ルチアーノ、ス、、スリザリンへ」

スリザリンの机を指差した。

メルセデスはワケがわからないながらも他の寮からブーイング受けながらも
美少女獲得に喜んでいるスリザリンの猛烈な歓迎の嵐の中に向かった。

い、いったいどういうことよ〜!?組み分け帽子さん!?

一部始終を外から見ていたハリーとロンはへなへな〜と地面に腰を落とした。

「そ、そんな〜彼女がよりにもよってスリザリン・・・?何かの間違いだよ。」

ショックを受けているハリーに鼻をならしながらスネイプは

「さあ、気が済んだであろう、お二人さん。彼女が一緒の寮になれなかったことお悔やみもうしたい。
だが君たちがホグワーツの学生として今夜限りなのかもしれないのだから、
元々関係なかったことだったかもしれませんなあ。」

スネイプの言葉を聞いてこれから自分達の身におこる事を察したハリーとロンは肩を落とした。
うな垂れている二人を引率しながらスネイプは心の中でにやついた。

ふ・・・うまくいったな。計算どうりになった。

スネイプは校長室での組み分け帽子とのやりとりを思い出した。
急いで調合したオレンジジュースを飲んだ組み分け帽子に解毒剤を飲ませたのだが
その解毒剤は思ったことと正反対の事を言ってしまう薬だったのだ。

メルセデスが終わったあとも組み分け帽子は他の一年生の組み分け儀式を行なったが
自分が言おうとした寮と正反対の寮を次々と叫び続けてしまうこととなった。


グリフィンドール⇔スリザリン

レイブンクロー⇔ハッフルパフ

というふうに。


墓まで持っていく秘密を作ってしまった組み分け帽子は改めてスネイプの
恐ろしいまでにメルセデスに対する愛が本物だということを痛感させられた。