おぼつか無い足取りでスリザリンに向かうメルセデスを
スリザリン生達が自分の隣の席に座らせようと待ち構えていた。
ドラコ・マルフォイもその一人で
両側の席にはゴイルとグラップが座っているのだがドラコは右の席に座っているゴイルに
「席を一つづらせ、隣のやつ等にも言え」
と命令した。
マルフォイ家の坊ちゃんの命令であらば仕方がない。
ゴイルの向こうの席に座っている生徒達もしぶしぶ彼の言う事を聞いた。
ドラコは近づいてきたメルセデスに声をかけた。
「ルチアーノ!ここだ!!」
意識が混乱しているメルセデスは無意識に自分を呼ぶ声のほうに歩き、ドラコがいる右隣の席に座ってしまった。
超美少女を横に座らせたドラコに他の寮の学生達ジェラシーを浴びせるがますます彼の鼻を高々にするだけだった。
コパートメントの中で仲良よしになったハーマイオニーグレンジャーも彼女がスリザリンでよりにもよってドラコ・マルフォイ
の隣の席に座った事にショックを受けているみたいだった。
まったくこの場にポッターとウィズリーがいないのが残念だな。
心からそう思いながらドラコはメルセデスに話しかけた。
「ルチアーノ、ようこそスリザリンへ。僕らは君をおおいに歓迎するよv」
「え、あ・・・ド、ラコ・・・。ここはスリザリンなのよね・・・。ありがとう」
放心状態だったメルセデスはドラコに話しかけられ夢から覚めたような返事をする。
その後、残りの生徒達の組み分け儀式を見ながらも解せない面持ちでその光景を眺めていた。
本当ならグリフィンドールの席にに座ってハーマイオニーと一緒に喜びあっているはずなのに
今の私はなぜかスリザリンの席にいて隣にはこれまたなぜかプラチナブロンドオールバックのドラコ・マルフォイが。
ダンブルドア校長はキラキラと目を輝かせながら新一年生の行く末を見ている。
マクゴガナルは平然と自分の職務をこなしてアルファっベット順に名を読み上げ、生徒を壇上にあがあせていた。
組み分け帽子も発声の訓練の賜物であろう大きな声で新一年生の頭の上で生きよいよく寮の名前を叫んでいた。
でも実際は組み分け帽子の御乱心に内心動揺しているのであろうが。
組み分け儀式も佳境に入ってきてた。
ああ・・・ジニーちゃんもグリフィンドールに入っちゃった。
まあ家族全員グリフィンドール出身みたいだし、当然といえるでしょうね。
大喜びでグリフィンドールの机に小走りに席に着くジニーウィズリーを見送りながらぼんやり考えていた。
私は過去二回組み分けの儀式でスリザリンにいれられた。
それはもう本当に小細工無しの結果だった。
それは自分がグリフィンドールはおろかハッフルパフ、レイブンクローに入れる素質を一滴も入っていないこと
の証明でもあるだろう。
もうスリザリンは名前を聞きたくないほどたくさんよ
メルセデスは心の中で舌打ちした。
過去の前例からしてスリザリンが自分にとって快適な場所とはとうてい思えない過ごし方をしていたのだ。
(マクゴガナルにいわせれば「あれほどホグワーツを満喫した生徒はそうはいないでしょう。」)
しかも今回セブが寮長となると、自由に振舞えない。
というか自分の貞操の心配もせねば。
今この場に急用でいないスネイプが自分がスリザリンに入ったことを知ったら・・・と思うと背筋がゾクゾクした。
(彼女がスリザリンに入るよう画策したのはスネイプ本人で、メルセデスの組み分け儀式を見届けた彼はすでに
知っているのだが。)
そうこう考えているうちに最後の新一年生が己の寮の席に座る。
アルバス・ダンブルドアの話、そして待ちに待った宴会が始まった。
各々の生徒達のテーブルに多彩なごちそうがワッとでてきて厳粛な空気が一編に活気になる。
お腹をすかせていた生徒達は我先にと料理に手を伸ばした。
組み分け儀式で緊張感でいっぱいだった新一年生達も上級生の顔色を多少伺いながら、お好みの料理をチョイスしている。
不機嫌だったメルセデスも今は目の前の料理を食べる前に集中していた。
やっと和やかな雰囲気になり、会話があっちこっちに聞こえてくる。
ドラコもメルセデスに話しかける。
「ルチアーノ。父上から聞いたよ。君の母君の事を。スリザリン出身だったそうじゃないか。」
「ルシウスさんが・・・?ボージン アンド バークスでは私名前を言っていなかったはずだけど?」
一瞬ドラコはしまった!!と思った。
彼女が名を名乗らずに店から出て行った後ルシウスがボージン アンド バークスの主人を脅して
メルセデスのサインを見たなんて口が裂けてもいうことではない。
「き・・君は母君そっくりだったからすぐ思い出したそうだ。
学年が離れていたからあまり接する事はなかったらしいが、飛び出て優秀で美しい女性だったとおしゃていた。
もう少し学年が近ければ交際を申し込んでいたと言っていたよ。」
・・・十分に申し込まれていたんですが・・・。
昔のことがフラッシュバックに蘇る。
「名前も一緒だってね、君の母君は今どうしておられるんだい?」
「−あ、今も元気にどっかで修行をしているわ。
どこでやっているかは私にもわからないから手紙のだしようもなくて〜。」
今ここで学生に戻って給食(笑)食べてま〜スvなんていえる訳ないでしょう。
ドラコがフッとメルセデスのテーブルの料理があきらかに他のみんなと違う事にいち早く気づいた。
「ルチアーノ。君の料理は・・・」
彼女のテーブルの料理は誰が見ても完全な菜食だったのである。
「校長先生が言ってたでしょう。私は家族ぐるみで薬師の家系だって。
瞑想、断食、山道を日中夜歩ったり、滝にうたれる事は当たり前の生活だったわ。これも精神鍛錬よ。
でも、ちっともこの食事は苦じゃないわ。さすがホグワーツが誇るシェフの味付けは絶品ねv」
モリモリと自分の料理をたいらげるメルセデスを見てドラコは心を震わせていた。
自分とはまったく違う境遇に育った彼女に明らかに惹かれている。
「・・・ルチアーノ。君の事がもっと知りたいよ・・・・。」
ドラコは自然と口説き文句を発した。
「僕も!!」
「俺達も!ルチアーノさんv」
ドラコがびっくりして振り返ると他のスリザリン男子生徒たちはおろか他の寮生の生徒たちまで
メルセデスの席に注目していて二人の会話を盗み聞きしていたのである。
「なんだ!!お前達はここはスリザリンの領域だ!!あっちへ行け!!シッシ!!」
とドラコは野良犬を追い払うかのように他の生徒はおろか自分の寮の上級生達までたてついた。
そんな彼をよそにメルセデスは料理を食べながら黙々とまた自分の世界にはいった。
ハリーポッターを例のあの人から守るためまたホグワーツに入学したのに
グリフィンドールの天敵ともいえるスリザリンにはいっちゃ結構難しいかも。
でもまあ合同授業もあることだし彼と接近するチャンスはあるはずよね〜。
どうやら彼は汽車に乗り遅れて宴の席には見えないけど明日には顔を拝める事となるでしょう。
ハグリットとハーマイオニーとジニーの話ではかなり好感がもてる印象を受けた。
アルバス・ダンブルドアもマクゴガナル、あまつさえスネイプにも見守られているハリーポッター。
そして私も彼を守る盾のとなるために・・・・
ううん、それは真の目的ではないわ。
私がホグワーツに再び戻ってきた本当の理由の事を考えたら逆にスリザリンに入ったほうが
都合がよかったかもしれないもの。
ぺろりと食事を終えたメルセデスはまだ他の生徒達と争っているドラコを横に席をはずす。
そしてグリフィンドールの机に歩いた。
ハーマイオニーとジニーは自分らの席からずっとメルセデスを見ていたのですぐに彼女を受け
いれる態勢でいた。
ハーマイオニーがメルセデスにかぼちゃパイを差し出して
「メルセデス・・・一緒の寮でないのが残念だわ、でも明日は合同授業だからきっと
ハリーやロンに会えるわv彼らもあなたに早く会いたいって言っていたもの。」
コンパートメントの話でボージン アンド バークスの大きい黒いキャビネット棚に隠れていた人物が
ハリーポッターと知りあの時はびっくりした。
向こうは私の事を知っている。
はやく私もあなたに会い対話v
その合同授業がスリザリン寮長セブルス・スネイプ教授の授業だと部屋の時間割表を見て重い意きり
疲労することになるのはその一時間後になるのだが。


