其の伍  中華 

「わたし、中華クラゲのサラダが好きで。」

わたくしの持っている図鑑を総動員しても「中華クラゲ」という生き物はいない。手元に海洋生物の図鑑がある方はご覧いただきたい。あなたの図鑑にも載っていないはずだ。
一応、ツッコんであげた。
「その発言は非論理的です。『中華クラゲ』というクラゲは存在しません。あなたがおっしゃりたいのは『クラゲの中華風サラダ』でしょう。」
「あら?わからないわよ、中国にはいるかもしれないじゃない、『中華クラゲ』。」
「もしいるとすれば『中国クラゲ』と呼ばれているでしょう。」
「あ・・・・」

わたくしはまた1人、友達を失った。