其の四拾四  とるに足りぬ 

ある講演会でのこと。聴衆はお年寄りが多かったのだが、講師先生、満場の聴衆が嬉しかったらしく、「枯れ木も山の賑わい、と申しまして」。
毒蝮三太夫か、あんたは。しかもウケなかったぞ。

さて、ことわざ・慣用句は年とともに誤用が増えていく。
「藁をもすがる思いで」
オオマチガイだー。
「すがる」ときには「にも」。「をも」なら「掴む」でなければならぬ。
ちなみに「藁にもすがる思いでお願いに来ました。」などと言う人がいるが、お願いされるのに藁にされてしまった人の立場はかなり哀しい。