台南担仔麵

ジャンル:台湾小皿料理
場所:東京都渋谷区道玄坂
「たいなんたーみぃめん」と読む。今現在、わたくしが都内でもっとも好きな店。
場所は渋谷。246の南平台交差点のすぐそば。よく行列ができているので、すぐわかる。
料理は台湾の屋台料理が小皿で出てくる。カウンター10席ほどと丸テーブルがいくつか、いちおう普通のテーブルもある。が、ここでは丸テーブルに一番風情がある。回転卓ではない。低い丸テーブルに丸太のようなイス。さらに合い席は当たり前、と屋台の雰囲気を醸し出すのにピッタシである。しかし日本人はやはりこの合い席というのが苦手らしく、お互い顔を見ないようにしながらも、人が頼んだ料理をチェックしている様が妙におかしかったりする。

料理は何を頼んでも間違いはない。
とりあえず「塩蜆(キャムラア・・・シジミの醤油漬け)」と「煙腸(エンチャン・・・腸詰)」を頼む。シジミは同じ渋谷の台湾料理の名店「麗郷」よりもまちがいなくこちらの方がうまい。ただし腸詰はやや「麗郷」の方が・・・
牛筋(ゲーキン・・・牛のすじ肉)」と「福貴耳(フークェイヒー・・・豚の耳のくんせい)」もお好きな方なら(わたくしは大好きだ)。忘れてはいけないのが「花枝玉(フェキワン・・・イカのすり身のボール揚げ)」。これは絶品である。熱いうちにホフホフいいながら食え。そのほかでは「炒米粉(ツァービーフン・・・ビーフン炒め)」、「豆菜(トーツァイ・・・茹でたモヤシとニラに肉味噌をかけてもの)」などを。好き嫌いはわかれるが「香草(エンスイ・・・広東料理でいうシャンツァイ、タイでいうパクチー)」もオーダーしておきたい。
ちなみにここに書いたメニュー、カタカナで言ってもなかなかわかってもらえないかも。店員は中国人、台湾人がほとんどで、日本語もしゃべれるが、いかんせん我々は発音が悪いし、日本名で言っても逆にわかってもらえない。すなおにメニューにふってある番号を言った方がよろしい。
また、店員がかならず「今日は○○がおすすめです」と言ってくる。これはほぼ間違いなく頼もう。うまいから。料金は心配しなくてよろしい。高いものでも2000円はしない。何百円というのがほとんどだ。5、6品ですぐお腹いっぱいになる。
さあ、そこで締めに入ろう。
これを食べなければ意味がないぞ、「担仔麺(ターミィメン)」。わずか150円の麺!ま、お茶碗1杯だからね。平打ちの麺にあっさりしたスープ、モヤシとニラ、そこに肉味噌(これがもう絶品!)、アクセントに香草。「卵、どうしますか?」と聞かれるので、迷わず「入れて」と言うべし。味付けゆで卵が半分なんてケチなことは言わず、1個まるごと。ああ、担仔麺の幸せ。
我々は茶碗でしか食べることができないが、店員さんたちは賄いとして丼でこれを食べている。ああ、うらやましい。1度でいいから丼で・・・わたくしの夢である。死ぬまでに1度でいいから・・・
これで終わりと思うな。デザートが泣かせる。「愛玉泳(オーギョーピン)」を食べねば。
愛玉泳は台湾産の植物の実をゼリー状にしたもの。これをあっさりしたレモン味のシロップでいただく。これを食べると不思議と満腹感、膨満感、胃のもたれがなくなる。今、東京でこれが食べられるのは、ここのチェーン店と、上野の「愛玉子(オーギョーチイ)」だけだろう。日によってはないときもある・・・

本場の味を安い値段で本場の雰囲気の中で。まぁ、雰囲気はややアレンジされているが、まず箸からして、いい感じである。紹興酒をボトルで頼んで、仲間でワイワイ、小皿叩いてチャンチキやるべき店。
ぜひっ!!


<追加情報>

先日、同じ「台南担仔麵」のお茶の水店を訪れた。
店は渋谷店よりやや狭いか。メニューはほぼ同じ。そしてなにより、店員のサービスが実に良かった。「女の人だけにねー」と愛玉子がいきなり出てくるし。
ただお茶の水店といいつつも、最寄駅が水道橋というマイナーな場所であり、かつビルの2階で目立たないという悲しさはある。
残念なことに、料理がやや温かくなかった。味は渋谷店に軍配が上がりそうである。
ただし、こちらの店には1人でフラッと来るお客さんがかなりいた。なぜだろう?と見ていると、なにやら丼が運ばれている。もしや・・・・?
このお店には丼サイズの担仔麺があるのではないかっ!?
メニューを確認して帰ろう、と思いつつも、いろいろあり忘れてしまったことがかえすがえす残念である。