ニューミカド
| ジャンル:テイクアウト専門 |
| 場所:東京都新宿区高田馬場 |
| 高田馬場の隠れた名店をご紹介しよう。 高田馬場駅のすぐ近く、早稲田通りに面した雑居ビルの1階にその店はある。ゲームセンターや雑貨屋さんに挟まれて、狭い間口で営業している。狭い間口で十分なのである。お客さんの出入りはないからだ。カウンターごしの対面販売。テイクアウト専門。 カウンターの片隅にはガラスケースがあり、保温灯が明々とついている。できあがった商品がストックしてあり、タイミングによっては作り置き、運が良ければ焼き立てを食べることができる。 カウンターの内側には、黒光りする鉄板。小さな半球のくぼみがある鉄板と、円形のくぼみがありガチャンと2つに合わせることができるようになった焼き型。そう、この店のメニューはたこ焼きと今川焼きである。 特筆すべきは今川焼きのおいしさである。 地方によって、回転焼き、大判焼きなどとも呼ばれるこの食べ物、オーソドックスなものは餡入りである。店のオリジナリティを打ち出すため、カレーやみかんクリームなどが次々と開発されているが、この店にも3種類存在している。 餡もおいしい。そもそもアンコというものがそれほど好きでないわたくしでも、この店の自家製餡は大丈夫。 餡以外にはミルククリーム。いわゆるクリームである。あんぱんとクリームパンにも似た両者の関係。 そしてなにより、珠玉は「ソフトチーズ」である。 今川焼きの中に、とろ〜りとろけるチーズ。 チーズの塩味が皮(?)の甘味を引き出し、皮の甘味がチーズの旨みを際立たせる。どちらかがでしゃばるということがない。甘味と塩味がギリギリのラインで調和し、お互いを高めあい、ハーモニーを奏でる。まさに完璧なるマリアージュ! それが80円で楽しめる。素晴らしいことだ。 この店の特筆すべき点がもう1つある。 営業時間である。午前10時から午後11時までという長時間営業。夜11時という遅い時間になって今川焼きが食べられるという幸せ。呑んだ帰りにちょいと買って、が可能なのである。 話題づくりに奇をてらった中身の今川焼きを開発するよりも、目新しさはなくともおいしいものを作ってもらいたいものだ。 今でも上京して高田馬場に立ち寄る機会があると、ついソフトチーズを買ってしまうのは、懐かしさからばかりでは決してない。 まったくの余談だが、わたくし、この店で今川焼きを買うとき、なにも考えず「チーズクリーム」と頼んでしまう。 「ええと、ソフトチーズですか、ミルククリームですか?」 「あ、ソフトチーズです、ソフトチーズ。」 毎回間違えるのはわたくしに学習能力がないからではなく、たいてい呑んだ帰りに立ち寄るからだね。 |