PENTAX EI-2000 |
今までに2台のデジカメを使ってきた。 最初はデジカメ黎明期の35万画素のモデル。メモ感覚で使うには便利だったが、それ以上のものではなかった。やがて画素数競争が始まる。ここでわたくしは35万画素に見切りをつけてそれを友人に払い下げ、当時最高の120万画素に飛びついた。たしかにキレイだった。だが非常に小型かつ縦長サイズのそのデジカメは操作性に大きな問題があった。手ブレしやすいのである。これはいかん。払い下げた。それからしばらく銀塩カメラのみの生活が続く。 だが、デジカメがまたぞろ欲しくなってきた。 ちょうどそのころ発表されたのが、このEI−2000である。 モノを選ぶとき、あなたはどこにポイントを置くか。 例えば車。1も2もなく値段かもしれない。性能か。それも大事だ。エンジン、足回りなどのスペックを徹底的に比較して決める。あるいは内装や居住性などにも目がいくだろう。好きなメーカーというのも要素の1つだ。 しかし、一番はそのスタイルではないだろうか。スタイルが気に入らなければ、どんなにスペックが良くとも見送るのではないか。 デジカメもまた然り。 画素数、描写力、操作性、メーカーなど選考ポイントは多い。 このEI−2000、画素数では他のメーカーよりちょっと劣る。300万画素オーバーのこのご時世に224万画素である。描写力はよろしい。「ペンタックスらしい上品な描写」というのは識者の弁である。操作性は・・・・ちょっとよろしくない。わたくしのようにマクロ撮影を多用する人間にはちょっと不便である。マクロ切り替えが1プッシュでできればよいのだが。だが2センチまで寄れるマクロ能力はそれを補って余りある。 その他、わたくしがデジカメを選考する際のポイントがいくつかある。 まず電源として乾電池が使えること。いざというときにすぐ入手できることが肝要である。もう1つは液晶パネルのみではなく、光学ファインダーがあること。 EI−2000においてはこの視野率95%の光学ファインダーが実は優れものなのである。非常に明るく、クリアである。先日、開発者の談話を目にする機会があったのだが、なんでもレンズよりもファインダーに開発費がよりかかっているのだそうだ。納得のファインダーである。 しかし、なによりもわたくしがこのカメラに決めたのは、そのスタイルにある。 一眼レフなのにレンジファインダー機を思わせるフォルム。曲線で形成された柔らかなライン。雑誌でそのフォルムを見た途端、わたくしは購入を決意した。 ここからわたくしの苦難の道が始まった。 ないのである。ブツがまったくないのだ。 まずいつも世話になっているカメラ屋にカタログを持ってきてくれるよう頼む。この店、ペンタックスに非常に強いラインがある。にも関わらず、カタログすら手に入らなかった。 なんでも「EI−2000は、EI−200という量産モデルへのイメージモデルに近く、半受注生産である。そして予約はもう終わっているので入手は難しいだろう。」とのことであった。 えっ?EI−2000はガンダムでEI−200がGMということか?そんなことはどんなカメラ雑誌にも、ペンタックスのサイトにも出ていないのに。しかもペンタックスのサイトには単に「発売中」としか。 全国チェーンのカメラ店にも念のため注文した。デジカメを扱う家電量販店にも。すべての答えが「お取り寄せできません。」 「性能的にはあまり変わらないEI−200ならすぐ入荷しますが。」 EI−200は面白みのない無骨なフォルムをしている。ガンダムとGMがあったとき、あなた、どちらが欲しいか。 インターネット通販店にも照会をかけた。ことごとくダメである。しかしインターネットとは便利なものであり、持つべきものは友である。わたくしが苦悶していると、ネットで知り合った愛知県在住の方が、「明日、カメラ屋に行きますので見てみましょうか?」と言ってくださった。そして・・・・あったのだ!展示品現品限りがあった。即、購入を依頼し、雑誌での初見から半年、EI−2000はわたくしの手許に届いた。心から感謝する。 批評を読むといろいろ書いてある。 「レンズ交換できればよい」 たしかにフォルム的にはそう感じてしまう。 「マクロ切り替えが面倒」 たしかに・・・・ 「ズームが電動ゆえ狙ったところで止めにくい」 慣れである。 そんな批判はあっても、描写力は文句なし。さらに他のデジカメにはない魅力的なフォルム。 日々使うものであればあるほど、「見た目」から入る。 そんなミーハー的な選び方も決して間違いではないはずだ |