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● 2002.5.8 ゴールデンウイーク中に放送された試合を見て思う。 新日本から袂を分かった橋本、武藤の2人が作り上げたものの違いは何だろう。 橋本は独自の団体ZERO-ONEを立ち上げ、格闘技からプロレスまで幅広い試合形式を取り 武藤はひん死の老舗 全日本に移籍してプロレスを追求した。 どちらの団体も興行を行えば多数のファンが押し寄せ、 新日本を急追するメジャー団体として競いあっている。 個人的には武藤参加後の全日本が面白くって仕方ない。 インディー、メジャー問わず新規入団選手が独自のスタイルで織り成す”ビックリ箱”的な雰囲気は、 見ていて飽きない。 明るく激しい武藤、小島がいて、プロレスのすべてを知り尽くした天龍がいる。 アメリカ帰りで派手なパフォーマンスが売りのカズ・ハヤシと、 インディー&メジャーで認められた実力者 奥村のコントラストも面白い。 ブッチャーとカシンが組む試合があれば、本間が保坂とデスマッチもする。 橋本が「プロレスをやりたい」と新日本を飛び出したのに どろどろした格闘技プロレスから抜けられないままなのは ”爆殺シューター”本人がプロレス下手なのか、いまだに猪木の影を引きずってるのか。 (最近は疑惑の判定などの小道具を持ち込みつつあるものの) 試合に絡む人間ドラマも妙に粘着質だしな。 激しいプロレスにはやはり限界がある。 相手を殺す、再起不能になるまでするのはプロではない。 (「1、2の三四郎2」にはその辺りのシュミレーションあり) そう思えば、プロレスラー武藤を始めとする”新しい血”の引き出しの多さは 全日本の”楽しい”部分をますます奥の深いものにしてくれそうだし。 ◆全日本所属選手◆ 第29代三冠ヘビー級選手権者 天龍 源一郎/川田 利明/第45代世界タッグ選手権者 武藤 敬司/ 第45代世界タッグ選手権者 太陽 ケア/渕 正信/小島 聡/馳 浩/長井 満也/ 第20代世界ジュニアヘビー級選手権者 ケンドー・カシン/第71代アジアタッグ選手権者 荒谷 信孝/ 奥村 茂雄/カズ・ハヤシ/宮本 和志/保坂 秀樹/本間 朋晃 ◆ZERO-ONE所属選手◆ 橋本 真也/大谷 晋二郎/高岩 竜一/星川 尚浩/佐藤 耕平/崔 リョウジ/田中 将斗 ● 2002.3.4 倒産したFMWの星 リッキーフジがみちのくに参戦。 もともとキャラのある人なので、今後の活躍が非常に楽しみ。 早速、サスケのインディペンデントのベルトと、FECの日高にちょっかい。 お祭り男の参戦で、みちのくがまた面白くなった。 ● 2002.2.19 アメリカの新団体XPW…っつーか、ECW、WCWの崩壊で生まれた団体に 参戦しているNOSAWA、菊澤選手がゲスト。 このXPW、参加している選手が味わい深い。 大物 サンドマンを始め、いまだにパンツが半分見えてるコナン、 マスク無しのシコシス、正確には確認できないもののニュージャック、 ダッドリー系のレスラーもチラホラ。 (トミードリーマーはスキンヘッドになってる?) デスマッチ主体のレスリングで、ECWテイストが非常に濃厚。いいぞ。 ● 2002.2.9 いやいやいや、カシン、小島、武藤の全日本電撃参戦。 まったく予告無しの突撃ぶりは、お見事。効果的な移籍の見本ですな。 こんなファン、マスコミの予測を越えた急展開はひさしぶりだ。 これぞプロレス的!! ● 2002.2.5 大日本 レフリーであり、伊東竜二の妻でもある李日韓が辞表提出。 デスマッチも裁ける女性レフリーだったのに。惜しい。 けど、伊東の皮が剥けるにはいい機会になるかも。 ● 2002.2.4 再開なったスマックガール。 モデルさんから総合、プロレスなどなどさまざまな出身の女性が ビシバシ闘う…っちゅーか、なんだってこう痛く見えるかな。 大日本プロレスの蛍光灯、画鋲も見てて痛いけど 女子選手のくり出すヒザ攻撃、投げ技の”怖さ”は別のものに見えて。 なんか、本当に死にそうな感じっつーか。 これがライオネス飛鳥ぐらいになると、それはそれで受け入れられるのに 線の細い総合系の女子選手がピシピシ撃ち合うシーンはダメだ〜。 なんでしょうかね、差別的見方なんでしょうか。 細い男子選手もいるのに。 ましてや、総合に近いルールのスマックガール。 魅せる華麗さよりも、勝つための方程式にのっとって闘う遊びの無さが 凄惨な印象を私に与えるのか??? さすがにこれは、苦手だわ。 ● 2002.2.3 大日本の新チーム”赤まむし”(ウインガー、非道)の葛西純。 実は、ZERO-ONE橋本、新日本 柴田、さらに小島聡と飲み友達であることが判明。 ● 2002.2.1 新日本IWGPヘビー級トーナメントは、1回戦で健介がリック・スタイナーに敗退。 正直、そんなもんだろ! リック・スタイナーの日本マット進出は嬉しいなぁ。 DDTと興行的合体を果たしたFMW。 合流した2つのエンタメ・プロレスリングは、発展の道を拓けるのか。 もはや三四郎を越えつつあるMIKAMIの大バケに期待。 ● 2002.1.27 ジャガー横田さんも認める存在になった LLPWの和田部美穂。 常連参加しているアルシオンでの最近の目覚ましい活躍は、 感動的でさえあるような。 体格に恵まれない者が大型選手相手に試合を組み立てる方法を、 見つけつつある和田部。 創意工夫と努力以外の賜物と言うしかないでしょう。 (平均的な体格でも、身長145センチの和田部にとっては”大型”になる) 技に重さは無いものの、「もしかしたら…」と何かを期待させるキレのある動きは もはや”現役最軽量”だけが一番の話題だった頃の和田部と違う 自信を持ったプロレスラーそのもの。 ● 2002.1.23 週ゴン早刷り。 巻頭に武藤。ま、これは順当というか”台風の目”ですからな。 昨年大荒れだった猪木台風を超えることができるのか??? ● 2002.1.18 新日本プロレス1.4ドーム大会を本日拝見。 なんだか微妙な〜〜〜〜〜。なんつーか、プロレス的でないものを見せられたというか。 小川-健介戦は、正直、酷かった。 小川の強さは判ったけど、同時に健介のデクノボウぶりも見えて。 ボウズ頭にしてバーリトゥード宣言して、あれかい。 専門誌は小川批判を繰り広げていたけど、どーみたって悪いのは 中途半端なルールで試合を制限した新日本と、 まず試合に介入した中西学だろうに。 リング上大混乱してる中で、健介が小川にジャーマンしてたけど 正直、中途半端だし。 それでいて呆れて帰る小川に「もう終わりか!」はないだろ。正直、健介、どうなんだ。 てなことを書いていたら、新日本 田中稔と府川ユミ(元アルシオン)が婚約って! んま〜!!美男、美女同士でねぇ。 ● 2002.1.16 ゴージャス松野は、130Rの板尾に似ている。 ニューハーフファッションだと、ますます。 整形して、板尾。あがりなのか。 ● 2002.1.15 ポーゴが失速し、大仁田が吠えるだけになった今、デスマッチ王の名は松永弘光に輝く。 レインボープロモーション大会では、藤原組長と対戦するために 全身を有刺鉄線でグルグル巻にするという奇策を考案。 …そりゃ関節技には入りにくいだろうけど…蹴られたら自分が痛いじゃん…。 しかし、身を切っても相手の技を封じ、無理からデスマッチに持ち込もうとする心意気。 マッチメーカーにも、観客にも期待されてる通り、 いやそれ以上のプロモーションをする”Mr.デンジャー”松永。 プロなんだよなぁ。 ● 2002.1.13 浜田文子、アルシオン退団。 女子選手のフリー化は男子のそれよりも活発なのは、ここ数年の有名選手の所属団体離脱からも明らか。 古くはJWPから尾崎魔弓、デビル雅美、Jdからライオネス飛鳥、 アルシオンからアジャ・コング、全女は団体分裂時に多数のフリー選手を生む事に…。 そして、フリーになった選手が、さまざまな団体に登場し、 活性化の役目を果たしているのも事実。 多くのフリー選手が長与千種主催のガイアジャパンを主戦場にするなか、 ライオネス飛鳥の他団体に渡る変幻自在振りは、今や女子プロレス界に無くてはならない存在。 そんななかでの浜田文子の退団。 フリー選手として、より多くの選手と様々なリングでの闘いに身を投じることになるのでしょう。 ハッキリと「どこへ」行くといったコメントがあった訳ではありませんが。 天才肌のルチャドーラ 文子がどういった”進路”を求めるのか? 久々の大形有力選手だけに、動向が気掛かりですな。 ● 2002.1.12 プロレスにギミックは必要ないのかな。もはや。 プライドファイトが象徴する”ガチ的”な闘いは、そりゃ受けるだろうけど。 しかし、『1、2の三四郎2』(小林まこと)は 2002年のプロレスのポジションを予見するかのような作品だった。 格闘技、というよりも”殺しあい”と言えるプリミティブなファイトが 観客を熱中させる現実をプロレスがどう凌駕していくのか? 作品上、天才的なバーリトゥーダー相手に苛烈な闘いを制した三四郎は 試合内容でプロレスの最強を証明するんですが、実際コミック上で表現できても リアルでは”最強の証明”なんて万人に明らかにするのは至難の技。 2001年の相次ぐプロレスラーの『プライド』に場を借りた他流試合での敗北は ”言い訳”では許されないほどにプロレス界を追い込んでいると言えるでしょう。 そんな中、キング・オブ・スポーツな点から見ればもはや時代遅れともいえるギミックが 生きている団体 IWA。 美しき整形マネージャー 松野氏とタイガー・ジェット・シンの関係は 判っていても”憎々しく”、試合でコケにされる様は”おもしろい”。 プロレスには様々なスタイルがあって、スポーツ的要素を抑えた ギミックだらけのファイトもプロレスの一つ。 剣道、柔道にある『一本』の定義がいまだに国際ルールとして受け入れられないように 判定に主観がつきまとう部分をどう自分の中で納得して、 有利、不利に関わらず判定を受け入れて行くかが、ファンにも求められているのでは。 (この稿、続く) ● 2002.1.9 プロレス専門誌のトーンは、『安田に期待(娘ともども)』で『小川ふざけんな』。 特に週プロは鈴木編集長お気に入りのフレーズ”こんな試合しやがって”が登場。 北尾以来ひさびさの本格格闘ヒールの誕生を見たような。 今日のSアリゲストは週ゴンのGKだったけど、猪木祭の永田には「次」のエールを、 高田には「怪我をおしての出場で、あの試合は仕方ない」と弁護の一言。 そーなの? 永田はともかく、高田は…。なんぼ「次が最後」って言ってもねぇ。 高田については、菊池孝氏の言う「あーもー、どーでもいいです」を支持したいな。 ● 2002.1.8 望月成晃が『引き分け作戦』はやめた、と宣言。 「もう時代遅れだ!」とも。 つーか、まだやってたのか!!て感じですな。 ● 2002.1.7 プロレスニュース番組「S-アリーナ」の御意見番 菊池孝氏が今夜復活。 どうやら『腹を切った(タテ方向)』と本人がおっしゃった様子から かなり大掛かりな手術でのお休みだったみたい。 しかし、約2ヶ月のブランクから復帰登場の菊池氏。 頭が休養以前にも増して黒くなっている、もしくは白髪部分との分離がハッキリしてきている、 さらに言えば量も増えてる、のは健康になられたからでしょうか。 ● 2002.1.6 年初のビッグマッチもひと段落か。 新日本の1.4もそれなりに遺恨(内部抗争、小川)を残したり、 今日のZERO-ONEもノア、極真との絡みが生まれたり(K-1寄り?)、 ノアは小橋復帰が目玉だったりと ”to be continued”ではあるけれど、 特定の団体のファンでない身には燃える要素が薄い。 プロレス専門チャンネル『サムライ』に加入した1998〜1999が 男子、女子とも旗揚げ、分裂、合体、と意味無く熱かったような記憶がある、というと懐古的か。 この不況で映像の権利を巡る縄張り争いで、環境によって見れる試合、 見れない試合ができるのは仕方が無いけど、選手の動きも制限されているような今は 不況とは言え面白みがない。 それぞれの団体の中で、ファンを相手に進むストーリーは基本だけど、 やはりプロレスの醍醐味は全く違う物語が衝突する瞬間、つまり対抗戦にあると思うのですが。 (プライド、K-1のような) 自分の応援している団体、選手が”本当に強いのか”とか、 決まったストーリーから外れたところでのみ確認できるカタルシスは、 それが残念な結果になっても次に繋がる物語を生むだろうに。 「2002年は、2001年の続き」ではない新しい物語を見せてほしいもの。 そうでなければ、プロレスと言うソフトの魅力はますます落ちるというか コアな部分だけ残ってしまう”マイナー”になってしまうような気がして。 ● 2001.12.31 『猪木軍 VS K-1』当日。 古館のクドいオープニングに続いて、スポットが照らし出したのは リングアナになってる渡辺いっけい〜???何で??? 腰砕けな始まりとなった大晦日の格闘技イベント。 よくよく見たら先日のプライド18と選手入場ゲートが同じものだったりして、 どっかのレンタルなのか知らないけど、儲けてるなぁと感心。 と、そんな余計な事ばかり気にしていたら、第1試合から腰砕け。 高田-M・ベルナルド。 2ラウンドの”猪木-アリ”状態は、高田にしてみれば「待ってました!」の展開か。(笑) 解説の角田氏懸命の名文句『武蔵の間合い』に終止した試合?は ダラダラと3ランド続いてドロー。 高田に攻め手が無いのは判っているにしても、ベルナルドは…。 肉も落ちてるし練習不足? 第2試合 佐竹-グレコ戦もドロー。 佐竹がマウントをせっかく取ったのに、自ら離れる大失態。 勝つ気あるのか?? 第3試合 ブラガ-グッドリッジもドロー。 もしかして猪木軍、K-1とも完全な痛み分け狙いか? 第4試合、ケンドー・カシンこと石沢常光が バーリトゥーダーとして日本人相手なら通用することを証明。 しかし、ドロー。 前半戦終了ということで猪木登場。 「元気ですかー!!」をかました直後、背後から謎のマスクマンに襲われる寸劇開始。 (謎のマスクマンは猪木自身が持ち込んだ棺から登場してるし) その後、ジャイアント・シウバとグレート・サスケが登場して なぜかタッグマッチへ進展。なんじゃこりゃ。 謎のマスクマンに卍を決めて意気揚々と会場を去る猪木。 いったい何だったのか。 第5試合。アビディ-フライ。 前半ダラダラした試合が続いたせいか、両選手同時入場で”まき”進行。 試合もいきなり殴り合いからスタートして、 後半はお互いがマウントを取り合う息をつかせない展開。待ってました! 結果、フライの老かいなテクニックがアビティを締め上げる形でタップアウト。 初めて決着のつく結末。 第6試合は、身長差 永田-ミルコ戦。 プライド18で対戦…しそこなった高田をクソミソに言う、 戦い方のみならずお口もヤンチャなミルコ。 ハナから憎まれ役という”何やっても許される”ポジションにいる相手を ”いい人”永田がどう攻略するかが鍵。 試合前、解説の桜庭が言った『永田選手はグランド強いんで”倒してからが”楽しみ』。 まさにこの言葉こそが試合の展開を暗示してしまうんだから、桜庭恐るべし。 タックルの間合いに入ろうとする永田をミルコのキック一旋。 倒れた永田を上からボコボコボコボコ…。 さてキレ〜〜〜〜〜〜〜〜イに1勝1敗4引き分けという”五分五分”の状態で辿り着いた メインイベント。 バンナと安田。 散々とれるはずのギロチンチョークを自ら外す安田にいらいら。 結果ギロチンで安田が勝つものの、手間取るところが”らしい”のか? 簡単に落とせる相手だったから、ちょっとサービスしてみましたってことなの? 振り返ってこの大会は何だったのか? 立ち技オンリー、1発KO主体のK-1のスタイルと、 プロレスを含むグラウンドありの猪木軍(プライドスタイル?)のぶつかり合いが ”最強の格闘技決定戦”のような煽りで紹介されたけど、そうだったのかな。 むしろ剣術と槍術の試合というか、”他流同場の対抗戦”的面白さを期待してたんだけど おしなべてプライドスタイルの展開で終止し(仕方ないっちゃー仕方ないけど) 立ち技一発KOの試合は永田-ミルコ戦のみ。 今後のショーファイトの王道は、プライドスタイルにありと印象づけた結果に。 K-1は、プライドの前座になるのか。 表立ってプライドの名前を出さずに『こういったスタイルの試合、面白いでしょ?』と 対抗馬K-1を引き合いに出してプレゼンテーションした猪木。 やはり策士だなぁ。 もう一つ、ミルコの次の戦いが非常に楽しみになってきた。 もう一人のビックリ箱”野獣系”シウバとの対極に位置するこの最高峰を 攻略するのが誰なのか。 今回も試合の合間にバンバンCM入れるTBS。 この局は、ほんっとスポーツ中継、ダメな。 ● 2001.12.26 大晦日の『猪木軍 VS K-1』。 対戦カードが今日になって変更されるなど波瀾含み。 (永田-ミルコ、高田-ベルナルドなど。) それにしてもメインに安田とは。 プライド18も出て無いのに、大出世だなぁ。 大仁田代議士の新プロジェクト『X』。 出てるメンバーは『大仁田興行』と同じ。やってることも同じ。 ま、支持してるファンもいるからいいんだけど、 当初の目標だった”若手にチャンスを与えたい”だけはウソにしないで欲しいもんだ。 ● 2001.12.25 アルシオンの年間MVPにライオネル飛鳥。(GAMI風) GAEA、全女を見れないのでくらべるのも何ですが、 やはり今年の女子マットを引っ張ったのも飛鳥だった、という感じはある。 個人的に注目した選手は、LLPWの和田部美穂。 女子プロ最軽量というハンデをスピードで克服しようとする試みは、好感が持てる。 せめてTYパリータぐらいのウエイトでも手に入れられれば、とは思うものの それでスピードが殺されてしまうとなると…。 さらなる筋力強化か。 あとは、やはり、というか浜田文子。 血統とは言え、リング上での輝きは格別。 来年はヒールも視野に入れてのスタイルに転向と言われ、ますます磨きをかける。 ● 2001.12.24 大日本”デスマッチ猿”葛西純の憧れの選手が、折原昌夫だったとは。 バトラーツ志望だったのは知ってたけど、憧れがトンパチ系だったとは。 ● 大日本プロレス12.2横浜アリーナTV観戦記 (2001.12.5 SAMURAI-TV) ミスターデンジャー 松永弘光が顔面を焼かれ、 CZWjapanのボス ザンディグが画鋲の山の上にたたき落とされ『人間ミラーボール』と化した この日のメイン”ガラス爆破・カウントダウン凶器持込BJW認定デスマッチヘビー級選手権”。 頭部を蛍光灯でザックリと割られ、一時はドクターストップのかかったザンディグが 同じく血だるまとなった松永を、史上無い至近距離、しかも2度の爆破で仕留めるという 壮絶な幕引きとなったリングに、あの男が帰って来た。 山川竜司。 大日本プロレスのエースとして団体旗揚げ当初からメインイベンターであり、 いわゆる”正規軍”に属する選手達のリーダーだった山川は、 大日本プロレスの信条であるデスマッチで誰よりも先頭切って流血し、おいしいところで勝負を決める。 それは、まさに頼れる兄貴という存在そのものだったと言えるだろう。 私が彼に惹かれる訳は、その激しいファイトはもちろんながら、 山川がおおっぴらには見せない人間味にもある。 最近でこそ、盟友 金村キンタローのエールに涙し、観客のコールに涙する 感情の沸点の低さが露呈しつつあるものの、 かつてくり返された後輩レスラーとの別れで見せる無表情さにこそ、 彼の無理した優しさを感じてグッと来る。 ジュニアとしての活躍の場を他団体に探した藤田穣、 弟のように山川を慕った本間朋晃らが団体を去る時に、 山川は何も言わずただ背を向けるだけである。 その背中は、愛したものを突き放す悲しさを自らに閉じ込めるように、頑なに見える。 そこがいい。 団体に固定のファン層も付き、山川がレスラーとして充実し円熟しつつあった時、 最も困難な敵として襲い掛かったのは画鋲でも、蛍光灯でもなく、 頭部の骨折という皮肉。 リング外に落とされた時におった右後頭部頭蓋骨骨折。 その影響で山川は現在も会話に支障が残る。 一時は引退を決意しなければならない状況に追い込まれ、 大日本プロレスの選手、ではなくリングを離れた取締役の席に座らされた山川。 しかし、断ち切れない思いを8ヶ月以上のリハビリに耐え、 アンケートまでしてファンの「復帰を待つ」声に励まされ 12月2日、横浜アリーナ タッグマッチ出場という奇跡をついに手に入れた。 タッグパートナーは「無責任に帰ってこいとは言えない」と言いながらも、 「お前のため、いつでもこのリングに上がる」と宣言した金村キンタロー。 対戦相手は、大日本プロレスを影で支えるブッカー MENSテイオーと その愛弟子であり今もっとも勢いのある若手 関本大介。 横浜アリーナ、2001年12月2日、午後8時30分。 ファンも、山川を愛していた選手達も、そして本人も待ち焦がれた入場。 山川の入場テーマであるジャーニーの「セパレイト・ウエイズ」が横浜アリーナに流れた時、 ライトに浮かび上がる山川の姿には、正直、涙が出てしまった。 真っ白なウエスタンコスチュームに、テンガロン。 気取ったポーズは取っているものの、山川は流れる涙を隠せない。 還って来た! その憶いはリングに集う対戦相手も、そして特別レフリーとして復帰戦を裁く登坂氏も同じ。 中継する山本雅俊もその昂った気持ちが声にならない。 試合は10分のエキシビションマッチながらWEWタッグ選手権試合。 山川の事故後も一人でベルトを守り続けた金村キンタローが先鋒。 相手は、試合巧者MENSテイオー。 選手権試合にしては異例の10分という試合時間。 時間が無いのを知る2人は出足からハイスパートでぶつかりあう。 その姿にたまらず山川がタッチを求め、ついにリングイン。 試合感はまだ100%とは言えないものの、気負った動きがかえって試合に緊張感を与える。 その気負いがスピードになってきたところでMENSテイオーが関本大介にタッチ。 山川が知っている関本は、どちらかと言えば大人しい、 自分の力を持てあますような一人の若手プロレスラーだったはず。 しかし、この若者は自ら戦いを他団体にも求め、多くのレスラーと出会い闘う事で 確実に自分の力を爆発させる術を身に付け、この日山川にぶつかっていった。 山川も、そんな伸び盛りの若さをまともに受け止めて闘う。 関本の相手をまともに後ろに倒す遠慮のないタックルには、 相手が山川だけに見ているこちらがひやっとするような場面もあるものの、 その肉体同士がぶつかる音、リングに打ち倒される音こそ 山川の8ヶ月、関本の8ヶ月がプロとしてリングに上がる為だった事を教えてくれる。 試合は、7分過ぎにMENSテイオー&関本組の得意技『ファイト一発』が 金村、山川にヒットし、分断されたところを関本が山川を押さえて勝利。 新王座の誕生となった。 3カウント後、破れた山川にMENSテイオーは「自分の力で立て」と怒鳴る。 レスラーとしてかえって来たのなら、最後までレスラーらしくしろというエールに ゆっくりと起き上がった山川。 その姿を見てはじめてMENSテイオーは、笑顔、泣き顔の半々という 顔をくしゃくしゃにして「おめでとう」のメッセージを伝えた。 1つの興行、さらに言えば年間の試合の流れを組み上げる”ブッカー”という立場から 頭蓋骨骨折という大怪我を負った選手をリングに上げることは、 MENSテイオー自身も勇気が必要だったはず。 山川が試合のできる選手に戻ったのか、それとも、やはり引退させるべきなのか。 8ヶ月と言う時間は、MENSテイオーの思いをまとめるための時間でもあったのかもしれない。 情に流されないクールな男が最後の最後で見せた泣き笑いは、 復帰に慎重だった人びとすべての気持ちなのだろう。 山川は試合後のインタビューで、 「この(復帰できた)感動を、江崎さんにバトンタッチしたい」と言った。 金村の所属する団体 FMWのエース ハヤブサも試合中の怪我で頚椎を損傷し、 現在徐々に麻痺が取れつつあるも未だに復帰が未定の状況にある。 自らの復帰を喜ぶ言葉より先に、この言葉。 どこまでも心優しい兄貴なのである。 了
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