柱大明神
(鳥取市御熊)


御熊神社の鳥居

白兎海岸あたりの国道9号線を走っていると、白兎神社へと続くわき道があり、
そのまま一本道を南へ山中方面へと進んでいくと、鳥取市御熊(みくま)の聚落が
隠れ里のように静まっている。

聚落の後ろは気高町まで続く奥深い山だが、民家の裾を迂回しながら急な山道を
500メートル余も登ると、頂き近くに小さな社殿が祀られている。
式内社の御熊神社で、御熊の柱大明神と呼ばれるものであり、次のような伝説が残っている。


御熊神社

昔。柱大明神は一夜のうちに隠岐の国まで石橋を架けて渡ろうとし、
たくさんの石柱を日本海へ向けて並べ始めた。
ところが、これを知ったアマノジャクが妨害して鶏の鳴き声を真似たため、
驚いたのと、一夜が開けてしまったのと勘違いで、途中で投げ出してしまったとさ。


御熊神社(社殿)

まことにおおらかそのものの神話であるが、この柱大明神は社殿に近づくことさえ
容易に許さない。足元から社殿へと這い上がる崖には、大きな玄武岩の自然石が
不規則におおよそ80段積み上げられている。ようやくよじ登ると、畳2枚半程の狭い台地一杯を
社殿が占めている。社殿の周囲には柱状の岩が転がり、背後の崖からも玄武岩の
柱が突き出ている。四角や六角のまるで切り出したか石のようにどれもが整った形状で
異様な光景だ。これが、柱大明神の投げ出した石柱と言われているものである。

また、蛇足ではあるが、武内が神社へ参った際、「熊蜂が出るため危険 立ち入り禁止」と
民家経由の参道入口にあったようなのだが、登りは獣道を歩いたために、それがわからず、
写真を撮っている時、「随分蜂がいるんだなぁ」などと呑気にかまえていたのだが、
降りる時その看板を発見し、ゾッとしたものである。怪我ないのが幸いである。

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