賀茂神社の大鳥居
所在地:西伯郡西伯町倭


↑賀茂神社の二の鳥居

西伯町に倭(やまと)という集落があり、その北のはずれに広い境内をもった
賀茂神社が祀られている。そこの二の鳥居は江戸時代の中頃の力持ち二人が
五キロの道を担いで運び込んだものだとする伝説がある。

法勝寺川の上流賀祥に住む石屋新助は、注文を受けていた賀茂神社の鳥居を
やっと完成させた。さて神社に納めようかとしたところ、一人で運べるものではなかった。
そこへやってきたのが神社の近く北方に住む評判の力持ち力蔵だった。
二人はさし木履(ぼっくり)という頑丈な足駄をはいて、力蔵が先棒を石屋は元方を担ぎ
歩き出した。やがて一里も歩いて法勝寺宿の手前で休憩したが、このときも二人は
杖を立てて鳥居は担いだままだった。その後は煙管をくわえて歩き出し、沿道の人たちは
力持ち二人の道中に目を見張り、大勢の見物人が繰り出した。
神主や総代が出迎える神社に到着し、最後の力を振り絞って鳥居を立てた後、
二人の煙管を比べてみたら、石屋のには深い歯形がついていたのに、
力蔵の煙管には何事もなかったという。

賀茂神社の二の鳥居は、国道180号線に面しており、社殿は奥まった森の中にある。

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