小山の小狐塚
(所在地:倉吉市余戸)


↑小狐塚のある小山

倉吉市余戸の天神川と小川が合流するすぐそばの小山を登ると小山の小狐塚がある。
その小山は高くはないが、苔むした急坂がついており、その頂上に小さな祠を祀って、
陶製の狐が祠の前に置かれている・・・ハズだったが、陶製の狐は残っていたが、
祠は存在せず、その台座が寂しく鎮座していた。

さて、そんな小山の小狐塚には次のような伝説が残っている。

小山の小狐の歌舞音曲は、この近在では並ぶ者のないほど巧みだったが、
小狐はまた呪法もよくした。
とある時、法印に乞われるままに、油揚げと交換にそれを伝授したのが、
小狐一生の不覚となった。
近くの村男に狐が憑いた時、法印は教わった呪法で狐を倒したが、
それは不幸にも小山の小狐だったという。

「わしは西郷小山の狐、囃子なけらにゃ小山に帰る」

という小狐自作の音頭というのが、永く里人に愛誦されたと伝えている。
愛嬌者の小狐の死を哀れんだ村人たちが祀ったのが、
小山の小狐塚である。


↑小山の小狐塚:祠のあった台座

小狐塚への道は、距離は短いが、頭の上で烏が啼く登り下りに何度か足のすくわれる
ような険しい道なので、天気の良い日に登るのをオススメする。

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