高木地蔵

↑高木地蔵

境港市中野町に巨岳(きょがく)山正福(しょうふく)寺という大刹がある。

山門の松並木を過ぎ、鐘楼門をくぐると、廻廊の廻らされた広い境内がある。

正面本堂右手には1.4m程度の石地蔵・高木地蔵が蓮台に立っている。

高木地蔵には次のような伝説がある。

 

幕末の頃、南弓ヶ浜の大庄屋・高木作左衛門は、同じ土地の豪農・

足立久三郎にその地位を追われ、罪を着せられ斬首されるということがあった。

それ以来、足立の家には幽霊が出てるようになる。

没落した高木家の老母は、呪いの言葉を吐き乍ら足立の屋敷外をさまよい歩いた。

久三郎は正福寺の祖道和尚を頼って大般若経をとなえてもらうと、その夜から

怪異はピタリと鎮まった。仏の功徳を感じた久三郎は祖道に帰依し、

正福寺の伽藍を弓ヶ浜一の大刹に整え、境内の一隅に作左衛門の冥福を祈って

一体の石地蔵を建立した。地蔵には寄進者の名を刻んではないが、

これが“高木地蔵”である。

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