物まね狸
所在地:境港市渡町
↑中海(中浦水門付近より撮影)
昔、夜になると中海の海岸の松の木林辺りで、松の木をノコギリでギコギコ切ってバッターンと
倒す音がするという怪異がしばしばあったと言います。
これは、松の木を倒す音を真似て近くに住む人を吃驚させて喜んでいる
中海の海岸べりに住む物まね上手な狸の仕業だろうと考えられていました。
この狸、少しオッチョコチョイで、ノコギリを引く「ギコギコ」という音がおかしなくらい
早すぎて、「ああ、また狸の仕業だな」とバレてしまう事もあったそうです。
この、物まね狸は竹きり狸の類型だと思われます。
しかし、海岸べりの松を切ってしまう音を出す、
という事は別の意味が込められているのかも知れませんね。
なぜなら、海岸の松には「待つ」という意味があるので、境港のような港町では
深い意味が込められているような気がするからです。