七色樫
(日野郡江府町)


↑七色樫

日野郡江府町宮ノ前の明倫小学校の裏側に、七色樫とも蛇樫とも呼ぶ
大きな樫の木が、美しく植林された杉木立を背に枝を張っている。
この七色樫には次のような伝説が残っているので紹介しよう。

戦国時代、この近くの半之江城の代官の元へ都から侍女にきたおみさという
娘がいた。
おみさは代官の息子と相思相愛の中となったが、この息子には父が決めた
許嫁者があった。
おみさはこれを知って日野川の淵に身を投げ、蛇身になって淵の主となった。
ここを乙女ヶ淵と呼んで恐れられていたが、その後日野川は洪水をおこし、この淵を埋めてしまった。
棲み場所を失った
おみさの蛇は土手を這い上り、淵のあったところに身を変じて大きな樫の木となった。
樫の木は秋になると美しく紅葉するが、その色を紫・黄・白・赤・緑・青・黒と変えていくという。
このため
七色樫と呼ばれている。またおみさの怨霊を恐れてか、樫の木の根元を掘ったり
幹を傷つけたりすると祟りがあると言われ、注連縄を張って神木として崇めている。


↑七色樫の下

・・・「注連縄が張って」というような記述が「鳥取の伝説・日本の伝説47」(角川書店)には
あるのだが、先日(H14.10)実際に丘に登って樫の木の下に行ってみたが注連縄は存在しなかった。
祟りがありはしないだろうか、と一寸心配になっていたりして(笑)

また、七色樫は、七尋(約12.6m)も首を延ばし人々を驚かせた七尋女という
妖怪に変化したという伝説ものこっている。

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