天から落ちた石
(所在地:米子市橋本)


↑阿陀萱神社の境内にある大石

数年前の話になりますが、美保関町に天から石が落ち、
メテオプラザなんて名前のコミュニティスペースが建立されたり、
隕石饅頭なんていう菓子が作られる程評判になりました。

さて、米子にも天から石が降った話が伝わっています。
成実の橋本に鎮座まします阿陀萱神社の境内にある大石がそれです。
神社の裏山は三笠山といったそうですが、社伝によりますと、

「…神代の昔、宝石天降り一夜の中に(石が)出現せしゆえ、この山を宝石山と称す。
この石社伝秘訣あり。異名石にて側に小社を建て、産石神社と崇敬…」

したとあります。
この石を産石神と崇めたことからわかるように、安産祈願の石として拝まれてきました。
なぜ産石といわれるようになったのかは、「社伝秘訣」で語られていませんが、
そのルーツは大国主命伝説にあるのではないか、という説があります。

大国主命は、兄神たちに妨害されながらも美女八上姫を得ましたが、
八上姫は大国主の正妻スセリ姫の嫉妬にいたたまれず、
娘の阿陀萱奴志喜岐姫を連れて、因幡に帰ることになりました。
帰路、橋本を通られた時、娘の姫が榎の枝に手の指を挟まれて抜けなくなりました。
そこで娘の姫は「私はこの地で住むから、お母さんは因幡に帰って」といわれました。
その娘姫の住居が阿陀萱神社で、この阿陀萱姫はまことに安産で生まれられたので、
それでこの石を産石というのだそうだ

との説ですが、真意の程はいかがなものでしょう。

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