才仏川のカッパ
所在地:境港市竹内町


↑才仏川

竹内町にある境港工業高校のグランドには、むかしは南北に横断して外浜境が通っていた。
松並木のつづくさびいい場所であった。そしてこの境往来を中断して「才仏川(さいぶつがわ)」という
大きな川が西から東へ、美保湾へ向かって流れていた。この川に、カッパ(河童)が住んでいた。

カッパは「川太郎」とも呼ばれ、十才の少年ほどの大きさで、力が強く、人が通りかかると「相撲取ろう」と
抱き付いてくるという。うっかり相手になるとずるずると川へ引き込まれてしまうので、村人は恐れた。
カッパは胡瓜が大好きで、反対に鉄製品は嫌いであった。もしカッパが現れたら、
頭を横に振って見せると、カッパはそのまねをして頭を振り、頭の上の皿の水をこぼして、
あわてて川へ逃げこむという。

(境港ではたして河童の事を「川太郎」と呼んだのだろうかという疑問もあるが、
境港市史でそう記述されているので、あえてそう表記した。語群的には日野川と同じく
「カワコ」か「エンコウ(エンコソウ)」なのが妥当だと思うのだが・・・)

才仏川は現在暗渠となっており、学校の前と美保湾近くのパチンコ店の前にだけ表に姿を現し、
カッパ伝説を秘めて流れ続けている。

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