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| また、村野氏の作品には、宇部市民館や広島平和記念聖堂などといった、建築されるにあたって並々ならぬ意思をまっすぐに受け止めた上でデザインされたものが多い。この公会堂も米子市民からの基金により建築されたものであり近代建築史上の村野作品としてのみならず米子市としての 記念碑的建築 として存続しつづけてほしい建築である。 とはいえ数々の近代建築が今抱えている『存続か解体か』の問題にこの公会堂も直面している。既に機能的には十分なキャパシティとはいえない客席数、驚くほどに狭い舞台袖など至る所にみられる平面上の機能的限界、建物・設備の老朽化、周辺市街地の変貌による立地条件の限界・・・といった事が露呈しているのである。 実際この公会堂も解体の議論がされていたことがあったが『市民のための市民による公会堂』として維持存続されることとなった。合理性のみの追求によるスクラップ・アンド・ビルト以上の価値がこの公会堂に見い出されているという事は建築にとっても米子市民にとっても幸いな事ではないかと思う。 |
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『公共建築百選’98』 |
『ある日の風景(1)』 |
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『ある日の風景(2)』 |
『ある日の風景(4)』 |
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