★日本海新聞2007年10月7日掲載 「幸福のスイッチ」紹介文

心地よい家族愛物語

  子どものころは、鮮魚店など、見知ったおじさんたちがやっている商店がたくさんあった。電気製品にしても、修理一切を含めそこですます店があった。だけどその店もなくなってしまった。
  イナデンの愛称で親しまれている稲田電気店は、稲田誠一郎(沢田研二)が「お客様第一!」でもうけは二の次とがんばっている。
  怜(上野樹里)は、そんな父親に反発して上京して働いていたが、上司と衝突して会社を辞めてしまう。そこへ「姉の瞳(本上まなみ)が入院した」と、妹の香(中村静香)からの手紙が届き帰省。しかし、入院していたのは父誠一郎だった。
  瞳から店の手伝いを頼まれた怜は渋々承知する。だが、家業を手伝ううちに、父の仕事ぶりや、人柄が地元の人たちに深く愛されていることを知り、父の愛情の深さと家族のきずなのありがたさ、そして働くことの喜びを再発見していく。
  怜を演じる上野樹里は、公開作がめじろ押しの若手俳優だ。屈折した心がほどけていく「不機嫌な女の子」を繊細かつエネルギッシュに演じている。仕事中毒人間の誠一郎を演じる沢田研二は、ぶっきらぼうな態度に娘への愛情をにじませる父親を好演している。
  監督は、インディーズ映画で数々の賞に輝いている新人の安田真奈。 和歌山県田辺市を舞台にして、どこか懐かしい、ちょっとウザったいけど心地よい家族愛の物語。そして、古きよき時代を思い出させて幸せな気持ちで包んでくれる本当にホットな映画になっている。多くの人がこの映画を見て、「しあわせのスイッチ」をONしてほしい。

(米子シネマクラブ会員 江田 孝) 



感 想 集

★心が洗われました。すごーく良くて観に来て大正解。病気が治りそうです。涙があふれました

★ほっとするような内容でした。幸福はこのように身近にあり、私が気付いていないだけかも知れないと感じました(影山昌秀)

★愛はやっぱりあたたかくていいですネ。(55歳)

★気持ちの持ちようで違うものですね。とてもよい映画でした。

★こんな軽いのりでも心に残る映画は出来るもの。何だか久しぶりにホットした映画でした。(米子市 68歳)

★また明日からがんばろうって気分になりました。

★気持ちよくふわふわした気分で見終わりました。重いテーマの作品が続いたので、たまにはこういうものもいいかと思いました。

★自然と怜の心のほぐれていく様がていねいに描かれていて良かった。小さい幸せがいっぱい!な、かんじの映画でした。(米子市 30代)

★本当のやさしさを感じ、とてもあたたかい気持ちになれました。

★いろいろムカつく若者。将来に希望が持てなかったり、話し合い(コミュニケーション)不足による誤解などとても身近な問題でよかった。ちゃんと仕事が見つかるような世の中になってほしい(伊地知典子)

★ゆったりとしあわせのスイッチを入れながら観ました。たまにはこういう日本映画もいいですね。カメラワークが素敵でした。

★和歌山県田辺市の皆さん、ご苦労様でした。よかったです。お母さんがなくなっても、お父さんが「ウワキ」をしても、皆んな元気で頑張っている「スガタ」に感動です。(坂本義文)

★とてもみずみずしい映画でした。妹役の子がかわいかった。(伯耆町 48歳)

★何事にもひねくれてた若者が、身近に出会ったおばあちゃんのしあわせな様子に出合い変わっていった。父の仕事の理解も出来て、彼女自身幸せを見出していけた。

★自然でとても良かったです。日本映画もいいですね。(米子市 58歳)

★帰ったら、よくまわりを見る事にします。(61歳)

★「幸福のスイッチ」とは、「人生を明るくするスイッチ」だった。電気がつく事が、関わる人達それぞれの心に明るい光をともしていく、それによってかたくなな心を変えていったと思う。「売った後が大事」を大事にしていた事が窮地に立った時に助けてもらえる人のつながりを作っていたと思います。(高松知恵子)

★身近によくある日常を描いているということもあり、非常に親近感がもてる作品だと思いました。また温かい気持ちになり最近忘れかけている「ものを大切にする心」「家族愛」「近所付き合い」といったものを思い出させてくれました。まさに心のスイッチがカチッと入ったように感じました。(田中英治)

★最近近場の個人の電気屋さんがお店を閉めました。なんだかこれが現実なのかとさみしいです。いつだったか、まさにこの様なアフターサービスばかりでなくその他の手伝いまでするような電気屋さんが地方にあるのをTVでやっていました。NHKの12ch、ビジネスチャンス(?)の番組ではなかったかと‥‥。(女性 60歳)

★画面は暗いが、心は少し暖か。(井山宣和)

★非常に良かった。主人公の女の子が私と似ているところがあり、すごく共感できました。もう一度見てみたい映画だと思いました。(米子市 34歳)

★それぞれ特徴のある3姉妹とガンコ親父のほのぼのとした雰囲気が感じられたのしかった。また、花や虫や鳥等日本的な景色も印象に残った。(伊沢 純)

★当たり前の生活のなかにこそ、本当のぬくもりがあることを強く感じました。上野樹里はこういう役が良く似合う。

★現代の様々な社会情勢を反映してその中に人生の生き方を考えさせられる。何が幸福?私もわからない?人生ってどう生きるべきか?






      
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