★日本海新聞2008年6月16日掲載 「題名のない子守唄」紹介文

母の愛ひしひしと

  ジュゼッペ・トルナトーレ監督といえば、あの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」である。
現在イタリアを代表する監督の一人だが、この作品で彼は映画界のひのき舞台に登場する。
そして以来「みんな元気」「海の上のピアニスト」「マレーナ」など印象に残る作品を作り上げている。
  今回の「題名のない子守唄」は、随分イメージの違った、サスペンスタッチで描かれ、
今までの作品にはない内容に驚かされ、見た人に衝撃を与える映画である。
「マレーナ」以来6年の沈黙を破って監督が描きたかったことは? 
  映画の舞台は、北イタリアのトリエステ。そこへ、謎の女イレーナが、ある目的のためやってくる。
暗い過去、忌まわしい男の影、少女との間に生まれるほのかな愛。そして物語はとんでもない方向へ。
映画を見た人は「ラストを語らないで」と言う。さあ、どんな展開が待っているのか。
  監督は言っている。「母の愛はいつどんな時も強くゆるぎないもの」と。
そんな女性の悲しさと何ものにも勝る母の愛がひしひしと伝わってくる。
  そして映画のイメージを決定付ける曲は、トルナトーレ監督との名コンビといわれる映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネである。
その美しい魅力ある曲とともに涙と感動の渦に巻き込まれることであろう。
  イタリア、アカデミー賞で作品賞をはじめ主要5部門を獲得したこの作品、ぜひジュゼッペ・トルナトーレの才能のすごさを実感してほしい。

(米子シネマクラブ会員 新田敦子) 



感 想 集

★最初から最後まで全く退屈せずに見ました。普段映画館でよく上映されるアメリカ映画と違い、ヨーロッパ映画の奥深さをつくづく感じました。モリコーネの美しい曲が、よりいっそう映画に深みをかもし出した気がします。(女性)

★何が目的なのか、なかなかわからず最後まで興味深く見ることができた。音楽もステキでした。(58歳 女)

★良かったが難しかった(坂本義文 67歳)

★内容のある映画だったと思います。あれだけ大変な人生も本当にあるのですね。(米子市 66歳)

★眠気も疲れも忘れて没頭しました。たまにはこのようなドラマティックな作品も良いですね。今日は人が多くて嬉しいです。シネマクラブがいつか席いっぱいの人で埋まるのが夢ですね。(60歳 女 米子市)

★秘密組織に身を置き、子どもを生む奴隷にされた女の必死の愛情が胸に迫りました。

★何と評してよいのか、すぐに言葉が出てこないが、とにかく心を打たれました。そして、多分これからいろいろなことを考えることになるのだと思います。そんな映画でした。(鈴木)

★救われて気持ちになりました。感動しました。ニュー・シネマ・パラダイスを観て流した涙とは違う涙が出ました。この作品のテーマは「母性愛」だと思います。母親は強いとよく言われますが、サスペンスの要素が加わるとさらに強さを感じます。また、哀愁を帯びた音楽が心に響きました。(田中英治)

★バックを流れる音楽が効果的。展開が速く、内容がつかみ切れなかった。(米子市 50代)

★特殊な環境の中での想像を超えた映像とストーリー。でも、底に流れているのは「愛」はどんな所でも価値があり、愛は全てだと思いました。胸が少し痛いですが、感動しました。(大山町)

★子守唄にしては(想像していたわりには)残酷な過去があって、刺激があってハラハラ・ドキドキして見ていました。最初は何かわけのわからない残酷な物語をみているようでした。こんな話、映画だけの話で実際にあったら本当に怖いですね。

★途中から話がよめたけど、おもしろかった。

★子供の様子が良かった。

★映画はとてもよく出来ていたと思いますが、ちょっと苦しくなってしまいました。本当にこんな世界もあるのでしょうネ。(55歳)

★とてもヘヴィーな内容で、何と言ったらいいかよく分からないというのが本音です。悲惨な女性の人生を語っている?何故最後はあの場面なのか彼女の人生後半に夢を持たせる為?(M.I.)

★最後に救われた思いである。

★こういう機会にめぐまれて嬉しかった。(米子 31歳)

★ストーリーについていけない場面があった。こわかった。ただ、私に子守唄を歌ってくれる人がいないせつなさ。私がこんなに子守唄、唄ったか、唄っていない。過ぎ去った時のことを思うと悲しい。(65歳 女)

★社会、一般市民が、自分を生かせないのが常ですね。

★訴えるものがわからなかった。子役の可憐さに救われた。(60代)

★もうすこし感動出来るものを期待します。



      
[戻る]